やっかいな連中
タイトルから、どんな生き物が連想されるでしょうか。私の場合は、画像のような血をあてにしてやってくる虫が大きらいです。昆虫好きの私でも、彼らが来ると容赦なく殺戮マシンに変身します。
以前、環境省のレンジャーさんと話しているとき「血だけなら仕方ない、吸ってもかまわないけれど、ついでに余計なものを体に入れてゆくから許せない」との見解をうかがい、大いに頷きました。また、ある詩人の少年時代のことを語った文章の中で、どんなに小さな命でも大切に考える彼が、蚊と人間の関係に苦悩した末、メスのみが吸血することを知って、オスだけでも命を救うことができる口実として安堵したのだけれど、やがて彼が成長し生物のオスメスの役割を理解する年頃となってからは、再び苦悩しなければならなくなった、というようなことが語られていたのにも、妙に親近感をおぼえました。
画像のウシアブの仲間は、上手に肌を切り裂いて、そこから出た血を吸うというよりもなめるようですね。これが飛び始めると「いちばん良い季節が終わってしまったなぁ」と実感します。今年もまた、虫たちに追いかけられながら、滝のような汗と草の匂いにまみれる日々のはじまりです。そして祈ります 「なんとか今年は蜂の巣をたたきませんように…」