雨の森林祭
昨日、当地では台風が通過する中、行政が主催する「佐久地区森林祭」が開催されました。
通常ならば午前中は、参加者全員で育樹作業を行うのですが、未明からの強い雨のため、すべて屋内での式典になりました。おかげで主催者代表の方や、来賓からの挨拶に、いつも以上に集中することができたのですが、そこであるギャップに気づきました。
林務関係から遠いところにある人の挨拶ならばわかるのですが、どうも身内と思われる方からもこういう論法の挨拶が行われているのです。
「諸事情により木材価格が低迷している。森林の持つ公益的機能維持のためには森林整備は欠かせない。だから皆で林業を活発にして、森林の公益的機能を守ろう」
おやおや、どうやら「良い材木を収穫できる山造りをしていれば、森林の公益的機能は守られる」という考えは、未だに林業関係者の深層心理に残されているのですね。こういう式典の際には、たいてい聴衆側も関係者で占められているわけですから、本来ならばもう少し現実的な議論のもとになるようなお言葉をいただきたいものです。そして自分のことを省みれば、聞いている側もなんとなく聞いてしまって、後から議論するということもありませんでした。
台風により午後からの森林教室の参加者が激減してしまったのは残念ですが、怪我の功名とでも言うのでしょうか、ある意味、重要なことに気づいた一日でした。