■本書の趣旨
従来の林業専門教育に加え、一般成人や青少年を対象にした森林・林業教育、あるいは学校教育や環境教育との連携をどのように進めていくのか、その具体策づくりの土台となる情報を体系的にまとめました。
林業の立場から、学校教育、環境教育、自然教育などとの関連を考えながら、これからの森林教育を考える上で、またプログラムや森林教育関係の事業化を推進する上で必携の情報を網羅しました。
■本書の特色
1.森林・林業教育の理念を、林業関係者はもとより、学校教育、環境教育、社会教育の専門家の執筆により、整理してまとめました。
2.さまざまな事例の中から、森林教育関係の多様なプログラムを紹介しました。
3.森林教育のフィールド、施設、教材の事例を紹介しました。
4.インストラクターなど、森林教育を担う指導者をどのように育成するか、その事例を紹介しました。
5.森林教育の事業化について、その計画立案から、事業化にいたるまでの手法を、具体的に解説しました。
6.海外の森林教育の推進事例を紹介しました。
7.豊富な資料を掲載し、森林教育に関する情報事典としての機能を高めました。
第1章 森林教育への視点
(1)森林教育における森林と教材(東京農業大学・上飯坂實教授) (2)森林教育で教える林業(東京農業大学・上飯坂實教授) (3)森林教育プログラムづくりの視点(神奈川県林業試験場・中川重年専門研究員) (4)森林文化教育と林業(多摩美術大学・筒井迪夫教授) (5)環境教育と森林・林業(東京学芸大学・木俣美樹男助教授) (6)農山村と森林教育(広島県立大学・徳野貞雄助教授) (6)都市の農山村とのコミュニケーションづくり―森林・林業用語を、どう翻訳するか(江戸川大学・惠小百合講師)
第2章 森林教育の対象者と目的
(1)一般を対象とした森林教育 (2)林業技術者教育 (3)林業後継者、林業婦人教育 (4)社会教育・生涯教育と森林教育 (5)森林文化教育と森林・林業 (6)野外レクリエーション活動と森林教育 (7)村づくり運動と森林教育 (8)都市づくり運動と森林教育
第3章 森林教育プログラムの種類
●林業プログラム―短期 ●林業プログラム―通年 ●林業プログラム―体験編 ●炭焼き体験プログラム ●里山林保全活動プログラム ●森林スポーツプログラム
●交流活動プログラム ●山村生活体験プログラム ●森を素材とした遊びのプログラム ●自然科学的プログラム ●子供と自然・世界をつなぐプログラム ●木の楽器づくりプログラム ●体育的プログラム ●工作的プログラム―モノづくり体験 ●山村定住・修了体験プログラム ●新規林業従事者養成プログラム ●後継者養成プログラム ●新林業人養成プログラム ●新規参入者教育プログラム ●学校教師支援プログラム
第4章 森林教育のフィールドと施設・教材
(1)森林教育のフィールド事例
「教育の森」制度(千葉県) 「いこいの森」―地域管理協定方式(神奈川県) キープ・フォレスターズ・スクール(山梨県) 分収契約による「教育の森」(高知県)
「体験学習の森」 朝日の森自然研修所ほか
(2)「フジの森」交友記(環境プランナー・小澤一雄氏)
第5章 教材としての木材(島根大学・山下晃功教授)
第6章 人材育成のすすめ方
(1)全国森林教育指導者養成講座ガイド
(2)人材育成事例 ①自然活動リーダーを養成する「八ケ岳自然と森の学校」
②森林インストラクター養成講座((財)かながわ森林財団) ③フォレストピア塾―フォレストインストラクター養成コース(宮崎県)
第7章 森林教育の組織化・事業化(東京農業大学・宮林茂幸助教授)
1森林教育推進事業体の組織づくり 森林教育の段階的学習課題 入門編 初級編-森林・林業体験 中級編―山村との交流体験 上級編―林業経営・山村生活体験 2森林教育事業の取り組み方 森林教育推進検討委員会 事業化可能性の検討 基本構想の策定 森林教育候補地の確定 学習プログラムの確定 基本計画の策定 施設整備 ほか
第8章 海外の森林教育
座談会 森林教育づくりの楽しさと課題 資料編 ほか