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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

2007年10月29日

ふるさとの森林づくり講座

森の入り口に立っている一般市民を対象にした、森や木材のことを知ってもらうための講座が開催されました。


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午前中は地元大沢新田の分教所あとをお借りして、現場視察の代わりに山仕事のビデオなどを見てもらいました


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昨年同様株式会社青木屋さんでは大歓迎を受けました。製材され、製品になった木の含水率を計っているところ


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森世紀工房事務局の有賀建具店さんには、はるばる伊那から来ていただき、県産材家具についてわかり易く説明していただきました。「使えない広葉樹は無い!」 100種類以上の木のサンプルは圧巻


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午後の講座会場は株式会社新津組に提供していただき、県が検討している森林税の説明や、OMソーラーハウスの紹介などを受けました

 うさぎおいし かのやま こぶなつりし かのかわ この詩からはじまる条例があることをご存知でしょうか。紆余曲折の末、平成17年1月1日全面施行された、長野県ふるさとの森林づくり条例です。


 (大衆というものがそうであるように)条例などというものは、ほとんど意識せず生活をしていた私にとって、この条例が生み出される経緯を見ることは、その過程が、私自身がNPO生活者になったことと同時進行していたこもあり、「条例」の意義について考える貴重なものでした。


 この条例の産みの苦しみの最中に感じた問題がありました。それは木にたとえると、幹になる部分の話ではなく、枝のようなことでしょうが、「日本の森林や林業がかかえる問題を考えるときに集まるメンバーが同窓会化しているのではないか」ということ、さらに言えば、その身内ばかりのゆりかごのような空気の中で、自分たちは自己満足しているだけなのではないか、ということです。


 もっともっと多くの人たちが関心を持ち、語りあって、この(島国にとっての)唯一無二の資源である木や森を活用するためには、入り口に立つひとたちに、森に入り易いしかけが必要なのではないか。そんな考えから生まれた講座がこの講座です。


 あいにく台風と歩調が合ってしまい、午前中の伐採作業体験と視察はできませんでしたが、今年も県が行っている助成制度を利用し、県職員の皆さん、地元の製材会社、家具工房、建築業者、財産区と主婦の皆さんなどの協力をいただき、すべての工程を無事に見学することができました。

2007年10月24日

木のホイッスル

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先日の財産区打合せの際に、信州そまびとクラブの会員の方がプレゼントしてくれました。森の中で吹いてみると、とても高く、やさしい音がします。「現場用に肌身離さず」とも思ったのですが、作業に持ち込むと必ずなくしますので、行事の時だけに使うことにしました。週末の講座には、さりげなく、世界にひとつしかない自分だけが持っているこの道具を持っていきます。


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2007年10月22日

財産区での会議

行事開催や山の手入れなどで、信州そまびとクラブが日頃からお世話になっている、佐久市大沢財産区の議員の皆さんとの会議がありました。


 台風で延期となった山守り塾の開催日のこと。ゆかいな山仕事からおおさわ山守り塾へと新たなスタートをすることになった経緯のこと。ゆかいな山仕事講座同窓会の皆さんの行事日程のこと。これからの財産区での手入れのことなど、盛りだくさんの内容でした。


 財産区では、収穫時期をむかえた山を収穫→再造林する動きが始まっており、今後はそのお手伝いをさせてもらえるかもしれません。そのことは、今まで夢だった、毎年一定量の山を植栽から保育まで一貫して手入れをすることにもつながります。多くの場合、所有者と手入れする者が違うという今の日本の林業の構造の中で、植えたときから収穫するときまで働く者が変わらない山は、それほど多くないように思います。自分で背負い上げ、植えた木への愛着や、最後まで任せ、任される、という関係から生まれる目に見えない力は、かならず40年、50年後の材積や材質の差となってあらわれることでしょう。


 私としては、会議の一次会よりもアルコールの入った二次会に強い興味があったのですが、運転して帰らなければならない距離なので、酒の代わりに涙を呑んで帰宅しました。

2007年10月21日

初霜

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例年よりも10日は遅れているのではないでしょうか。おかげで基幹産業の高原野菜出荷が続いています。霜にあたることで一段と甘くなったハクサイが収穫されると、畑仕事が終わりになります。

