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未来に残す森づくりのために 造林・育林実践技術ガイド

単行本森林と林業を知る本

未来に残す森づくりのために 造林・育林実践技術ガイド

どこに、何を植え、どう育てますか?

著者 川尻 秀樹
定価 3,850円 (本体3,500円)
ISBN 978-4-88138-449-7
体裁 B5判 264頁(カラー64頁+モノクロ200頁)

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あなたなら、どんな森を作りますか?

林業教育に長年携わってきた著者・川尻秀樹氏が、拡大造林期~現代の技術・知見を紐解き、森づくりを実践するみなさんの背中を後押しします。森づくりの目的や条件は人それぞれ。あなただけの答えを探す道しるべとなる1冊です。

本書で学べる内容(例)

・森づくりの目標を定める
・針葉樹建築用材以外の目的
・さまざまな樹種
・苗木の理解
・適地適木の見極め方
・保育作業と樹木の成長
・間伐の本来の意味
・施業と経営の考え方
・獣害、病虫害への備え
・気象災害への備え
・森づくりは画一的でなく多様である
ほか

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著者プロフィール

川尻 秀樹

 岐阜県立森林文化アカデミー 森林総合教育センターmorinos所属  1959年岐阜県美濃市生まれ。日本大学農獣医学部時代にアメリカ合衆国の国立公園を15カ所訪問、東京農工大学を経て岐阜県職員。県では林木育種や組織培養研究業務を主に林業普及指導員としても従事し、同時に林業短期大学校講師を兼務。2000年から岐阜県立森林文化アカデミー設立準備室、その後財団職員や郡上市役所を経て、2011年から岐阜県立森林文化アカデミー教授、副学長を経て、2019年から同校に森林総合教育センターmorinosを設立させ森林総合教育課長として勤務。  樹木医、森林インストラクター、技術士(森林部門)、ISA Tree Worker、マスター樹護士アーボリスト、きのこアドバイザー、ネイチャーゲーム指導員、キャンプインストラクター、測量士、環境教育指導者、として岐阜を基点に多彩な活動を展開。

主要目次

1章 植える樹種・樹木


どんな樹種を植えたいですか?

スギ

ヒノキ

カラマツ・コウヤマキ

広葉樹と針葉樹の違いを知ろう

ケヤキ・クリ・コナラ

エゴノキ・ホオノキ・コシアブラ

出荷の見込める広葉樹(小低木)

  サカキ/シキミ/ミツマタ/ナツハゼ/ミツバツツジ

早生樹─コウヨウザン・センダン

落葉・紅葉の仕組みと自己施肥機能

◆解説:葉の寿命

2章 苗木


苗木の形の違い―裸苗・ポット苗・チューブ苗・コンテナ苗-

 林業用の苗木の種類/裸苗は乾燥に注意/苗を見極めるポイント

良い苗木の見分け方・入手方法

 山づくりの成否は苗木次第/良い苗木の条件/良い苗木の入手方法

実生苗と挿し木苗の違い

 実生苗と挿し木苗の初期成長/実生苗と挿し木苗の使い分け/森づくりの目標から考えよう/林木育種事業/花粉が少ない品種の開発

苗木の調達方法─目的別の具体モデル

 シイタケ原木林の苗/クヌギの実生苗作り/雪が少ない地域で針葉樹用材生産を目指す/多雪地帯のスギ林用の苗・広葉樹林用の苗

◆解説:指標で見る苗木の健全度 T/R率(TーR比)

◆解説:指標で見る苗木の健全度 比較苗高(H/D)

◆解説:種苗の配布区域と林業種苗法


3章 造林


適地適木を心掛けて、失敗しない造林を

 家庭菜園をつくるとしたら/地形・指標植物・地質

どこに何を植えるか。
シカ問題・裏山・水辺・道のそば

 単木保護か、防護柵か/家屋近くの密植は避けよう/水際/林道端の修景木/広葉樹は道の上側に

森をつくる「造林」
地ごしらえ・植栽の計画

 地ごしらえの方法と時期/植栽密度と苗木の間隔

苗木の活動開始前に植えよう
苗木を植える時期

 苗木の活着/植栽適期/苗木の活動時期とストレス/積雪地での春植え/造林に適した天候/使う道具

「造林」のQ&A 天然更新・萌芽更新・山引き苗

 萌芽更新と樹齢(年齢)/萌芽更新の時期・伐り方/実生の稚樹を山引き苗に

「造林」のQ&A 疎植と密植・仮植

 疎植と密植の長所・短所/仮植のやり方

◆解説:苗木を植えて記念林に!

