癒し
昨年のこの時期にも報告しましたが、この村の子供たちは5年生になると皆、村内のすばらしい森の中でのキャンプ体験をします。もう何年目になるのか思い出せませんが、今年もその第一陣の「唐沢の滝」までのトレックの手伝いをしてきました。
日頃森を職場としている者にとっても、ある種の特別な感じを受ける森のある地域ですから、そこで受ける癒しはいつもニコニコものなのですが、やっぱり子供たちの仲間に入れてもらえることから受ける力はすごいですね。日頃の難しい顔をしてしまう原因を全部忘れて(それほどものを考えていないだろう、という意見もありますが)、今回も、いちばん楽しませてもらったのは私かもしれません。
毎年立ち止まって観察するポイント、人工林と天然生林の境界で、声を合わせて「カラマツ~」と木の名を答えてくれたことに安堵したり、炭焼きのかまの跡をクイズにして、家に帰ってからの大人たちとの会話の題材にしてもらったりと、いつもながらの進行でしたが、今年は私の発見もありました。
雪折れで落ちた木を見て「これ桜だよね」という少年一名。木の肌を見て桜と見抜く5年生に興味を持ったので事情聴取をすると、彼の識別能力に、最近彼の家に導入された薪ストーブが深く関与していることがわかりました。以前から薪ストーブが寄与するカーボンニュートラルだけに気を奪われていましたが、子供たちに木を見る眼をそなえさせるという重要な能力も、薪ストーブにはあったのですね。