移植作業
県内某地区で、希少種の移植作業を手伝ってきました。現状は里山ですが、事情があってそこにある希少種の引越しが必要になりました。
お手伝いして「あぁ、そうか」と気づいたのですが、植物は季節とともに大きく姿を変えることが少なくありません。移植に適した時期、必ずしも対象となる種が見つかり易い姿でいてくれるとは限らないわけです。例えばスプリングエフェメラルと呼ばれている種の中には、晩夏にはまったく地上部に痕跡のないやつもいるので、移植にはかなり高度なノウハウが必要となります。
個体の特定だけでなく、移植先の環境整備や、移動中の乾燥対策など、考えなければならないことがたくさんあります。できることなら移植など必要のない社会が理想ですが、その時がやってくるまで、まだしばらくはこうしたノウハウが、心ある人たちによって保たれ、活用されなければならないのでしょうね。
コメント
Posted by: ふるだぬき [ 2010年9月24日 09:40 ]
木を相手にしていると、一年の変化が小さいので、一年で大きく変化する草のことをついつい忘れてしまいます。
自然環境保全を目的とした移植は、個人的に嫌いなので、希少種を引っ越すこと時代がなんだか間違っている気がします。
しかし、移植行為を自らが行い、その後の変化まで丁寧に観察することができるのであれば、「反省」であり「結果」という形で、いろいろなことが見え、自分自身の勉強になるいう点で、移植行為そのものは評価しています。
そういえば、先日の木登り仕事については、この夏の暑さで機械が根を上げて天寿を全うしてしまい、機械の停止により、試験そのものも天に召されてしまいました。
ご面倒をおかけしますが、来年リベンジの予定ですので、よろしくお願いします。
Posted by: かなめ [ 2010年9月26日 07:52 ]
実はこの仕事、ある種の虚しさを伴うことは否定できません。そのあたりを匿名のSNSでは大きくボヤいてしまったほどです。くどいようですが、理想は移植なんて必要のない社会です。
それでもご指摘のとおり、これを行うことによって見えてくるものもありますし、それが結果的に開発行為のあり方などにフィードバックされることもあるようですから、そういうところを評価して、なんとか涙を飲み込むことにしています。
生態系が文字通り「系」としてその保全を考えられる世の中を、早くつくりたいですね。
試験施設、暑さで機械停止とのこと大変でしたね。事後処理もいろいろとめんどうになるのでは?
リベンジ、お手伝いできるのでしたら、ぜひお声がけください。