技術を伝える本
対談集 人が育てば、経営が伸びる。林業経営戦略としての人材育成とは
なぜ顧客・地域から信頼され、支持されるのか。
なぜ安定経営か。
その答えがここに。
著者 |
全国林業改良普及協会 編 |
定価 |
2,090円 (本体1,900円) |
ISBN |
ISBN978-4-88138-304-9 |
体裁 |
四六判 144頁 ソフトカバー |
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林業に携わる職員や現場従事者の人材育成をどのように進めてきたのか、それにより経営がどのように変わってきたのか、4人の気鋭経営者がその考え方や実践を語る対談集です。
聞き手は、NPOなど団体経営支援、企業のCSRマネジメントコンサルタント分野の専門家である川北秀人さん。
川北さんが人づくりと経営をつなぐさまざまなポイントを4人から引き出していきながら、他業界での人材育成事例についても触れた、興味深い対談が展開します。
それぞれの言葉から、人が育つことこそが、安定した経営力に結びついていくヒントが見えてきます。
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全国林業改良普及協会 編
対談者/
◇新井和子さん(多野東部森林組合代表理事組合長)
1947年生まれ。1973年に合併前の藤岡市森林組合の書記として採用され、1976年に現組合の会計主任、1995年に参事、2006年に全国3人目となる女性の組合長となる。「人材は資本であり資産である」をモットーに、人材育成に取り組んできた。
◇半田州甫(くにお)さん((株)とされいほく代表取締役副社長)
1943年生まれ。高知県の林業普及員として長く森林組合や林業事業体を指導してきた実績を評価され、2001年に県職を辞して現職に就任。以来、H型架線集材など独自の作業システムを手掛け、同時に作業員の給与体系などを改め、「やる気集団」として社員を育成している。
◇安田 孝さん((有)安田林業代表取締役)
1960年生まれ。大学卒業後、広島県旧吉和村職員に勤務。その後、家業である林業を継ぎ、1992年に安田林業を設立。
2007年からは新規職員を採用。その短期間での人材育成手法は高く評価されている。
◇牧 大介さん( (株)西粟倉・森の学校代表取締役)
1974年生まれ。京都大学大学院農学研究科修了後、銀行系シンクタンクを経て、2005年に行動する専門家集団・アミタ持続可能経済研究所の設立
に参画、同所長に就任。2006年に地域再生マネージャーとして西粟倉に赴任。
聞き手/
◇川北秀人さん(IIHOE(人と組織と地球のための国際研究所)代表者(CEO))
1964年生まれ。京都大学卒業。94年にIIHOEを設立。大小さまざまなNPO・社会事業家や地域自治組織のマネジメント支援を毎年100件以上、社会責任志向の企業のCSRマネジメントを毎年10社以上支援するとともに、NPOと行政との協働の基盤づくりも支援している。
また、約200の自治体(都道府県・市)とNPOとの協働のしやすさを7段階で評価する世界初の「協働環境調査」、「自治体における『社会責任』(SR)への取り組み調査」を実施。その結果をふまえ、毎年約60の自治体で職員や市民との合同研修を開催している。
進化する意欲が組織を変える
新井和子さん(多野東部森林組合代表理事組合長)
アンケートで職員の人格を把握/いかに組織の新陳代謝を促すか/未来の所有者の立場で考える/先輩の仕事を見て習得/次のステップを目指す姿勢を/「失敗」を伝えることも必要/研修を受けた人たちの行動を変えさせる/人材育成は職場を変えるため/組織ぐるみでお客様のほうを向いているかが大事/「出」を減らすより「入り」を増やす/経営が進化しないと研修は意味がない/経営
をオープンにしなければ危機感がなくなる/研修で技能を磨く/仕事はお金ではなく使命感/組織は人がつくる
山主(社会)に評価される仕事の仕組みが人を伸ばす
半田州甫さん(㈱とされいほく代表取締役副社長)
モチベーションで大事なのは給与体系/評価される企業理念/安全で効率的な間伐施業システムの構築/(カコミ記事)H型架線/安全確保は危険事象の共有から/社員自らの気づきを実践し、生産性を上げる/知識の学びは早い時期に/「他流試合」で力を伸ばす/事業体経営者への研修がまず必要/他の会社の研修を引き受ける仕組みづくりを/評価する仕組み/普及には圧倒させるよ
うな熱意が必要/社員のやる気を体感しに来てほしい/自立する意識を経営者も社員も持つ/道の指標「道齢」の提案
安全最優先の発想で経営者感覚の林業人を育てる
安田 孝さん(㈲安田林業代表取締役)
安全を最優先にした人材育成/危険な作業をモデル実演する指導が効果的/慣れる前に要求される水準を教え込む/「林業が好き」より「山が好き」な人を雇用する/目標達成率を検証して振り返る/林業はサービス業/社内資格制度でモチベーションアップ/現場を知ることが経営者の資質/判断ができなければ経営者として失格/過ちは徹底的に正す/プレゼンテーションは指導者に必要
な技術/安全第一、品質・納期第二、利益第三/「今週の安全点検」で安全のポイントを絞る/実践していることを確認することが大切/対象の成長を把握する研修設計/「君のための研修なんだよ」
消費者そして生産者をつなぐ村の“総合商社”マンへ
牧 大介さん(㈱西粟倉・森の学校代表取締役)
お客さんのほうを向いて仕事を進める/(カコミ記事)株式会社 西粟倉・森の学校/風景が変わることが地域の意識改革につながる/エンドユーザーと会うことで変わる/「村の一員として生きてい
くということは、森という財産を大切にしながら、未来につなげていくこと」/地域にフロンティアを感じることができる人材を発掘/二次産業の三次産業化で市場が拡大する/2年後の組織図を描かせる/輸出で日本の材のブランド価値を上げる