森林経営管理制度がスタートし、これまで以上に市町村の森林監理業務が拡大することが予想されます。一方で、市町村には林業技術者が非常に少ないなどの課題もあり、円滑な任務遂行のためには、必要な情報提供をはじめ、市町村業務を支援するツールなどが必要です。
そこで近年、急速に普及してきた林業ICTにより、市町村の森林監理業務や地域の林業戦略にどのような支援が期待できるのか、広く自治体等の林業ICT導入にも関わってこられた寺岡行雄・鹿児島大学教授に全体像を整理して頂き、併せて先進的に取り組む2地域の事例を交えて林業ICTの世界を紹介します。
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鳥取県生まれ。平成6年3月九州大学から博士(農学)を取得し、平成6年4月九州大学演習林助手、平成9年4月から鹿児島大学農学部で勤務。平成25年2月から鹿児島大学農学部教授、現在に至る。
学外委員として、平成24年~鹿児島県二酸化炭素削減・吸収量認証審査会委員長、平成29年~鹿児島県再生可能エネルギー推進委員常任委員、平成30年~屋久島世界自遺産科学委員会委員、鹿児島県森林審議会委員など。
【I部】
情報を活用した新しい林業 鹿児島大学教授/寺岡行雄
日本林業を取り巻く環境
森林資源の充実
Society5・0と第四次産業革命
ICT環境の変化
林業の環境
スウェーデンの木材生産性の推移
ICT技術の林業への適用
航空レーザ計測
地上レーザ計測
UAV撮影画像
森林GISのクラウド化(Web GIS)
G空間情報の活用
林業機械からの生産情報:バリューバッキング(最適造材支援)
木材サプライチェーンマネジメント
次世代の林業の姿
生産目標に見合った生産コスト
生産性を上げ、生産コストを下げる仕組みを作る
スマート林業の実現で日本の林業を変えてゆく
スマート林業とは
発想の転換が必要である
【II部】
林業ICTを市町村の森林監理業務に活かす視点 鹿児島大学教授/寺岡行雄
森林・林業ICT技術と活用分野
ICT技術の整理
ICTの導入で期待される活用分野
路網開設や境界確定に役立つ技術
ミクロレベルで木材需要のリアルタイム共有
市町村の森林監理業務とICT
増え続ける市町村の森林監理業務
航空レーザによる業務支援
森林クラウドを活かす
デジタル航空写真を活用する
森林経営管理制度支援に活かす
市町村にICTを普及するためには
市町村有林の経営にICTを活かす
自治体連合の創設によるICT導入
ICTの成果とは―地域課題の見える化
市町村を支援する都道府県の役割
【III部】
山形県金山町のICTを活用した林業成長産業化に向けた取組み
金山町森林組合常務/狩谷健一
金山町の森林・林業を取り巻く状況
航空レーザ計測データの導入と活用
航空レーザ計測による整備
森林空間情報の森林整備における活用
路網及び作業システムのシミュレーション
木材生産力ゾーニング
木材生産量予測
汎用デバイスの活用
今後の課題
さいごに
スマート林業構築で人吉球磨地域の新たな林業を創出
くま中央森林組合 主任技師/眞鍋豊宏
スマート林業構想を導入した背景(地域課題と経緯)
人吉市のスマート林業構想内容
1.目的
2.事業内容
3.実施体制
4.導入した林業ICT技術の紹介(導入した各技術の内容と導入効果)
5. これまでの成果と見えてきた課題、今後の展望