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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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ゆっくりと倒す

今作業させてもらっている現場では、ひとつのテーマを設定しています。それはひと言で表現すればハシゴとワイヤーを使わない支障木伐採。


110114break1.jpg

 倒す途中を画像に納められればわかり易かったのですが、独り作業に集中していたため、このような画像しか残すことができませんでした。
 ご覧の通り、このサクラを「バサッ」と倒してしまうと、伐倒方向にある丸太テーブルと椅子を直撃してしまいます。そこで、倒そうとする木の伐倒方向の反対側(厳密には、この現場では避けなければならないものが他にもあり、斜め後方です)からロープで木の倒れる速度をコントロールしながら、つまり倒れる木のスピードにブレーキをかけながら、木をジワ~ッと倒す、という伐倒をしてみました。


110114break2.jpg

 画像左側のロープが、倒すために引っぱるロープです。つまり、この木は倒そうとする反対側に傾いていたので、牽引しながらの伐倒作業でした。ロープをセットした高さは6mくらいです。2段ハシゴで届く高さですが、この現場にはハシゴは持ち込んでいません。
 そして画像右側のロープが、倒れようとする木にブレーキをかける役割のロープです。結び目は万能選手のランニングボーライン。

 


110114break3.jpg

 ブレーキングデバイスと言うと笑われてしまうかもしれません。山やの皆さんにはおなじみのエイト環。これで、木の倒れる速度をコントロールできます。今日やってみて、おそらく300kg以上の重さをコントロールできるのではないかと感じました。
 独り作業なので、倒すために引っぱる位置と、エイト環でブレーキをかける位置は同じ場所です。
 引っぱるロープも、ブレーキ用のロープも、スローラインという道糸におもりを結び付けて投げ上げ、地上からセットしました。
 

 これまで、高い場所への支点設置には2段ハシゴを多用していましたが、おもりを一発投げ上げるだけで、たいていのセットが可能であることがわかった今では、もう恐くて登ることができません。

コメント

Posted by: ヨシミ   [ 2011年1月15日 10:47 ]

ご無沙汰しています。
上伊那のヨシミです。
なかなかコメントできずにすみません。

雪の中での伐採作業、お疲れ様です。
体を動かす前に、まずは知恵を使う。
山仕事の醍醐味はこんなところにありますよね。

さて、今回の作業ではエイトを使用していますが、重量物を扱う場合は2000ポンド(WLL)まで対応するポータラップの方が良いと思います。ロープセットする際も、こちらの方が楽ですよ。
また、使用されているロープがカーマントルですから多少はキンクしにくいですが、エイトの場合、撚りロープを使用するとあっという間にからみついたり、キンクしたりします。ご参考までに。

それから、スローライン。
私はこれほど重宝な道具はないと思っているのですが、なかなか普及しませんね。いくらか練習しないとうまくなりませんが、これ一つで様々なことができ、本当に便利です。牽引の際も梯子を使用した場合の3倍以上の高さにアンカーを設置できるので、大方の木は人力で牽引できます。
私は林業必須アイテムのひとつにあげるのですが…。

Posted by: かなめ   [ 2011年1月15日 18:56 ]

ヨシミさん、お久しぶりです。
 ポータラップ、現在金欠のため、来月には導入の予定です。それにしても、カーンマントルはエイト環との相性が良いので驚いています。今日も80kgくらいの枝を吊るしたのですが、適度にブレーキが効いて楽ちんでした。
 スローラインはおっしゃるとおり、林業の必須アイテムだと考えます。私はまだまだ練習不足で、ヨシミさんのように百発百中とはいきませんが、それでも使い慣れてくると、これ無しの作業は考えられません。重要なことは使い込むこと。食わず嫌いは大損ですね。
 前回のアーボリカルチャー研修でうかがった「いかに登らずにセッティングするか」という助言、本当に貴重なものでした。今は徐々にではありますが、スピードアップできるよう研究中です。
 実は、ヨシミさんが講師をなさるFL研修の、現場作業バージョン、伐倒、かかり木処理の部で、スローライン利用の牽引伐倒を紹介する準備が進んでいます。すでに労働財団様には、スローラインの購入手続きをとってもらってあります。神田での研修には、おじゃまする予定ですので、お手柔らかにお願いします。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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