新生産システム
林野庁では今、木材の生産・流通・加工のコストダウンを図る新生産システムの普及をめざしています。私もこの業界に足をふみ入れた時、あまりにもすべてが前近代的であることに絶望に近い衝撃を受け「ここには改善すべきことが山の高さ以上にある」と考えていろいろと悩んだものでした。日々、一製品あたり秒単位での生産能率の向上が求められ、部品一点あたりのコストに至っては一銭二銭という単位があたりまえの世界から転職した者の視点ですから、あたりまえと言えばあたりまえかもしれません。ですから、政府が進めようとしている近代化も賛成です。
ところで、要林産の生産システムには最新鋭のハーベスタもタワーヤーダは登場しません。先日4M材の注文を受けたときには、材が重くて担ぎ出すことができず、いろいろ考えた末に以下のよう「出し」を行いました。
この台車は、畑に苗を植えるときに使うもので、いつもお世話になっている農家からお借りしました。暗くてよく見えませんが、下の画像のように材木の片端を台車に乗せて、先頭側は人力でぶら下げて移動します。
作業に慣れてきた最後の2本ぐらいのとき、うっかり台車に丸太の全重量をかけたところ、台車がグニャリと曲がりました…。
そんなこんなでなんとか運び出した丸太は別荘の柵に利用されているそうです。今回のお客さんは既製品にはない自然の風合いが好みで、わざわざ丸太を半割りにして使ってくれているそうです。こういうニーズには何が何でも応えたい、というのがウチの生産システムの基本です。