トヨタ行って来ました。
細部に規格化された工場と不確定要素の強い林業とでは
不一致する点が非常に多いのですが。
「生産システムの構築と改善」という点や「最後は職人の技術力」という点など
ものづくりの根底で繋がる要素は、何処の業界でもさほど大差は無い。
という事で、ものづくりのトヨタから学ぶべき所は多いのではないかという期待をもって視察に望んで参りました。
これは、本などでもよく取り上げられているのですが
「歩く、考える、運ぶ、といった作業自体は実利益に結びつかない
歩いたり、運んだりといった作業は無駄なので極力減らしたいわけですが
これが正味作業とゴッチャになっていて仕事をしたつもりになって満足してしまう」
という捕らえ方あります。
人力だと体力的な疲労と作業内容とが常に天秤にかけられ
(言葉は悪いですが)楽をしてやろうとか
できれば歩きたくないとか
なるべく力を使わないで作業をしたいわけです。
無駄な動きを減らすというのは、よく言われるところですが。
あと、こういう話しもあります。
「トヨタの方が木工所へコンサルとして行かれたとき
機械から切り出される木屑が機械の下や周辺に体積していて。
その状況を見て、
「木屑が堆積していては、機械の油漏れに気付かなかったり、修理の時に余計な手間を喰うから」
という理由で、機械周辺は常にゴミが無い状態にするよう要請をしたのに
「いやいや、木工所とはこうゆうものだから」
という理由で掃除をされなかった」
「木工所とはこういうもの」という線引きを行って決めてかかっているわけです。
ある程度決まったルーチンというのは
先達が「無駄な動きを減らした結果」だからです。
これは技術に通じています。
しかし、一方で道具の革新というものもあり
その都度、新たなルーチンが組みなおされる。
木工所の例で言うと、手工業の時はゴミ掃除を一日の終わりにまとめてやったほうが効率的だった。
しかし、機械が入って大量生産に至るとゴミの出る量が変わり、むしろ効率的とは言えなくなって来た。
問題点が発生しているにも関わらず、決まったルーチンから抜け出せないでいるわけです。
それには「無駄な動きを減らした結果」という認識が悪く作用しているからだと思うわけです。
さて、わが身に転じますと。
やはり、気付かないうちに頭を硬くしている事があったりします。
木こりが山に登る。
木を伐るために歩く
人がファワーダに乗って搬出する。
これらがの作業が「無駄」だと、あえて言い切ってしまうと。
さすがに乱暴と謗りを受けかねないのですが。
しかし、そのレベルへ疑問を持っていかない限り
改善というのは常に難しいと感じます。
そのためにトヨタでは、作業全体を細分化して(穴あけひとつから)作業にかかる時間を把握し
生産目標と現状の生産量をリアルタイムに把握したり
原価改善状況や作業ロスの系統図などで徹底して分析。
さらに、みんなが状況を把握できるよう情報が公示されている。
それらのデータを比較したりしながら問題点をさぐり
現場の人間が問題解決に尽力する。
日吉との違いはその徹底振りではないでしょうか。
見習うべき点だと思いました。
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