本書は、プロの技を次世代に伝える著者 新島敏行氏 が、山や沢の環境改善のために実践した「森の技・山の作法」を収録した、前著につづく応用編です。
著者は昔、子ども心を躍らせた山で出会った動植物を呼び戻すために環境改善を手掛けようと決心します。まず、谷地の手入れでは、沢底を掻き回し、小砂利を洗うことから始め、次に渕つくりに取りかかり、そこには秋切りの皮を剥いでおいた杉材を使います。橋は水を溜める前に架け、最後に渕に栓をします......。
沢の縁には作業の拠点として薪小屋、囲炉裏、柵、番台を設置しました。本書は、これら一連の作業とそれにつながる道具の扱い、修理などに込められた「森の技・山の作法」のひとつ一つを文章と明快なイラスト・写真でまとめました。
■44頁の「もやい結び」の図に間違いがありました。訂正してお詫びいたします。
◎正しい図はこちらです。
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1933年、東京都奥多摩町生まれ。10代のときから素材生産を営む父から山仕事の技術を受け継ぐ。勤務退職をきっかけに、地元・奥多摩町で山村のくらしや森の技、山の作法を次世代の人たちに伝えている。2004年、昔この町で見かけた動植物を呼び戻すために、山と沢の手入れをはじめる。平成10年東京都知事感謝状(緑化の推進と森林の愛護)、平成15年「森の名手・名人100人」として(社)国土緑化推進機構より認定。
■道具と使い方編
トビの使い方/ロープで支える(伐倒補助)/木の皮を剥く/ロープで持ち上げる/箭をつくる/トビの柄をつくる―柄を挿げる/トビ先に焼き入れをする/道具の柄を挿げ替える/刃の角度を変える
■森の技編
丸太を運ぶ、動かす/枝打ち/伐倒の準備/伐倒木の滑り止め/木でバリアーをつくる/伐倒/伐倒のための足場づくり/斜めに傾いた木の伐倒/伐倒(寄り掛けてから倒す)/広葉樹の伐倒/枝払い/玉切り/丸太を割る/木の数え方/山での結び/コラム 縁起を担ぐ―ひだりまえ
■山の環境づくり編
休憩場所をつくる/薪積み場をつくる/休憩場所に屋根を張る/丸太で土台をつくる/橋を架ける/橋を架ける―補支(支柱)をすえる/堰で動植物を呼び戻す/堰をつくる/柵をつくる/柵の丸太を伸ばす・支える
■山の作法編
地域に伝わる森づくり―枝打ちが一番大切/見習時代の心得/林業とは―次代を担う皆さんへ
あなたが今山でやっていることは?―あとがきに代えて