労災保険
働く人が仕事の最中に被った災害を保障するのが労災保険ですね。企業する場合、山村に限らずクリアしなければならないことのひとつに、この労災保険があります。特に、公共事業の入札に参加する場合には、従業員の労災保険加入が必須項目です。
どこかの会社や商店に雇われて働く場合には、雇用主の義務としてこの保険が完備されているのが普通なのですが、経営者の立場の人は、基本的に通常の労災保険に加入することができません。ところが、林業の一人親方の場合などでは、経営者でありながら、雇われている人たちと同じような作業に従事しなければならないパターンが普通に生じます。そういう立場の人のために用意されているのが特別加入制度という制度です。
特別加入をするには、特別加入者の組合に入る必要があります。地域の同業の人たちを見てみると、皆さん古くから地元の商工会に加入している人が多く、商工会が組合を兼ねていたり、組合を斡旋してくれるので、どうもそこで労災保険にも特別加入している人が多いようです。ところが要林産は商工会に加入していません。さぁ困りました。
「組合が無いのなら作ればいい」ということで、昨年末、近隣で最近独立した同じ悩みを持つ3人の人たちと組合を立ち上げ、無事に特別加入を果し、先月末ようやく保険料の支払いを済ませました。組合の名前は「南佐久千曲林業者会」、事務局機能は私が受け持つことにしました。このネーミングは、信州そまびとクラブを立ち上げた際に、労災加入のことで同じように悩み、加入させてもらった、長野県の松本地域で組合を自力で立ち上げたパイオニアである「松本千曲林業者会」から、そのまんまいただきました。
実は今回の組合立ち上げも、その先達からノウハウを教えてもらったからこそスムースに果せたのです。快く情報提供と協力をしてくれた先達に感謝するのはもちろんのこと、県内にこうした情報を得られる起業者のネットワークがあったことにも、あらためて感謝しています。