「組合だより「森と、杣と。」」は、色使いやレイアウトなど洗練されたデザイン力に満ちた誌面であること、「森と、杣と。」という誌名のこだわりとセンス、記事は「特集記事」、「座談会」、「職員紹介」、「村史(志)」を基にしたコラムなど、内容的にも読みたくなる記事がそろっていること、総代会報告についても、読み易くする工夫をしていること、そして、全ての工程が内製化されていること、などが高く評価されました。
「多摩産材情報センターホームページ」は、「多摩産材の利用者と供給者とのマッチングを行う」という目的にかなったサイトで、個々の情報へのアクセスもしやすいこと、レイアウト、文字の大きさ・フォントなど工夫されているところ、お知らせや事例なども、しっかりと更新されており、スタッフの方々がサイトを育てていこうといった気持ちや姿勢が感じられること、などが高く評価されました。
このコンクールは、一般社団法人全国林業改良普及協会の主催で、林野庁が後援、全国森林組合連合会が協賛して開かれました。
今回の応募総数は広報誌部門が11点、ホームページ部門が13点でした。
ご応募、誠にありがとうございました。
受賞団体一覧
・最優秀賞
組合だより「森と、杣と。」(高島市森林組合/滋賀県)
もりのかぜ だ・よ・り(認定特定非営利活動法人 森林の風/三重県)
みやぎの林業だより(宮城県林業振興協会)
【講評】
以下の、審査員からのコメント、アドバイスを生かして、よりよい広報誌・HPづくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。
広報誌部門
・ホームページが台頭してきたときに紙媒体の価値が問われましたが、紙媒体は今でも強い訴求力を持ちます。これからも広報誌の特色(地域性、限定性など)を生かし、読者に寄り添った記事づくりをしていただきたいです。
・あまり多くの色を使わずに、本文の書体も2、3種類にして、ルールを決めた上でシンプルに作り込んでいくとよいでしょう。
・本文の縦組み、横組みの混在が多いと読みにくくなります。
・長い文章には小見出しを入れましょう(本文だけの記事があります)。
・見出しの「~について」は入れないほうが良いでしょう。
・行事の報告だけでなく、執筆者の顔が見えるような、読者参加型の要素も必要です。
・「取り組み」、「取組」など、表記がばらばらならにないように統一が必要です。
・チラシや広報誌用の陳列棚は、冊子の上の部分だけが少し見えるように並べられていることが多いので、その部分(タイトルまわり)のデザインが重要です。
ホームページ部門
・スマートフォンからアクセスしてもサイトのフォーマットが崩れない、スマートフォン対応型サイトのシステムを導入するのもよいでしょう。
・現在、ネットへのアクセスは、PCよりもスマホからの方が多くなっています。
・動画コンテンツやSNSを活用したWEBサイトが増えてきています。
・トップページで、どんなサイトなのか、はっきり分かるようにすることが大事です。
・記事ごとに更新日時を表示すること。いつの情報なのか分かることが大切です。
・基本情報は本サイトに置いておいて、フェイスブックやツイッター、インスタグラム等を併用して最新情報の更新を行うところが増えています。
・無料のホームページ制作ソフト(CMS)があり、これを使うと、簡単な操作で見栄え良くレイアウト、デザインができ、自分たちでホームページを更新・管理できます。経費を抑えたい場合にも有効です。
・平成28年4月より「障害者差別解消法」が施行されました。障害者の方は紙媒体よりもインターネットを使って情報収集することが多いです。視覚障害のある方が見やすいようにホームページでも配慮が求められるようになりました。例えば、視覚障害者の方は、音声読み上げソフトを使ってサイト情報を得るので、ソフトで文字をきちんと読めるような作り方を行います。他には、色彩だけで区別するような情報提供の仕方は避けましょう(例えば、背景色を濃い色の状態で見出しに黄色と白色を使い、黄色は○○を表し、白色は××を表すといった情報提供は避ける)。
・ホームページは、広く一般に開かれた媒体であるため、近年はルール(JIS)が作られています。これに準拠してホームページを作るとよいでしょう。
広報誌・ホームページ 両方の媒体を持っている方へ
・広報誌とホームページのコンテンツを別々に考えるのではなく、双方の記事を共有したり、連携させたりすることで、より質が高まり、発信力も高まっていくでしょう。・広報誌をホームページで公開して、多くの人が閲覧できるようにしている応募作品もあります(ホームページがアーカイブとして機能します)。
・近年は、サイトの制作・運用等のルールがJIS規格で定められていますので、これに準拠して作られるとよいでしょう。
・動画を活用する団体が増えています。アクセシビリティの観点から、動画に字幕を付ける等の対応を行うと視聴者に親切です。