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HOME > 出版物 > [雑誌] 月刊 「現代林業」 > 「現代林業 2010年1月号」
特集 システムで支える林業の提案Ⅰ―林業のシステム産業化とは
著者 | 全国林業改良普及協会 |
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定価 | 5,700(年間購読料/送料込み)円 |
ISBN | --- |
体裁 | A5判 80頁 |
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特集1 林業は、システムでこそ経営が成り立つ
計画・伐出・販売までのスムーズな連動を
編集部
ここで言うシステム(しくみ)とは、さまざまな林業場面を担う人々の連動をスムースにすることを指しています。すなわち、伐出現場と管理事務の連動、伐出と材のマーケティング・販売の連動、作業システムと事業地確保(団地化)の連動、機械化投資と路網開設の連動、従事者教育と林業機械投資の連動などの例です。さらには1事業所を超えた地域内での連動も指しています。例えば、伐出・素材生産事業と需要家サイド(製材・加工業等)との連動、素材市場、製材・高次加工の事業間の連動など、さまざまな例が考えられます・・・・
特集2 市場を見据えて売れる商品を計画的に生産
真樹販売(株)/長崎県
■ヒノキ無節材でブランド化を図る
――真樹販売(株)の木材販売戦略について教えてください。
佐賀里:当社では長崎県にヒノキ林280ha、熊本県にスギ林120ha計400haの山林経営を行っています。植林は昭和40年から始めまた。そもそも創業者が事業収益を自然に還そうという社会貢献としての意味も込めて林業事業をしていこうということでスタートしました。山林自体は雑木林や牧場後の遊休地を購入し、地拵えからの植林を始めたというのがきっかけです。平成15年にはブランド化を図って付加価値を高めていくため、利用間伐を踏まえ真樹販売(株)をグループの中で新たに設立しました・・
特集3 地域の山づくりと多彩な市場をつなぐ
(有)安田林業代表取締役 安田 /広島県孝
■地域全体で山づくりを進めることが林業経営の本道
――そもそも自伐林家である安田さんがなぜ地域の山づくりを標榜したのですか?
安田:地域の林業が疲弊していると自分の山林経営だけが発展しようというのは難しいものです。自分の山で林業を産業として成立させるためには、地域全体で山づくりを進めないと難しいと感じています。ですから地域で山づくりを進める。そのために地域でどういうような目標林型に持って行くか、どういう路網をしていくか。そこには地域で所有者の方や林業関係者、川中、川下と協働していくかが重要だと思います。
最終的には、その地域の中で生産されたものを地域の中で有効にかつ、山側にも還元できるような形で利用していくと言うのが狙いです。生産だけではなく、造林から主伐まで計算に入れた計画で販売につなげた地域の林業活性化です・・
大学が素材生産「親方」を養成
鹿児島大学農学部の社会人教育
ローコスト住宅の普及が意味すること
木を触れないで子供が育つ
作業システムの基本(2)―プロセッサを活かす
■プロセッサを中心とした作業システム
今までのように間伐材を主体として材が細い場合は、プロセッサの能率はどんなに頑張っても1日50㎥くらいが限界でしたが、これから材が大きくなってくると、150㎥も可能となってきます。また下手な人と上手な人、プロセッサ向けに段取りの良い現場と悪い現場とでは、生産性に大きな開きがでてきます。儲けられるはずなのに儲けられない現場もでてきます。プロセッサは生産性が高いため、1日の実働時間がわずか増えるだけで、生産量も大きく違ってきます。実働時間をいかに増やすかもこれからの課題です。生産コストを下げて森林所有者に還元する一方で、実働時間が増えた分はオペレータの収入につなげていくことも可能となります。ただし、過大なノルマを設定したりすると、労働災害や環境破壊につながったりしますので、段取りや組織体制のあり方で実働時間を増やすように工夫します・・・
教え方にも技術がある 水野雅夫さん
計画は、参加型で透明性を高めて作られる
■国家森林プログラムというコンセプト
持続可能な森林経営を、各国で実現するために開発された強力なツールとして、「国家森林プログラム(National Forest Programme、以下NFP)」があります。NFPの目的は「森林の持続可能な利用、保全、森林の開発」となっており、一国の森林・林業に関わる全ての分野を網羅したプログラムであることが求められています。
しかし、NFPは、「持続可能な森林経営をその国で実現するための総合的なツール」と位置づける以外に、文書の構成に具体的な雛形があるわけではありません。ただし、その策定プロセスの段階から、実効性を高めるための「原則」を取り入れることが推奨されています・・
わかりやすい指標づくり―林分健全度グラフ 1
里親事業をきっかけに里山の集約化を実現
「木育スクール」の展開―高校生発の木づかい運動の推進に向けて―
これからのプランナー像
■やればやるほど課題が増える
今年の研修では、当初から頻出していた「組織の壁」の問題は影をひそめました。これは全国的に提案型施業を今やらなければいけないという機運が高まってきた証左でしょう。それに伴って、研修生が挙げる課題もより具体的なものになっています。
例えば、以下のような課題です。
・とりまとめに時間がかかる(森林簿と実態の相違・所有者不明・境界問題)
・プランナーの負担が大きい(休日出勤や夜間開催となる座談会・説明会)
・現場が途切れない団地設計(最低面積を決める・プランナー業務を増やす)
・プランの精度(材積見積り・生産性やコストのデータの蓄積)
・作業班によって生産性や仕上がりが変わる(プランの精度へも影響)・・
借りている土地に、借りる前から不法投棄されたままになっているガスボンベ等の廃棄物を処理する責任は誰にあるのでしょうか。
手押しトロリー 齋藤 淳・・・9
森林を次世代へ引き継いでいくためのチャレンジ
育林技術交流集会 長崎県で開催
レイクビューハウス(埼玉県秩父市)・・・61
水と緑、自然環境を育てる
現存植生を活かした林業を提案
集落での正月恒例の餅つきが高齢化で続けていけるのか心配です
表紙●岩渕光則 フォト●奥山洋一郎