4章 育林・保育


補植・下刈り

 活着と枯損の判断/造林で余った苗を補植用に/苗木に光を当てる/下刈りの方法/開始時期と回数/夏に行う理由/雑草木を残して他の雑草木を抑制する

下刈り─使う道具と作業方法

 誤伐を避ける/手刈りと機械刈り/鎌の使い方/刈払機の種類/装備と服装/刈刃の点検/熱中症、ハチ刺され、マダニ対策

雪起こし・つる切り・除伐

 雪起こしの時期、起こし方、必要な資材、縄の結び方、固定/つる切りの方法/除伐の方法/造林補助金の活用

枝打ち① 目的と必要性を考える

 広まった背景/枝打ちの目的/枝打ちと立木の成長/広葉樹にも必要か/枝打ちしてはいけない木

枝打ち② いつ・どれくらい打つか

 枝打ちの適期/開始年齢と程度/枝打ちコストは回収できるのか/経営事例

枝打ち③ 枝のどこをどう打つか

    枝の付け根を観察しよう/適切な切断ライン/残枝長と巻き込み/枝打ちの失敗例

枝打ち④ 使う道具の種類・後生芽・枯れ枝・広葉樹

 枝打ち道具/生枝打ちに伴う問題と対処法/枯れ枝は早期に切り取る/広葉樹の枝打ち

道具研究─山の必需品「鉈」

 山の達人の教え/片刃と両刃の違い/軟鉄と鋼/鉈の形いろいろ/山のたしなみ

◆解説:人工林の林齢(年齢)

5章 間伐

そもそも間伐とは。目標・目的と効果

 間伐の目的を考えよう/除伐との違い/主伐・択伐との違い/せっかく植えたのに伐ってしまう?/間伐しないとどうなる?/経済効果/環境への効果

混み具合を判断する客観的な指標

 相対幹距(Sr)/形状比(H/D)/樹冠長率/胸高断面積合計/どの指標を用いれば良いか

選木─選ぶのは「伐る木」か「残す木」か

    間伐率の考え方:本数と材積/目的は数値達成ではない/1本伐るとイメージできる/育てる木を選ぶ/ライバルの木を間伐する/継続的な森林整備を

間伐作業を自分でやるか、委託するか

 伐採届/保安林か、森林経営計画の対象か/委託業者の探し方、注意点/自分で間伐するメリット

間伐の実践例─手遅れ林・林縁部

 手遅れ林分の間伐実践例/複雑な林分構造となるように

間伐材の利用方法

 林道や作業道から遠い場合/林道や作業道から近い場合

残存木の損傷

 伐採時に発生する残存木の損傷/樹皮の構造/機械作業で樹皮が剥がれた材の価値/セミ痕と枝痕の関係

間伐のQ&A

 目標林型の描き方/間伐で混交林に/土壌を豊かにする/風雪害との関係/下層間伐の意味/選木のコツ/間伐の有無による経営収支/長伐期施業の考え方

6章 森林の保護管理
間伐サイクルと主伐の検討(大)
    主伐までの間伐サイクル/皆伐か択伐か

伐採木・育成木の病虫害

    スギカミキリ/スギノアカネトラカミキリ/スギザイノタマバエ/ヒノキカワモグリガ/ニホンキバチ/ハンノキキクイムシ/スギ暗色枝枯病/ヒノキ漏脂病/カツラマルカイガラムシ

気象災害への備え/風害

 木材の内部損傷/品種、樹形/林縁木の働き/風害に強い森林づくり

◆解説:ヨーロッパでの風害

気象災害への備え/雪害・豪雨

 冠雪害が発生しやすい気象と地形/表層崩壊と深層崩壊/壊れにくい作業道/降雨時の山の姿を見よう

獣害対策─シカ・クマの樹皮剥ぎ

 シカの樹皮剥ぎ/面的防除・単木防除/クマ剥ぎの防除法

◆解説:昔、シカは少なかったのか。どうして増えたのか

◆解説:シカとクマの剥皮害の見分け方

記録・モニタリング

 記録の価値/昔の記録方法/山の地図/定点撮影/過去の記録を遡る

7章 多様な森づくり


実践者に学ぶ─施業と木材価値の多様性

 優良材生産/複層林化/材の価値を高める工夫/森林レンタル/製材所が欲しがる広葉樹の例

「豊かな森」とは

 森の木々は助け合っている!?/森の価値

あなたなら、どんな森をつくりますか?

 標準伐期齢を過ぎたスギ林を相続したら/木材生産以外を目指すなら

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