木材価格
今朝の信濃毎日新聞に、「長期減少だった県内木材の素材生産量 上昇に転じる」と題した記事が掲載されました。素材生産量というのは、簡単に言ってしまうと山から材木を伐り出す量のこと。その量が、実に1992年以来統計をとりはじめてから、はじめて上昇したというのです。この記事を見て山林を所有する人たちがどのように感じたのか、たいへん興味のあるところです。
これから材木を採ろうという者にとっては、幸先の良い話ではあるのですが、へそ曲がりな私には気に入らないことだらけです。ひとつには、日本の山が今まで社会の変化に振り回されて、挙句の果てにはほったらかしにされたことと同じように、結局は世界的な木材の市場動向で振り回されているという、林業の主体性の無さがあります。そしてもうひとつは、木材が不足気味になって価格が高騰したとしても、それは所詮は山側が主張し設定する価格ではなく、市場の都合にだけ左右されることになるだろうということ。
「あなたは頭がおかしいのではないですか?」と言われても、この構造をどうにかしたいという欲望は抑えられそうにありません。