食料としてのシカ
シカによる農林業被害が騒がれるようになり、どのくらい経ったでしょうか。長野県ではあちこちでシカの個体数管理に必死ですが、増加が止まらないというのが多くの人の感想です。
シカの個体数管理について考えるたびに、失われた食文化のことを思います。山で採れるものをいただき感謝する。そういう生活をヒトが取り戻さなければ、シカは何か他の理由によって、種として気の毒な結末を迎えることになるのではないだろうか?いつもそんな心配をしています。
そんな中で、夕方近所の方から明るい話を聞きました。「今日、山にシカ用の(有害鳥獣駆除の)罠を仕掛けてきた。何頭採れても大丈夫だ」というのです。
実はこれからの季節、川上村では中国から数百人の農業研修生が活躍します。そしてその多くが、シカを手際よく解体してありがたく食べる文化を持っているのです。これもグローバリズムのおかげではありますが、私たちに欠けたものをもつ人たちによって川上のレタス生産が守られ、林内植生が維持される。予想しなかった仕組みの始まりを実感しました。
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