今朝はコスモスの花も寒そうにしていました。

2007年10月18日

木材価格

今朝の信濃毎日新聞に、「長期減少だった県内木材の素材生産量 上昇に転じる」と題した記事が掲載されました。素材生産量というのは、簡単に言ってしまうと山から材木を伐り出す量のこと。その量が、実に1992年以来統計をとりはじめてから、はじめて上昇したというのです。この記事を見て山林を所有する人たちがどのように感じたのか、たいへん興味のあるところです。


 これから材木を採ろうという者にとっては、幸先の良い話ではあるのですが、へそ曲がりな私には気に入らないことだらけです。ひとつには、日本の山が今まで社会の変化に振り回されて、挙句の果てにはほったらかしにされたことと同じように、結局は世界的な木材の市場動向で振り回されているという、林業の主体性の無さがあります。そしてもうひとつは、木材が不足気味になって価格が高騰したとしても、それは所詮は山側が主張し設定する価格ではなく、市場の都合にだけ左右されることになるだろうということ。


 「あなたは頭がおかしいのではないですか?」と言われても、この構造をどうにかしたいという欲望は抑えられそうにありません。

2007年10月17日

久しぶりに小学校へ

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地域の大人たちが、文化や自然に関する講師として小学校で活躍する「源流学習の日」。昨年から始まったこのとりくみに、今年もお手伝いに行ってきました。


 史跡、民話、源流太鼓、はりこしまんじゅう、レタス料理、魚類、野鳥、植物、きのこ、昆虫に加え、今年は「川上犬の謎」が、子供たちのリクエストに応えて登場。わずか3時間弱の練習で、太鼓班は一曲披露するまでに腕をあげていました。


 村の子と言えども、近頃では地域ならではの遊びをする子供が少なくなっていて(我が家の娘たちも休みの日はテレビづけ)、中山間地の無形で重要なものが根底から危うくなっているような気がします。ですから、たった一日でも村ならではのものに直接触れることのできる機会はとても重要です。


 基幹産業の労働量がピークとなる真夏には、なかなか大人たちが子供の相手をする暇を作ることができないので、そんなときに子供たちが思いっきり野遊びに専念できるような学童保育をやってみたいと、ここ何年か密かに思っています。そういうたくらみをして、いちばん遊びたいのは自分なのですが…。


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源流太鼓の発表

2007年10月16日

この夏

日本森林技術協会の会報「森林技術10月号」に、「この夏 シカ対策戦線からの報告」と題した手記が掲載されました。夏じゅう歩いたシカよけのための電気柵メンテで、シカの思わぬ行動に衝撃を受け、考えたことを書いてあります。


 手短に言うと、自分も鉄砲うちになって、地域の子供たちに捌(さば)くことからなじんでもらわないことには、今のシカの不幸を解決することはできないのではないか。というようなことを書きました。


 各県の出先林務関係の部署や、各森林組合ならば定期購読をしているはずですので、興味のある方は読んでみてください。


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2007年10月13日

被害額は4億円

昨日のローカル紙に、県林務部が発表した9月の台風9号による東信六市町民有林の風倒木の被害額のことが小さく掲載されました。被害面積238ha、総額約4億2千万円。被害材積の推計5万9千立方m! 


 まず興味があったのは、この記事に関心をもった人がどのぐらいいたのかな?ということ。社会面の片隅にひっそりと載せられたという扱われ方に、これだけ森林面積の占める割合の高い県でありながら、かろうじて経済観念の中に残されているという現代の林業の位置が感じられ、それでさえ世間のことを広く伝えるという新聞記者の目だからこそ、拾われた話題であると考えると、これではいけないと思いつつも暗くなる心…。


 次に思い浮かんだことは、この試算を吟味してみようということ。被害額を単純に面積と材積で割ると、ヘクタールあたり176万円。立法あたり7千円と計算される。
 林業では通常、山に倒れている木のすべての部分が材木として出てくると見積もることは少なくて、歩留まりを考えて利用率というのをかけ合わせる。たとえばこれを0.6として、その逆数1.6を7千円にかけてみると立法あたり11200円。
 7千円も11200円も、決してウハウハと儲かったり、山の所有者に還元できる額ではないので、結構現実的な数字だなと思いつつ、この記事を見てこんな検算をしているのはさらに何人ぐらいいるのかな、と再び孤独感にさいなまれる。


 最後にお金のことで思い当たったのは、この風倒被害の後片付けに動員された同業者たちの売り上げ。被害額や、その後の山の経済価値の悪化の金額よりも、片付けの売り上げの方が高額になるような気がして、またまた暗くなるのでした。 こんな己に 喝っ!

