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本書は、伐出・林業機械・作業システム・路網等の林業生産技術の技術点検からサプライチェーンまで、木材生産・販売を通じてビジネスとして収益を上げていくために必要な「林業生産技術」をまとめた実践書。実例を通じた解説とゼミナール形式による実践的な設問を設けることで、読者の実践力を鍛える工夫にも配慮しています。
月刊『現代林業』(全国林業改良普及協会)2009年1月~2011年3月に連載された「林業生産技術ゼミナール」をベースに、新たな知見を付加して再編成しました。
森林・林業再生プランがスタートし、待ったなしで自立経営の時代に直面した今こそ、押さえておきたいポイントが満載です。
東京大学大学院森林利用学研究室教授。「持続的森林経営における森林作業」を柱に、「森林機械化作業における最適作業システムと林内路網計画」、「森林の空間利用のための基盤整備」、「水土保全を考慮した間伐作業システムの構築」、「里山における森林バイオマス資源の収穫利用」をテーマに研究を展開。
主な著書に『作業道 理論と環境保全機能』、『作業道ゼミナール 基本技術とプロの技』(全国林業改良普及協会)、『人と森の環境学』(共著、東大出版会)など。
第1部 林業生産技術を考える
第1講 新時代を拓く林業技術とは─ 人と技術のよりよい関係づくりを目指して ─
今、新時代に─人こそが主役─
技術の整理─技術伝承から技術伝達へ─
技術の混乱と本来の技術
ビジネスとしての林業
現行技術の先にあるもの
第2講 林業技術者に求められる要件
林業技術者の力量の重要性
林業は時間と空間のマネジメント
自分を磨く
価値を見いだす
「考える」習慣
第3講 林業生産技術向上のための人材育成
研修参加と組織の技術レベル 36
人と組織
人材育成に、経営者に求められるもの
人材育成に、管理者に求められるもの
組織の時間効率を考えよう
研修と人材育成
第4講 林業生産技術のまとめ
林業技術を考える視点
林業は総合技術
安定したシステム
技術の普及
技術は合理性の追求
主役が誰かを考えることが重要
チームワークと安全管理
ビジョン、目的、大きな目標を持とう
道の効用
林業の価値を高めよう
間伐と選木
重要なのは精神性
第2部 林業経営の改善
第5講 林業経営の改善点
一般の企業経営と林業経営
売れる商品づくり
事業の維持
第6講 組織の近代化と人材育成
組織の近代化
組織を変えた経営
経営者の役割 ─ 人を育て、給料を払う ─
管理部門の重要性
従業員がよく働く組織─いかにしてやる気を高め引き出すか─
成功しない条件
第7講 組織の自己改革─恵南森林組合の事例─
恵南森林組合の組織改革
現場に「考える力」が必要
山や生産を理解した道づくり
技術レベルの統一を図る
将来を真剣に考え人材育成の手だて
地域の中の森林組合
森林技術で自立し生きていく
第8講 森林組合と事業体の協働、林建協働
北信木材生産センターの設立と取組み
長野森林組合の間伐推進の取組み
今後の木材生産センターと森林組合との協働
長野県の森林整備の方向性と間伐材利用
列状間伐の採用とタワーヤーダを利用したハイリード方式
信頼関係の重要性
建設業の林業参入
第9講 NPOの力と可能性
NPO法人「緑のダム北相模」
「緑のダム北相模」の活動内容
作業現場
NPOの哲学
森林は誰のもの
第10講 自伐林家の林業生産技術
自伐林家のチャンス
自伐林家の強み
作業能率を求めない作業システム
集約化施業との関係
経営形態の例 安田孝氏(広島県)/館脇信王丸氏(新潟県)
安全確保と技術講習
第3部 林業のビジネス化-林業、林産業のサプライチェーン-
第11講 作業システムの基本
作業システムとは
作業システムの基本
基本事項の解説 〔参考〕調和平均
ハーベスタとプロセッサの作業システム
作業システムの採点 〔参考〕材積の見積もり
プロセッサを中心とした作業システム
作業システムの組み方
日本の林業機械化の課題
運材主体の考え方
低コスト作業システムとは
作業システムの課題
第12講 サプライチェーン─ システム林業の意思決定方法─
