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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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林業体験は雨、でも

東京の町田市大地沢青少年センターが募集した「川上村 子ども自然体験塾(林業編)」のお手伝いに行ってきました。こんなことを書くと叱られてしまうのですが、3年目を迎え、今回ようやく「学ぶことよりも、まず楽しんでもらうこと」が大切とわかり、また、とても嬉しかったこともあったので記録しておきたいと思います。


 今回は小学生30人が参加し、1日目は除伐体験。2日目は林内の歩道作りの予定でしたが、雨でクラフト体験に変更になりました。この事業の作業体験の素晴らしさは、何と言っても地域の大人たちが大勢で安全面の指導をしてくれることです。今年も、町田市の施設がある秋山という集落の林野保護組合の役員の皆さんが、付っきりで子どもたちのめんどうを見てくれました。この作業の中でやっと気づいたことがありました。それは、子どもたちにはとにかく森の楽しい思い出を持って帰ってもらうことが大切なのだ、ということです。実に当たり前のことなのですが、私はこれまで「林業体験」という言葉にがんじがらめになってしまっており、とにかく参加者全員に作業後の充実感を味わってもらうことを第一目標としていたのです。


 でも、よく考えてみれば、彼らの集中力を2時間以上も作業のためだけに集中してもらうなどということは、はじめから無理な話なのです。たとえば、森の中に展開し、1本目の蔓を切ったところから、ターザン遊びが始まってしまうこともあるのです。いままでこんな場面に遭遇すると「何とか本来の作業に戻さなければ」と、とにかく焦る自分がありましたが、今回、ヤマブドウの蔓から滴る水を夢中で飲んでいる子どもたちの姿を見たときに、私はこれまでの自分の間違いに気づきました。この気づきには、ある独特のシチュエーションがあったのです(実はここにいちばん感謝しています)が、そこは省かせていただきます。とにかくやっと目が開いた、そんな体験でした。

 

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 2日目は降られてしまい、クラフト作りを行いました。作業の前に南佐久南部森林組合職員による、村の林業の歴史パネルの説明が行われたのですが、この光景が自分にとってたいへん印象的なものでした。この施設ができて10年以上が経過しましたが、ハード優先の事業が多い中で、以前からこうした森林組合職員によるソフト活用が行われることが私の希望だったのです。説明不足ではありますが、とにかく感動的でした。こういう機会を設けてくださった町田市の担当の方には、上記の気づきにも増して感謝しています。

090524machida2.jpg

 

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子どもたちがこの施設でお弁当を食べる姿。何気ない光景なのですが、10年来の夢でした。

コメント

Posted by: masako   [ 2009年5月25日 06:46 ]

こんにちは。かなめさん。初投稿、かな?


子供たちのいる森の交流館の写真、ありがとう!ほんとにもう10年が過ぎましたね。下の写真、私も本当に夢のように嬉しい。
(それにしても雨上がりの新緑・・・都会っ子には眩しい)


ヤマブドウの蔓の最初の気づき、について、すごーく聞きたいです。

そんなこと言う私って、誰だか分かりますよね!

Posted by: かなめ   [ 2009年5月25日 12:25 ]

はいmasakoさま、ようこそ。ありがとうございます。
 交流館の話題に即座に反応してくださったことで、すぐに
どなたかわかりますよ。画像つきで報告メールをさし上げようと
思っていたくらいですから。
 苦労に苦労を重ねて、たくさんのカラマツや地域への思いを
込めながら築いていただいた交流館、最後に入魂するのは
利用する地元の我々ですが、10年間、思いが空回りする
ばかりだったように思います。ひたすら反省です。そして、この
喜びを共有できる方は、あと何人くらいいるのかな?出席を
とってみましょうか。読んでいたら「は~い」と一言、返事を
ください。

 「ヤマブドウの蔓」スイッチのことはですね、些細なことですし、
私の文章力では表現できない、人の存在のありがたさのような
ものが関係しているのです。ですから、今年は一杯呑める
ように、ご家族で来ていただいて、その時に前後関係をお話
します。きっとY田さんもお招きして、今年も盛り上がるはず
ですから。 待ってますよー。 

Posted by: ふるだぬき   [ 2009年5月26日 15:32 ]

