お前はひとりの林業従事者であって、評論家ではないはず。では問うが「お前は少しでも山林所有者がやる気を出すような仕事をしているか?」 長野からの帰りのバスの中、ずっとそんな問いかけにもだえ苦しむ一日でした。
木を供給する側と利用する側をどう結びつけるか?ということには、いくつかの選択肢があり、その中でも、大量の木材を常に安定して供給できるようにするためには、山林所有者一軒あたりの所有面積が小さい、地形が一応でないなど、いくつかの乗り越えなければならない問題があります。
育てる時代から使う時代へ、この国の林業は確実にシフトしてゆかなければならない段階なのですが、大きな船のように、すぐに方向を変えることが難しいようです。
昨日、県が主催したこの行事では、大手住宅メーカーや外国産木材買い付け商社の方からホットな話を聞くことができ、私たち業界関係者ひとりひとりが取るべき道について考えることができました。総論として、地域の山をまとめようとする事業者には、立木の管理だけでなく木材の運用までを含めたコンサルタント能力が欠かせないのに、今はそれが圧倒的に不足していることが再確認されました。
「日本の木材利用は旬での収穫ではなく所有者の都合に左右されている。これを採算面で最も有効な伐採適期に利用できるよう、地域単位で山林所有者に材価を保障できるような仕組みは考えられないか」 「材を出すことでお金になるような補助制度が考えられてはいるが、結果的に山林所有者のところに木材代金が戻らない状態では何にもならない」
極めて具体的な問題提起、と言うか告発は、多くの参加者の明日からの原動力になったと信じています。いや、信じたい。
「ところでお前はどうなんだ?」と問われると、こんなにえらそうなブログ記事を書きながら、何ら貢献できそうにないのが正直なところです。世の中、辛いことが多すぎる...。
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