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狙いどおりに伐倒するために 伐木のメカニズム 

単行本技術を伝える本

狙いどおりに伐倒するために 伐木のメカニズム 

「受け口・追い口・ツル」の寸法には理由があった!

著者 上村 巧(うえむら たくみ)
定価 2,750円 (本体2,500円)
ISBN 978-4-88138-392-6
体裁 A5判 188頁(カラー口絵16頁 本文カラー76頁 モノクロ96頁)

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明治時代~現在に至る伐倒技術の変遷を読み解き、「受け口・追い口・ツル」の規定寸法の妥当性を試験・解析。

鋸断に失敗すると、どこにどんな力が加わり、どんな現象を招くのか。

伐木の力学的な原理を丁寧に解説。

安全で正確な伐倒を行うための「よりどころ」となる1冊です。

 

●本書で学べる主な内容

・国内の伐倒技術の変遷とその理由
・海外の受け口の形の意味
・ツルに加わる力と役割
・受け口角度の意味
・受け口の深さ─ツルとの関係
・追い口の高さ─裂けとの関係
・ツルの幅─裂けとの関係
・受け口の会合線が一直線にならないとどうなるか
・ツル幅が均一でないとどうなるか
・受け口会合線や追い口が傾くとどうなるか

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著者プロフィール

上村 巧(うえむら たくみ)

 1965年大阪府生まれ。京都府立大学農学部林学科卒業。博士(農学)。
 1988年4月、林野庁に入庁、林業試験場機械化部(当時)に配属。現在、国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所 林業工学研究領域 伐採技術担当チーム長。
 研究テーマは林業用ワイヤロープと架線集材に関する試験研究、労働安全性向上を含むかかり木処理と伐倒に関する研究、竹の効率的な伐採搬出に関する研究、高機能ハーベスタの開発など多岐にわたる。「伐木造材作業の労働安全性向上に関する研究」で2012年度森林利用学会賞受賞。近年は林業大学校等で伐木技術の講義も受け持っている。
 チェーンソー特別教育用テキスト「伐木造材作業者必携」(林業・木材製造業労働災害防止協会)作成委員。労働安全衛生規則や「チェーンソーによる伐木等作業の安全に関するガイドライン」の改正を促した「伐木等作業における安全対策のあり方に関する検討会」に参集者(委員)として関わる(同報告書は2018年3月公表)。

主要目次

口絵
まえがき

 

序 伐倒技術を考えるにあたって

伐倒技術は1つではない

木を「倒す」か、「寝かす」か

物理的な弱点を作って、そこで折る

実際の伐倒作業には複雑な条件が絡み合う

長年の経験則によって確立した技術

本書で使う用語の定義

1章 伐倒技術の変遷

古代から現代に至る伐倒技術の変遷

斧から鋸、チェーンソーへ。道具の変遷

受け口とツルの役割はいつから認識されていたか

文献に見る伐倒技術~明治期から昭和期

斧・鋸で伐倒していた時代

チェーンソーの登場

伐倒技術の変遷から考える

受け口の深さ

受け口の角度

追い口の高さ

ツルの幅

伐倒方向

海外の伐倒技術

海外の技術はいつ日本に伝わったか

現在の海外の伐倒技術を見る

3種類の受け口

アメリカの伐倒基準

伝統的受け口

オープンフェース受け口

フンボルト受け口

ドイツの伐倒基準

まとめ 海外の伐倒技術

2章 木が倒れるとはどういうことか~受け口・追い口・ツルが果たす役割

ツルに加わる力と役割

押しつぶす力と引き延ばす力

ツルに加わる力を読み解く

受け口角度の意味

受け口がふさがるまでツルは切れない

受け口角度と作業の安全性

受け口の深さ─ツルとの関係

受け口の深さでツルの長さが決まる

受け口の深さとツルの効果

追い口の高さ─裂けとの関係

見解① 追い口が低いと上に裂けが入る

見解② 追い口が低い方が正しいツル幅を確保できる

検証 伐倒試験で裂けの兆候を見る

検証 モデル解析で内部の力を見る

解析図の見方

追い口が高い場合

追い口の高さが適正な場合

追い口の高さが会合線と同じ場合

追い口の高さが低い場合

検証のまとめ

まとめ─追い口高さと裂けの関係

ツルの幅─裂けとの関係

裂け上がりを防ぐための考え方

幹を曲げるような力に注意

オープンフェース受け口の利点と注意点

3章 鋸断を失敗するとどうなるか

受け口の会合線が一直線にならない

受け口切りの不一致についての見解

検証 伐倒試験でツルの様子を観察する

モデルによる解析で内部の力を見る

斜め切りを切り過ぎた場合

下切りを切り過ぎた場合

まとめ 受け口切りの不一致が招くリスク

ツル幅が均一にならない

ツル幅の不均一についての見解

検証 伐倒試験で伐倒方向を確かめる

検証 モデル解析で内部の力を見る

まとめ ツル幅の不均一と伐倒方向

受け口会合線や追い口が傾く

受け口会合線はなぜ水平でなければならないか

追い口は水平よりも終端の位置が重要

まとめ 受け口・追い口・ツルの考え方

伐倒技術は経験則による目安と考えよう

過去の技術書と伐倒試験・モデル解析から分かったこと

受け口の角度

受け口の深さ

追い口の高さ

受け口切りの不一致

ツルの幅

受け口会合線の水平・傾き

「木の切り方はいつも同じではない」

力学的な基本原則の理解を

 

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