歴史パネルの説明と、お弁当の姿は、明るい未来を感じますね。

「林業」のことを林業に携わる人が自分の声で話すのは、子供達に対してよりもお話しされた職員さんのココロに一番残ったのではないかなあと思います。

体験した子供たちの中で、林業を目指す人がいれば・・・などと淡い期待を抱く人も多いのでしょうが、体験学習の最大の功績は、指導する側が、「林業」という自分の仕事に「誇りを持つ」事ではないかと思っています。

Posted by: こーりきー   [ 2009年5月26日 22:30 ]

かなめさん
なにやらすばらしい体験をされましたねぇ。。

>1本目の蔓を切ったところから、ターザン遊びが始まってしまうこともあるのです。


これぞ
体験だと
思っとります(^^)
用意されたものを
与えられたものを・・体験するのではなく
なにかを見たり感じたりした瞬間
動き出す・・身体

なにか
そう言うもので・・体験って輝くもののような気がします
そして
身に付く気もします

そんでもって
それが
結果
森や山を深く知ることになり
愛することになり
いつか
守ることになっていくのだと思います・・・いろんな意味で

奥深いブログだ

Posted by: かなめ   [ 2009年5月28日 12:16 ]

ふるだぬき様
 万事お気づきのとおりだと思います。おそらく今回のことは、話をしてくれた
職員自信に何かを残したのではないでしょうか。しかも嬉しいことに、さらに
若い職員がこの様子を見ていました。残念ながら私には「しっかり見ていてね」
という気遣いをする余裕がなかったので、その人たちが何かを感じてくれたか
どうかは怪しいのですが。
 「林業」のことを林業に携わる人が自分の声で話す。まだまだですよね。
まずはこれを普通のことにしてゆかないと…。そして、子供たちから林業を
目指す人が、などと背伸びはしなくとも、とりあえずは子供たちがいつか何かの
きっかけで、この日のことを思い出してくれるだけで、ありがたいことではないかと
思います。
 林業者が誇りを持つための「林業者のためのインタープリテーション講座」
人材活用のシステム作りも含めて、どこかの担い手育成係あたりが気づいて
くれると、現場の人たちのモチベーションはグ~ンと向上するかもしれませんね。
K子係長に話してみようかな。

Posted by: かなめ   [ 2009年5月28日 12:17 ]

こーりきー様
 まず別件ですが、長いこといただいたメールに返事さしあげないままに
なっていて、すみません。


 こうした気づきについては、特に50歩も60歩も先を歩んでらっしゃる方には
恥ずかしいのですが、私もようやく「何かを見た」ような気がします。「動き出す
身体」ですか。これまでも、子供らは常に発信し続けていたはずなのに、私の
感度はゼロでした、と言うより、余分な言葉でむしろ邪魔をしていたような気さえ
します。
 とにかく入り口に立っておいでおいでをすること、あとは重大な事故への配慮
を怠らないこと、そのあたりにもう一度戻ってみたいと思います。

Posted by: masako   [ 2009年5月28日 13:52 ]

どうもありがとうございます!一杯呑めるように、家族で伺いますので是非声かけてください!


実は先日ご紹介のカラマツストーブも気になってるんですよね~ブルドッグみたいでかわいいですね。このエリアのカラ松林の山荘にぴったりですね。

先日N岡さんに、ペレットストーブについてお尋ねしましたら、ぜんまい仕掛けの魅惑的なものも載ったカタログなどなど見せてもらいました。実を結んでいるのですね。


また源流にも行きたいなぁ。

Posted by: かなめ   [ 2009年5月28日 23:03 ]

masakoさま
 了解です。それでは川上ツアー開催の際には、案内をさしあげます。
源流へは、あと3~4年かかりますかね。

 カラマツストーブ、私は新聞で存在を知った時点で、その開発思想の
確かさに一目ぼれだったので、見た目のことは何も感じなかったのですが、
なるほど、ブルドッグですか。
 ちなみに、最初の形には窓がなく、炎を見えるようにという要望から
窓付きも作られたそうです。人の好みは多様ですね。

 ペレットはまだまだ苦戦しているようですが、おかげさまで燃料の製造元が
黒字に転じそうだという嬉しい噂を聞きました。自分の家で使えないのが
実に歯がゆいですが、こういうものが普及するよう努力を続けたいと思い
ます。

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