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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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手作り図鑑でビンゴ

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今年で3年目になる「父と子のアウトドア講座~ふれあい自然体験in川上村~」のお手伝い。今回は以前からあたためていたプランを提案して、あえて歩きにくい未整備の森の中へ、みんなでガサガサと入り、参加者に木々に触れながらのゲームを楽しんでもらいました。


 この事業は三鷹市社会教育会館が主催しているもので、今回は東京都三鷹市に暮すお父さんと子供たち10組に、あらかじめ用意した木の枝9種類による標本図鑑を作ってもらいました。これだけでも「おみやげ」効果はあるのかもしれませんが、本番はそれから先です。9種類の標本はあらかじめ各自の好きなように3×3のマトリクスに配置してもらい、それを持って森の中に入り、木の肌を観察しながら、標本と同じ種類の木を探してもらいます。標本図鑑は3×3、つまりビンゴの配列にしてあるので、予想したとおり、ビンゴの完成をめざして子供たちは夢中になってくれました。
 賞品には、ささやかながら、川上産の水晶を持ち帰ってもらいました。夜の部はお約束の、歌ったり踊ったりのキャンプファイヤーです。みんな、良い思い出になったかな…?


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 実はこのビンゴを仕掛けたことには私の原体験に基づくある想いがあります。それは小学校3年ぐらいのとき、父に連れられてクワガタ採りに行ったときのこと。山育ちの父はクワガタの好む木をめざし、歩道をはずれて山中をガサガサとどこまでも、つまり山を面として行動し、心細い私は否応なしに必死についてゆき、やがてちょっとした崖伝いの所に出くわし、恐さのあまり動けなくなってしまったのです。
 そのとき泣きながら父の助けを求めたことと、息子のあまりの情けなさに憤慨した彼の顔は、40年近く経った今でも鮮明に覚えています。


 この記憶がトラウマではなく、むしろ郷愁となっていることの謎はともかくとして、ここに出てくる「面」として山を歩くことの意味というか重要性が、私は以前から気になっていたのです。
 山暮らしの人にとって山は糧を得る場所ですから、当然それは道に沿って線状に存在するものではありません。一方、道を外れて自然の中へ入ってはいけない、というのが昨今の自然観察のセオリーです。その考え方の背景や大切さをどうこう言うつもりはまったくないのですが、道に沿うだけや、林床の整備されたところではない自然体験がもっとあっても良いのではないか。そんな考えを今回かたちにしてみました。


 大人にとっては小さなギャップや苦にならない枯れ枝も、子供たちにはかなりの障害になったと思います。つまづいて転ぶ子供も居ましたが、彼らは私が想像していた以上に活き活きと駆け回っていました。
 いろいろと条件に工夫は必要かもしれませんが、こういう体験も変わっていて良いのではないかと、ひとり森の中で納得した一日でした。

コメント

Posted by: ふるだぬき   [ 2008年7月13日 18:04 ]

 当方の仕事に二日間ほど協力いただき、ありがとうございました。馬牧場の結果は、解釈が難しいので、時間をいただきたいところですが、所並のほうは、結果になりそうです。ただし、戻ってみるとやり残しが見つかったので、今月中にもう一度奥地の調査地へ出向いて、追加調査を行うとともに、途中で無くなったビニルテープをしっかり張っておこうと思っています。

閑話休題
 それにしても良いプログラムですね。要林産オリジナルと言うことで、活用させて下さい。ついでに、某会報に書いていただければ、幸いです。

Posted by: コウダイ   [ 2008年7月13日 18:16 ]

「父と子のアウトドア講座~ふれあい自然体験in川上村~」に参加させていただきましたコウダイの父です。要さんの森への豊富な知識と優しい語り口で、息子ともども、貴重で楽しい体験をさせて頂くことができました。いつもはすぐ疲れたり飽きたりする息子が、枯れ枝や岩を踏みしめ乗り越え、森の中を走り回る姿に、新たな一面を発見することができました。今回の2日間のなかで、木探しビンゴが一番楽しかったと息子は喜んでおります。ありがとうございました。

Posted by: モモカ   [ 2008年7月13日 19:05 ]

「父と子のアウトドア講座」に参加させていただきましたモモカの父です。森の探検は、普段できない貴重な体験でした。子供は木の図鑑を宝物のようにしており、帰るとすぐに妹に自慢していました。私もチェーンソーに興奮してしまいました。山の男らしさと優しさがいっぱいの要さんにまたお会いしにいきます。

Posted by: somanba   [ 2008年7月14日 09:58 ]

5/31掲載の手作り樹木図鑑、なかなかいいなぁ‥と思っていたのですが、
ビンゴと組み合わせてアクティブなプログラムにしたところが素晴しい。
子ども達が夢中になっている様が目に浮かびます。
積極的に木肌をジックリ見たり触ったりする機会って、
大人でもほとんどありませんものね。
それにしても、ツタウルシにはご用心ご用心。

Posted by: かなめ   [ 2008年7月14日 20:45 ]

ふるだぬき様
 こちらこそ、二日間もプロの研究者のやり方をご教示いただき、そのうえ生活の心配までしていただき、これほどありがたいことはありません。
 馬牧場 (←ハイ皆さん、これを何と読むでしょう)の詳しい解釈、恐さと楽しみ半分半分でお待ちしております。所並のやり残しは、ひょっとして私の責任でしょうか。お手伝いが必要かと思いますので遠慮なく声をかけてください。いただいた画像も、遅くなりましたが近日中にブログに使わせていただくつもりです。
 ところでこのプログラム、葉っぱではよくやると思うのですが、樹皮を使うと落葉樹ばかりの当地でもオールシーズンでできますので便利です。ちょっと準備がややこしいですが、某会報にも報告したいと思いますので、ジャンジャン広めてください。
(…馬牧場の読みは、バンゲイバ でした! 何度聞いても不思議な響きだ)

Posted by: かなめ   [ 2008年7月14日 20:46 ]

コウダイ様
 早速のコメントをありがとうございます。息子さんの森の中での集中力、すごかったですね。足場の良くない場所だったのでちょっぴり心配でしたが、まるで山育ちのように動き回る姿に(最近は川上の子供もあまり森に入らないようですが)、私も考えを新たにしました。
 これを機に、ぜひまた遊びにいらしてください。

Posted by: かなめ   [ 2008年7月14日 20:47 ]

モモカ様
 お疲れのところ、早々にコメントをいただき張り合いになります。図鑑作りが良い思い出になったようで、嬉しいです。ブログにも書きましたとおり、私はたいへんな泣き虫でして、いつも娘に笑われているので、「山の男らしさ…」のところを早速家族に読ませてポイントを獲得したいと思います。
 お出かけの際はぜひご一報ください。再開を楽しみにしております。

Posted by: かなめ   [ 2008年7月14日 20:47 ]

somanba様
 ボール紙の上に、短く刻んだ枝を整理して並べるだけで、けっこうそれぞれの肌の個性が浮き上がってくるものですね。今回はツノハシバミで皆さん苦労していたようです。
 森に関わりの無い人にとっては、場所の選定がけっこうやっかいかもしれません。今回は村有林を快く貸してもらえたことが大きな助けになりました。丁度、数年前に除伐が入った場所なので、ウルシの問題もほぼクリアできました。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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