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特集 システムで支える林業の提案Ⅱ―人材育成がカギ
著者 | 全国林業改良普及協会 |
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定価 | 5,700(年間購読料/送料込み)円 |
ISBN | --- |
体裁 | A5判 80頁 |
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特集1 人材力アップの経営が地域システム林業を支える
編集部
■人材力の差で勝負が決まる
1月号特集で提案した「システム林業」について、もう一度簡単に整理してみましょう。まず、システム林業の基本哲学は「持続可能な地域林業経営」をめざすことです。林業地域に利益がもたらされ、地域内の川上から川下までの様々な事業で雇用が創出され、それが長期にわたり持続する。そのために山主、森林組合などの林業事業体(経営陣、職員、現場従事者)、流通加工業、さらには行政の普及員など全ての人々が、自分の担う仕事・作業の意味を理解し、地域がめざそうとしている全体像を理解する。そしてそれぞれが連動しながらシステムとして地域林業経営に取り組むことにあります・・・
特集2 システム林業に求められる人材の育成手法1
岐阜県森プロに見る人材養成
中村幹広/岐阜県林政部県産材流通課技術主査
■健全で豊かな森林づくりプロジェクト
岐阜県は数少ない林政部を持つ都道府県という強みを生かし、森プロを支援するために国・県施策を集中させるとともに、プロジェクトへの人的サポートとして、森林組合や民間林業事業体の現場・事務責任者を対象に、『地域森林管理・経営に関する研修会(通称、森プロ研修)」を企画・実施しています。そこで今回は森プロ研修での取り組みを交えながら、岐阜県が期待する林業経営や森林技術者の将来像についてご紹介したいと思います・・・
特集3 システム林業に求められる人材の育成手法2
欧州の林業教育・訓練の現場を訪ねて
相川高信/三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)環境・エネルギー部研究員
■未経験者を前提とした仕組みを
新政権は、緊急雇用対策として、林業界に新たに3万人の雇用を生み出すとしています。現在の林業従業者数が5万人を切っていることを考えると、これは非常に大きな数字です。ところが、森林面積が約1000万haのドイツでは、林業労働者が10万人弱おり(2005年)、あながち不可能な数字とも言えません。
ただし、林業は危険を伴う仕事であり、また専門的な技能が必要な業種であることを忘れてはいけません。特に、Iターン・Uターン等で林業の経験がない人の新規参入が多くなっている現在では、そのことを前提として仕組みを構築していくべきです・・・
自らの言葉で地域の森林づくりを語れ
森プロ・フォローアップ委員会(岐阜県)
建築用木材に求められる品質とは
「水かけ論」状態から脱却すべき
サプライチェーン(1)―システム林業の意志決定方法
■サプライチェーン
サプライチェーンとは、原材料を調達し、工場へ運び、加工し、最終需要者に販売するまでの一連の流れのことです。製造業や小売業など、業種によっても異なります。サプライチェーンは、マーケティングの一部として、また流通コストとして、戦前から研究されていました。サプライチェーンの一翼を担うロジスティクスは、食糧や弾薬補給を行う兵站(へいたん)に由来しますが、物流と保管、サービス、情報に関して、全体の最適化をはかります。
サプライチェーンは他産業では1970年代から80年代にかけてさかんに取り入れられましたが、林業、林産業の木材産業は多くの中間業者が介在し、業界も保守的でしたので、技術革新が停滞し、チャレンジが遅れていました。林業、林産業をサプライチェーンとして捉える取り組みは10年くらい前に欧米で盛んに行われました。しかし、情報管理も含めると、チャレンジと検討の余地がまだ多くある分野です・・・・
現場指導者に必要なもの 水野雅夫さん
先進国型林業は、役割分担とそれに応じた教育システムに支えられる
「特集」においては、主に現場作業における未経験者・非熟練者のための訓練プログラムを紹介しました。林業が雇用の受け皿として期待されている現在、このような訓練プログラムの早期確立が大切です。
その一方で、先進国型林業は、大きくは「マネジメントと現場作業」という2つの役割分担に基づいて、「システム」として成立しています。欧州社会・林業界においては、役割分担とそれに応じた教育システムが構築されています。
日本林業が「先進国型」に脱皮するためには、「役割分担とそれに応じた教育システム」の構築が不可欠であり、本連載における重要テーマとして解説したいと思います・・・・
わかりやすい指標づくり―林分健全度グラフ 2
戸別訪問で間伐を呼びかける私たちは森林組合への橋渡し役
八重山地域におけるリュウキュウマツ人工林の安定的収穫伐採
これからのプランナー像
■プランナーは専門職である
森林施業プランナーは、これまでの森林組合等林業事業体には存在しなかった森づくりや木材生産・販売のプロフェッショナル=専門職です。これまでも一貫して書いてきたように、何かの業務のついでにできるような簡単な仕事ではありません。
まず、プランナーは、地域の森林全体をどう整備・管理していくかという「全体設計」を、行政機関とともに描いていかなければなりません。そして、いわゆる「ゾーニング」を行い、それぞれのゾーンに適合した施業方針を計画していきます・・・・
戦前からずっと我が家で管理してきた所有者9名の共有林を、我が家が時効で取得できますか。
ボールドウィン蒸気機関車 齋藤 淳・・・9
森林を次世代へ引き継いでいくためのチャレンジ
育林技術交流集会 長崎県で開催
佐賀市立小中一貫校 北山校(佐賀県佐賀市)・・・63
地元で家を建てる それが一番いい!
山づくりから家づくりまで
獣害に困っているが、若者のがほとんど都会に出てしまい、残った老人ばかりではチームプレーによる狩猟ができません。
表紙●岩渕光則 フォト●岩渕光則