森林税2
長野県では、来月の議会で承認されれば、来年度から導入という方針で、民有林間伐の推進などを目的に、個人と法人県民税に上乗せする形で、森林づくり県民税の準備が進められています。先日、この税をテーマにしたローカル番組に出させてもらったことを機に、自分の考えをまとめてみたので、アップします。
私は導入には条件付で賛成です。なぜなら、今の森林という現実から出発する「社会の仕組みづくりのため」の財源が、どこにもないから。
木材資源を、持続可能な社会の重要な部分を担うこの国に数少ない自給可能な資源であると考えたうえで、まず、めざす森林・林業と社会のあり方を以下のように定義すると、どうしても新たな財源が必要になるのです。
めざす社会とは、「森林資源を使い尽くしてしまわない― つまり当面は成長量分を、なるべく輸送エネルギーのかからない方法で、利用する社会」であり、これに付随して、森林所有者に対して、手入れの意欲を失わない程度の木材の売上げが、その意欲に見合う分※保障され、地域の製材所などを含めた、林業関係の生産から加工までの雇用が保たれる社会です。
※印の「保障され」と表現したのは、森林のもつ公益性を考えると、ある部分までは受益者が保障をする必要があるという理由からで、正しい保障のためには、所有者の意志と努力により、それがどの程度保たれているかを、個々に評価する仕組みを設けることも欠かせません。
つづく
コメント
Posted by: こーりきー [ 2007年11月19日 18:44 ]
かなめさん
新聞にも出ていましたね(^^)
Posted by: hideshi [ 2007年11月19日 23:05 ]
検討しなければならないことは多々あると思いますが、長野県さんには頑張って欲しいと思います。
議論しつくしたと思っても、方向修正はあり得るものではないでしょうか?
まず、一歩踏み出すことが大事?
Posted by: かなめ [ 2007年11月20日 08:31 ]
こーりきーさんがせっかく振ってくれたので、信濃毎日新聞の森林税関連の記事にリンクしようと思いましたが、なぜか指摘してくださった記事が見つかりません。
16日金曜日から「森林税導入提案へ 県民負担の前に」と題し、3日間連載されました。
16日が「拡大造林」のつけ:林業政策の将来像を。
17日が里山の整備対策強化:効果的補助 仕組みを。
18日が「ハード重視の使途:関心高める工夫必要。
でも、題名だけじゃ何だかわかりませんね(笑)。
肝心な冒頭と最後の部分だけ引用します。
>新たに県民負担を求める必要性や
>意義はどこまで共有されるだろうか。
>森林の現状や整備に向けた課題、
>県民のかかわりのあり方探った。
と始まり、県内の実情、他県の取組みなどを取材して、
>県民意識を高める仕掛けは十分か。
>来月上旬に召集される十二月県会では、
>こうした角度からも議論を深めていく
>必要がある。
と締めくくっています。
Posted by: かなめ [ 2007年11月20日 08:54 ]
hideshiさんの県では、平成17年度から水と緑の森づくり税としてスタートしているのですね。
ホームページを拝見すると、ソフト重視の印象を受けます。
税収は基金に入るようなので、導入時の議論の高まりを維持しつつ、まずはスタートしてみて、少しずつ良いものにつくりあげてゆければよいと思います。