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丸太価格の暴落はなぜ起こるか 原因とメカニズム、その対策

単行本森林と林業を知る本

丸太価格の暴落はなぜ起こるか 原因とメカニズム、その対策

「暴落」回避の手法がここに!

著者 遠藤 日雄 著
定価 2,200円 (本体2,000円)
ISBN ISBN978-4-88138-292-9
体裁 A5判 144頁 ソフトカバー

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2012(平成24)年に経験した未曾有の国産材丸太価格の暴落―。

 このような「暴落」はなぜ起こるのか? その原因を求めて、著者は全国の森林・林業・木材産業の現場で、多くの方々を取材し、議論を重ねてきた。

 本書では「暴落」の原因、複雑なメカニズムをわかりやすく整理している。その上で「暴落」を回避しうる、競争力のある加工・流通のビジネスモデルを提案。価格安定化に向けた協定取引、特売方式、システム販売などの実践例を紹介している。

 

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著者プロフィール

遠藤 日雄 著

遠藤日雄
えんどう くさお
1949年生まれ。
九州大学大学院農学研究科博士課程修了。農林水産省森林総合研究所東北支所・経営研究室長、同森林総合研究所・経営組織研究室長、(独)森林総合研究所・林業経営/政策研究領域チーム長を経て、現在、鹿児島大学教授・農学博士。専門は森林政策学。 2005年林業経済学会賞受賞。国土交通省国土審議会専門委員、東京大学非常勤講師、鹿児島大学農学部附属演習林長などを歴任。現在、NPO活き活き森ネットワーク理事長、全国森林組合連合会「間伐材マーク」選定委員会委員長、奈良県・大分県森林審議会委員など。 主な著書に、『スギが行くべき道』(全国林業改良普及協会)、『山を豊かにする木材の売り方 全国実践例』編著(全国林業改良普及協会)、『木づかい新時代』(J-FIC〈日本林業調査会〉)、『現代森林政策学』編著(J-FIC〈日本林業調査会〉、)『改訂現代森林政策学』編著(J-FIC〈日本林業調査会〉)『不況の合間に光が見えた!新しい国産材時代が来る』(J-FIC〈日本林業調査会〉)など多数。

主要目次

第1章 何がどうしてこうなった
-国産材丸太価格暴落の経緯と背景- 

はじめに-「宴」の余韻に冷水-

「暴落」の経緯

ヒノキ価格下落が顕著

「暴落」の背景-外因

ウルトラ円高

「暴落」の背景-内因1-川下の要因

ラミナ、間柱に特化した国産材大型量産製材の台頭

「災後」の復興特需を見込んだ思惑買い

3・11後の住宅建築コンセプトの変化

「暴落」の背景-内因2-川上の要因

生産調整できない搬出間伐材制度 

素材生産業者の「企業化」と「フル稼働」

平成19年頃から林業への新規参入者が増加

目的のない素材生産

森林所有者の経営マインドの低下

あたかも伝染病の如く 

第2章 新種のオオカミ誕生
-新たな国産材丸太価格暴落のメカニズムとその背景- 

はじめに-1つの仮説-

1990年代後半の「暴落」メカニズムとその背景

90年代後半の「暴落」はデフレ圧

欧州産材の日本市場進出

土俵に上がれなかった国産材

2000年代の「暴落」のメカニズムとその背景

競争関係に入った国産材と欧州産材

規模拡大が顕著な大手国産材製材

国産材製材規模拡大に2つの流れ

国産材製材品のコモディティ化

国産材か外材か、その切り替えの為替レ-トは?

杉上(さんじよう)の楼閣

新種のオオカミが既に登場していた

円高で国産材に逆風

リーマンショック後の「新型デフレ」の影響は?

新種のオオカミ退治法を 

第3章 「共同幻想」の崩壊
-ヒノキ価格暴落の背景と新たな需要を求めて- 

はじめに-ヒノキ価格の暴落

ヒノキ「共同幻想」形成の背景

「いいことずくめ」のヒノキ

崩壊する「共同幻想」

「役物バブル」の崩壊

ヒノキ「暴落」の特長

和室の減少がヒノキ価格の下落要因

ヒノキ並材も内装材も需要減少気味

土台角のみで価格形成

ヒノキの需要はどこに、どこへ

意識改革が必要

価格の乱高下、供給ロット

ヒノキの需要先としてコンパネに期待感 

第4章 禍(わざわい)を転じて福となす
-国産材丸太価格安定策を考える- 

はじめに-改革のイメージ

需給ミスマッチはなぜ起こるのか

プロダクトアウトが需給ミスマッチを誘発

金の切れ目が縁の切れ目

中・長期的な需給ミスマッチ防止策 

フェアトレードに基づいたサプライチェーンの創出が不可欠

プレカットを起点とした情報の共有化

短期的・即効的な需給ミスマッチ防止策

タイムラグのない情報伝達の必要性

流域林業活性化センターの蘇生を

形骸化する「市売」

「市売」から協定取引へ

「市売」の限界

フル・コスト原則の中に協定取引を

協定取引はここまで進んでいる

協定取引の課題

国産材丸太価格安定化に果たす製材業の役割

人工乾燥によって在庫管理が可能に

国産材製材業に求められる企画力、提案力、販売力

国産材丸太価格安定化のためのビジネスモデル

丸太価格の安定は森林所有者のいちばんの願い

スギ原木1万円/㎥、競争力のある製材モデル

森林所有者にとってスギ原木1万円/㎥は絶対譲れない価格 

第5章 グッバイ「暴落」
-事例でみる国産材丸太価格安定化策への取組み- 

はじめに-丸太価格安定化に向けて

「暴落」のダメージが小さかった事例

組織改革で丸太価格安定化へ

他の樹種に「逃げる」ことで「暴落」回避

B材、C材が「暴落」、A材は価格安定 

協定取引のさまざまなタイプ 

原木市売市場を核とした「特売」方式

原木市売市場を核としたシステム販売

有力素材生産業者が新組織で丸太の集出荷窓口の一本化

スギ大型量産製材工場の新たなビジネスモデル

合板メーカーの協定取引 

 

 

 

 

<関連図書>

遠藤日雄+林業普及指導員 編著
ISBN978-4-88138-179-3 
体裁 B5判 340頁 
定価 本体3,200円+税
 
 
 林業改良普及双書No.141スギの行くべき道
遠藤日雄 著
ISBN978-4-88138-115-6
体裁 新書判 172頁
定価 本体923円+税
 
 
赤堀楠雄 編著
定価 本体1,900円+税
ISBN978-4-88138-274-5 
体裁 四六判 200頁 ソフトカバー 
 
 
ISBN978-4-88138-232-5.jpgのサムネール画像林業改良普及双書No.165 変わる住宅建築と国産材流通
赤堀楠雄 著 
ISBN978-4-88138-232-5 
体裁 新書判 256頁 
定価 本体1,100円+税

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