田舎の家の建て方
平成17年の木材(用材)の自給率は20.0% 在来木造住宅の部材に占める国産材のシェアが約3割などと言いますが、このお宅を見ていると「本当なのかな??」と思ってしまいます。
画像は、一昨日からマツタケ山の整備をさせていただいている方のお宅におじゃました際に撮らせていただいたものです。構造部材はすべて所有している山から伐り出したもの。その材料選びから地元に暮す大工さんが立会い、これまた地元にある製材所で挽く時にも、大工さんが立会い、ムダの出ないように木どりを指示したそうです。
そして家を建てはじめてからのお話が傑作でした。曰く「どっちが施主だか大工だかわからない状態」で、多くの部分が大工さんの思いによって作り上げられていったそうです。
たいへんに立派な建具も、製材所に以前からあった秋田杉を、製材所の人が「ぜひこれを使って欲しい」と薦め、値段が高いと迷っている施主に、大工が「このぐらいのもの、使わなくてどうする」とけしかける始末だったそうです。田舎には、まだこういうプロセスで建てられる家がいくつもあるのです。
村の中で完結するこうした木材の利用は、果たして国の統計上にあがってくるのでしょうか。そしてこういう家の建て方が残り、実際に建てることができる、ということの力強さが、なかなか形となって現れにくい山村のパワーの中で、とてもわかり易いもののひとつではないかと思います。日本の田舎はすごい!
梁の赤みがかって見えるのはカラマツ。白っぽい柱はヒノキ
サワアズマ(ミズメかウダイカンバのことでしょうか)の上がり框(あがりがまち)