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近年、夏に、山腹の広葉樹林で葉が急に赤くなって枯死する現象が目立つようになったが、このナラ類やシイ・カシ類の集団枯死(ナラ枯れ)の原因は、菌類(カビ)です。
本書ではまず、ナラ枯れのメカニズムと近年の被害増加の背景について解説しています。 また、それを回避するための方策についても、研究途上ですが、現状でお知らせできることをまとめています。
林業改良普及双書『No.204 ナラ枯れ被害を防ぐ里山管理』も好評発売中!
ナラ枯れ被害対策の参考書として、ぜひ、2冊あわせてご利用ください。
詳細は下記をご覧ください。
https://www.ringyou.or.jp/publish/detail_1810.html
★本書のISBN番号を下記に変更しました。
ISBN978-4-88138-453-4
黒田慶子(森林総合研究所関西支所生物被害研究グループ長)
高畑義啓(森林総合研究所関西支所生物被害研究グループ主任研究員)
衣浦晴生(森林総合研究所関西支所生物被害研究グループ主任研究員)
大住克博(森林総合研究所関西支所地域研究監)
斉藤正一(山形県森林研究研修センター森林環境部長)
野崎 愛(京都府林業試験場主任)
第1章 ナラ枯れと森林の健康について考える
第2章 ナラ枯れとは何か
ナラ枯れの特徴と発生の推移
被害を受ける樹種と森林の特徴
ナラ枯れの病原菌
第3章 病原菌の媒介甲虫カシノナガキクイムシ
ナラ枯れの発生メカニズム
カシノナガキクイムシの概要
カシノナガキクイムシの生活史
カシノナガキクイムシの繁殖能力
第4章 感染木が枯れる仕組み
カシノナガキクイムシ穿入木の断面
ブナ科樹木の組織の特徴
感染木内での菌の挙動と樹木細胞の反応
樹液の流動停止と枯死
カシノナガキクイムシの穿入木に見られる特徴
第5章 変容する里山林 -ナラ枯れの舞台-
「里山」および「里山林」
里山林の広がりと種類
里山を代表するコナラ林
里山コナラ林の変容
今後、里山コナラ林をどう管理するか?
里山を管理・保全する根拠
第6章 ナラ枯れ被害の把握と対策の進め方
被害発生の把握から始める
ナラ枯れの被害区分
第7章 被害形態別の防除方法
被害形態ごとの防除方法の種類
枯死木・異常木・フラスが大量に排出される穿入生存木の処理方法
健全木の予防処理
第8章 里山を今後どう管理していくのか