私たちは、林業の各分野に見えてきたイノベーションの種に気づいているだろうか。
技術、システム・流通・販売は? 何を造る林業を目指すのか? 精緻データ、分析ツール、地域適合型の精密林業とは?
組織の重要性、経営理念とES、CS、多様な人材に存在するイノベーションの種。
そして、将来社会での林業の存在意義――どんな地域社会・人々の暮らしを実現していくのか。
日本林業のイノベーションの方向性と効果を分析し、整理した、著者渾身の書き下ろし。
●本文中に下記の誤りがありました。訂正いたしますとともに、お詫び申し上げます。
正誤表
p90 後ろから6行目
(誤):近くから掘り出した鉱物資源の廃棄物、…
(正):地殻から掘り出した鉱物資源の廃棄物、…
1969年、京都市生まれ。京都大学フィールド科学教育研究センター森林育成学分野准教授。京都大学大学院農学研究科林学専攻修了、京大博士(農学)。京都大学農学部附属演習林助手、同農学研究科森林利用学分野助手を経て2008年より現職。現在は和歌山研究林長として和歌山県有田郡有田川町在住。専門は森林利用学で、特にGNSS、GIS、リモートセンシングデータなどを用いて、林地に適した森林管理手法を考える「精密林業」をテーマとした研究を行っている。近年は育林、伐出、流通に関するシミュレーションモデルの開発などにも取り組む。
第1章 はじめに~森林・林業の現状と課題
第2章 イノベーションとは何か
第3章 日本の森林管理の歴史
第4章 生態系サービスと将来社会における林業の存在意義
第5章 日本林業のイノベーションの方向性
第6章 森林生産システムからイノベーションを考える
第7章 イノベーションのための人材育成と組織づくり
第8章 おわりに~豊かな森へ