生物多様性二題
先週末は生物多様性についてよく考えた二日間でした。
まず10日土曜日にうかがった国民森林会議の公開講座。森林総研・昆虫多様性担当チーム長の岡部貴美子氏による「森林における生物多様性」というお話しで、70年代以降、生物多様性が広く論じられるようになるにしたがい、森林についてもいろいろなことがわかってきたということが詳しく述べられました。
中でも、「植生の多様性が高いと、植物病原菌の脅威は減少する」というお話しは、自分が暮らす村で起こっている(ここだけではありまあせんが)農と林の乖離を、どのように元どおりに近づけることができるのか、ということの大きなヒントになったと思います。
また、生物多様性条約の2010年目標の中には、「貧困の緩和と地球上のすべての生物の利益に貢献するために」ということが謳われているそうで、この「貧困の緩和」というところと、「伝統的知識を活かすこと」という文言が出てくるというお話にも、普遍性が感じられて、このテーマについて考えることの大切さが改めてわかったように思います。
11日日曜日は、関東某所の街づくりが行われているところで、どのように自然を活かしてゆくかを検討している皆さんの会合に、オブザーバー的な立場で参加させていただきました。
この皆さんは、開発側に既存の里山をできるだけ保全する方法を提案するうちに、自分たちで管理に乗り出す必要性を感じはじめ、以前からお世話になっていた私が、たまたまきこりをやっていることに目をつけて声をかけてくれたのです。
向こう側にある森の手入れをどのように進めてゆくのか、そして目下の最大のテーマは、下の画像の池へのアシの侵入を、いかにバランス良くコントロールできるか、という点です。
そのままにしておけば陸地化が進みますが、それを最小限の力で食い止める方法をあれこれと考えています。