2007年10月10日

紅葉狩り

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自治体の保養施設が企画したツアーで、秋の山を二日間案内してきました。なんとか雨には降られずに済みましたが、曇り空では気温が15度ぐらいにしかならず、東京から来たお客さんは寒さに驚いていました。


 思っていたよりも紅葉が進んでいて、自分でも仕事を忘れ、しばし一瞬の色の饗宴に目をうばわれました。今回は案内だけの依頼でしたが、来年からは企画段階から協力させてもらうことになりそうです。

2007年10月 9日

蛾の幼虫による食害

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カラマツがもう黄葉?と思いきや、時期が早すぎるうえに、葉の色が一気に枯れたような茶色になっています。


 地域の民有林76,139haのうち、62%(47,528ha)が人工林。この日本全体の森林の状態を代表するような数字が示すのは、その木を餌資源とする昆虫にとって、自然界では有り得ない規模の大繁殖の場が作られている、ということです。

 
 カラマツの葉を食べる昆虫は何種類か知られているのですが、今年うちの村で大発生しているのは、口から糸を吐き降下してくる終冷幼虫の色の感じでは、どうやらカラマツマダラメイガのようです。図鑑などによれば、木の勢いは弱るけれども、枯れてしまうことは無いとのことですが、私には、生産のことだけを考えて改変されてしまった森を、大自然が自ら修復しているように感じられます。


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9月6日撮影


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10月8日撮影

2007年10月 8日

第3回そまびと体験

八ヶ岳高原ロッジさんの別荘オーナーを対象にした、山の手入れ講座。8月と9月に続き、今年最後の3回目が開催され、そのお手伝いに行ってきました。


 今回は、立木本数の密度の見方や、高さのはかり方などに加え、倒した木が、他の木に引っかかっても慌てないように、ロープを使っての伐倒も行いました。ロープを使った作業では、皆さん率先して手分けして動いてくださり、最後は参加者5名の現場作業、といった雰囲気になりました。


 前回も書きましたが、すでにチェンソーを購入している方もおり、中には5000坪の敷地内で間伐を実践している猛者もいて、チェンソー作業の講座のリクエストが強く、担当の方も来年にむけていろいろと悩んでいる様子でした。

2007年10月 6日

森を測る

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後継者難の林業界。次代を担う人たちに少しでも興味を持ってもらうことができれば、と、今年も地元高校の演習林授業のお手伝いをしてきました。


 場所は、小海町というところにある、信州そまびとクラブがいつもお世話になっている県立臼田高校環境緑地科の演習林。昨年に続き、2年生に林業の世界での森の測り方を体験してもらいました。


 最初の座学では、林業で使う初歩的な単位についてと、最近の佐久地域の森林や林業の様子をお話し、今の木材価格では木を伐っても、所有者のところには十分にお金が入らないことを説明しました。でもやっぱり体験に勝るものはありませんね。実際に林内に出て測高機などを扱うと、私の退屈な話に悶々としていた子供たちの目が生き生きとしてくるのがよくわかりました。


 最後のまとめでは、ひとりひとりが計った立木の材積を示して、「君の計った木は、今の市場価格だと○○円ぐらいだよ」と伝えました。
 高校2年生にとって、どのぐらい印象に残るのかな??

2007年10月 1日

同業者の集まり

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どんな業界にも、たいてい同業者の集まる機会がありますね。私もこのたび、めでたく地域の同業の皆さんに、仲間として受け入れていただきました。


 佐久市と南北佐久郡で、伐採や、素材生産(山から材木を出す仕事のことを、このように呼びます)、製材を行っている皆さんの集まりのひとつに「新緑会」というグループがあり、画像にある佐久市商工会議所が行った行事「いか座 やら座 さく市(いかざ、やらざ、さくいち)」への出展を機に、私も参加させてもらうことにしました。


 昨日はあいにくのお天気で、準備した木工体験には20組ぐらいの参加しかありませんでしたが、木材価格や現場のだんどりのことなど、同業の皆さんとの会話は今後の仕事の展開に無くてはならない情報ばかりでした。業界に入って13年めになりますが、ようやく出会うことができた同業の方もおり、やっとここまでたどり着くことができたという感じのする感慨深い一日でした。


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自分も木工体験の案内をしていたため、今回は新緑会の活躍する画像を撮ることができず残念

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

お知らせ

要林産のホームページ somabito.jp をどんなものにしようか、現在思案中です。なにか良い案があったら、ぜひコメントに書き込んでください

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