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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

2007年8月28日

劇的瞬間

我が家の向かい側に、大工さんの作業場があります。私は木を生産しているくせに、建築のことをまったく知らないので、よくそこで大工さんに質問をするのですが、数日前のこと、大工さんの返事におまけがついて返ってきました。それはこんなやりとりでした。

私: 「これはマツですね?」
彼: 「そうだ、ベイマツだ」
   「マツだけど困ったよ。良いものが入らなくて…」


 最後の一行は、いままでに聞くことのなかった余分な一言で、ボヤキと言うよりも悲痛な訴えのようなものでした。恥ずかしいことに、私はこのときはじめて建築現場での近年の木材の逼迫を実感したのです。さらにつっこんで尋ねてみると、一枚900円だった合板が、今は1400円ぐらいに高騰しており、高くなってしまっただけでなく、必要量を一度に揃えられないこともあるほどだそうです。そして、この高騰をそのまま住宅の値段にのせるわけにも行かない。だから大変に苦しいのだとか。

 私たちはこれまで、地元の木であるカラマツをなんとか地域の住宅の材料として利用する仕組みを作ることができないかと考えてきました。若いカラマツは、十分な乾燥をしないと狂いやすいということで、大工さんから嫌われていて、この大工さんにも何度か「カラマツは使わないの?」という問いかけをしたのですが、とにかく「カラマツはダメだ」の一点張りで、まったく話にならなかったのです。


 何度も同種の経験をしていた私たちは「もはやカラマツは多くの大工にとって材料ではないのだろう、そういう覚悟で普及を考えなければいけない」と思っていたのですが、先日の大工さんとの会話で、それがひっくり返る劇的瞬間に立ち会うことになりました。

「カラマツだって いいだよ!」


 経済価値優先の社会で、使用価値以外、あるいはそれ以上の何かを目に見えるものにしたいと考えていた苦労が、ことカラマツについては、それが経済の中に再び取り込まれる環境ができたことで、無意味なものにさえなろうとしています。


 ものがある限り採り尽くす。なくなると価格が高騰して他の産地を物色する。そしてまた採り尽くす。日本の山が再びこの単純な繰り返しの中に組み込まれないようにするにはどうすればよいのだろうか。現場で日々そんなことを考えています。

2007年8月17日

別荘地手入れ実践教室

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高度成長期に植林した山が、木の混んだ暗い林になっている…。間伐が必要なのは、人工林の中に作られているという点で、別荘地も事情は同じです。


 昨年10月8日に紹介した八ヶ岳高原ロッジ主催行事の続き、というか改訂版として、今年も「信州そまびとクラブ 別荘地手入れ実践教室」が開催され、お手伝いに行ってきました。


 ここの別荘地ではこれまで景観を守る意味などから、積極的に木を伐ることはしていませんでしたが、林の中に光を入れ、多様な植物が生きられる健全な状態を保つという観点から、今後は必要に応じ、別荘地独自に作りあげた指針に沿って枝や木を切りましょう、という方針が打ち出されました。


 この日講座に参加された皆さんは、当然ながら敷地内の手入れに積極的な皆さんばかりで、13名の参加者のほとんどの方がすでにチェンソーでの作業を体験されている、ということに驚かされました。手鋸での手入れ教室では物足りない様子でしたが、伐木作業の安全面の基本についてジックリとお話させてもらいました。 今年は9月、10月にも講座が予定されています。

2007年8月15日

100年の森林づくり加速化推進事業に応募

全国森林組合連合会というところが募集している助成事業に応募しました。平成19年度 「100年の森林づくり」加速化推進事業と名づけられたこの事業は、森林所有者、林業事業体、地方自治体等の多様な主体や有識者から成る協議会を開催して、各種施業の対象適地の選定調査、調査結果に基づく各種の森林施業や路網整備の最適配置の検討・整理など多様な森林整備のための森林施業・路網整備を高度化・加速化させるための条件整備を目的とした事業です。


 信州そまびとクラブとしては、改めて南佐久という地域で、森林所有者、林業事業体、自治体が抱える問題を調べ上げ、内発的な(←ここがいちばん重要)活動の手がかりをつかみたい、という出発点にたち、応募書類を書き上げました。


 助成事業は、応募してから結果がわかるまでの期間、懸賞に応募したときのような楽しみがありますが、その間にも、もしも採用になったときのために、このワクワク感をバネにして計画の内容をより具体的につめてゆく必要があります。


 採用決定を皆さんにお伝えできることを祈念しつつ…。

2007年8月14日

ホームページを紹介します

西軽井沢の森の中に浅間自然環境事務所はあります。
夏はカッコウやキビタキのさえずりが聞こえ、
冬にはリスがヒマワリの種を取りにやってきます。

という、物語の始まりそうなメッセージが載せられているホームページが開設されました。日頃からいろいろとお世話になっている株式会社 浅間自然環境事務所さんのホームページです。代表取締役は信州そまびとクラブにも入会してくださっています。

 コンサルタント業務だけでなく、自然環境保全に情熱を燃やす人の集団として、幅広い活動を展開中です。以前このブログで紹介した「生き物手ぬぐい」も紹介されています。

 私の勝手な意見ですが、これぞ新世代のベンチャーと注目している会社のページを、ぜひ訪問してみてください。

2007年8月 5日

エコエコ佐久フェスタ

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世界初のハイブリッド鉄道車両 キハE200形 「こうみ」


 JR小海線という「高原列車」で有名な鉄道がハイブリッド化されることになり、それを地域振興の材料とするべく、沿線の佐久市にある商工会議所がイヴェントを開催しました。近頃では、多くの企業が環境への取組みを積極的に紹介するようになり、また、佐久地域はその高い晴天率が関係してか、太陽電池パネルの普及率が高く、産業面でも盛んなため、当日は多くの企業を中心にさまざまな展示を見ることができました。

 
 みんなで環境への配慮を強くしよう、という前向きの取組みに水を差す気持ちはありませんが、テクノロジーが前面に出ているような印象を受けたのは私だけでしょうか。シンボルとしてのハイブリッド車両はわかり易いことですが、地域の人たちの公共交通の利用率を上げることも重要なことだと思います。

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 今回私が詰めていた「日本野鳥の会軽井沢支部」のテントでは、カッコウのお話、野鳥関連グッズの販売、卵の絵を石に描く体験などが行われました。忙しくなると撮影する余裕がなくなるため、まだあまり人の集まらないうちにパチリ。

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 本業から言えば、こちらに詰めていなければいけない南佐久地域の木材・林業関係者の「新緑会」のブース。この直後、大くの親子連れで巣箱づくり体験は順番待ちとなりました。

 ブースを訪問してくださった皆様、どうもありがとうございます。

2007年8月 3日

盛夏の高原にて

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梅雨のあける頃、森のバックグラウンドの主役はエゾハルゼミからコエゾゼミへと代わります。羽化したばかりなので、まだ背中のMcDonald'sマークがよく見えません。


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profile

そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

お知らせ

要林産のホームページ somabito.jp をどんなものにしようか、現在思案中です。なにか良い案があったら、ぜひコメントに書き込んでください

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