サプライチェーン
林業、林産業のサプライチェーン
サプライチェーンの例
サプライチェーンと需要予測
サプライチェーンとシステム林業
サプライチェーンと情報技術IT─システム林業における情報技術とビジネス原 則─
事務処理系ITと分析系IT
需要管理と顧客の信用獲得
サプライチェーンにおける集材工程
サプライチェーンにおける製造工程
流通とロジスティクスサポート
サプライチェーンの性能向上
第13講 サプライチェーンの実践事例─ノースジャパン素材流通協同組合 ─
ノースジャパン素材流通協同組合の歩み
ノースジャパンの品質保証
サプライチェーンマネジメントとしてみたノースジャパンの活動
今後の戦略
地域流通機能のコーディネータの役割
第14講 地域のトータル林業実践事例─ 長野県根羽村 ─
根羽村の概況
トータル林業の発端
第15講 施業提案とミニサプライチェーン─ 藤原造林 ─
藤原造林の概要
施業団地現場
集約化施業のコツとネック
作業システムを使い分け
飯島製材所との契約
将来の戦略
第16講 木質バイオマスのサプライチェーン
木質バイオマス
燃料チップを普及するためのサプライチェーン─ 入口の条件整備─
出口の社会資本整備
燃料チップの価格形成
燃料チップの価格シミュレーション
木質バイオマス収穫には新たな機械開発が必要
地域の集荷圏
第4部 林業生産技術の技術点検
第17講 チェーンソーの技術点検
チェーンソーは20世紀の偉大な発明
チェーンソーの作業能率の特性
ソーチェーンの目立て
第18講 架線集材の技術点検
架線集材のメリット
集材機の原型
架線に働く張力
安全率
インターロック機構
架線技術を使いこなす秘訣
付属器具
架線集材における土場の重要性
第19講 車両系林業機械の技術点検
車両系林業機械と油圧機器
日本で最初の本格的油圧林業機械
プロセッサの発明の母
プロセッサによる造材作業
プロセッサの土場
プロセッサの集材作業システム
ハーベスタの生産性
フォワーダの生産性
第20講 運材システムの技術点検
運材コスト
運材の主体
ケース1
ケース2
ケース3
ケース4
トレーラの利点と中継土場
木材の価格形成に対する土場の役割
21世紀産業の夜明けを迎えるには
第21講 林業機械のレンタル、リース
儲けることができる機械
儲かる林業の例
提案型は「森づくり」「道づくり」「人づくり」
レンタルの普及
リースとは
レンタルおよびリースのメリットと必要性
第5部 路網の技術点検
第22講 路網の技術点検─ こわれない道づくり ─
日本の地質の特色と道づくり─付加体
〔参考〕丸太組工法の耐用年数
受け盤と流れ盤
路網のもう一つの危険地帯
路網を正しく普及させるには
第23講 林業専用道と路網の活用
森林・林業再生プランにおける路網
林業専用道誕生の経緯
林業専用道の活躍の場
林業専用道作設指針と林業専用道の将来
路網整備水準の考え方
〔参考〕林業専用道の取組み
第24講 森林作業道づくりのポイント
作業道づくりの考え方
■初心者のために基本的なポイントとは?
■「山を荒らさない」ための具体的なポイントは?
■地質を見極める
■どこから着手したらよいか
■納得のいく線形
■山を荒らさない道づくりの実践
■自伐林家の道づくりと森林組合の道づくり
■地域の森林の目標林型
■機械によって設計を考慮
■「使いやすさ」なのか、「壊れにくさ」なのか
■森林作業道づくりで必要なポイントは
■道づくりの戒いましめは
■工法にも現場との相性
■地質等を把握
こんな場所に道を入れてはいけない
■道を付けてよいところ悪いところ
■施工のポイント
■技術向上のためのアドバイス
作設者の疑問
■黒ボク土対策
■横断勾配
■洗い越しか、暗渠工か
■路線ルートのプランニング
■湧き水が発生する個所
心無い施工例
林業時事用語解説
索引
■関連図書
酒井秀夫 著
ISBN4-88138-133-4
A5判ハードカバー 284頁
定価:3,675円(本体3,500円)
酒井秀夫 著
ISBN978-4-88138-216-5
A5判ハードカバー 292頁
定価:3,675円(本体3,500円)