峠を越えて
基幹産業である高原野菜(特にレタス)の生産に、以前ほどの収入が期待できなくなってきたことから、村の人たちは様々な工夫をしています。例えば、これまで夏だけに限られていた生産時期を春まで拡張して売上げを高くするべく、村よりも少し標高の低い地域に畑を借りて生産するというやり方。
専業で大規模にやっていればこそできる拡張方法ですが、実は我が村は長野にありながら、県庁所在地は甲府市ではないかと思われるほど山梨に近く、峠の向こう側は甲府のベッドタウンです。そしてその地域には、都市近郊の性とも言うべき後継者難で放置された農地が広がっており、我が家からは一時間程度で通勤が可能です。昨日はその生産方式をとっている人からの依頼で、今年から借りることになった山梨の畑の支障木伐採に行ってきました。
日なたでも雪の残る標高1200mの冷蔵庫のような畑を通り抜け、峠を越えて下ること40分。そこには、ちょうど村の3月頃のような別世界が広がっていました。その違いは、上の画像(村内)と下の画像(山梨県旧明野村)のとおりです。
自分が暮す村で起業し食ってゆく...。ところが、その村の産業がどんどん外の地域にまで及んでいる。やっぱりこの村のスタイルは、ちょっと今の日本の村の定番とは違うのかな。