キハダ
山での昼休み、突然内職が始まりました。来月、林業体験で受け入れる千葉県の中学生のために、キハダの内皮をはがしているところです。
この皮には健胃成分が含まれているそうで、漢方薬にも使われています。かむと苦味がして、いかにも良薬という感じ。私は何回か二日酔いのときにこれのお世話になったことがあります。
今度受け入れる中学生は、私たちが昔ながらの山暮らしをしていると思っているらしく、事前に届いた手紙には「食料はどうしているのですか?」というような質問があったとか…。そんな彼らにこのキハダを味わってもらおうというわけです。反応が楽しみだな。
コメント
Posted by: hideshi [ 2007年4月15日 12:53 ]
こちらの方では、町の分収造林地にキハダを植栽しているところがあります。
以前勤務していた場所では、森林組合が夏場に樹皮をはぎ取り、製薬会社に卸していました。
現在も続けていると思います。
山には、人に役立つ良いモノがたくさんありますよね!
Posted by: かなめ [ 2007年4月16日 08:09 ]
hideshiさん、ありがとうございます。
キハダは今でも活発に薬品原料として生産されているのですね。町の分収地で、業として元気に営まれているということが、とても嬉しく感じられます。と同時に、おっしゃられるように、山にある人の利用できるものの活用振興や、できれば開拓、(忘れられているものの)掘り起こしなども積極的に行い、山から離れたところへもその情報を発信してゆきたいものです。
これから、山も収穫の季節に入ります。日々そんな思いで通いたいと思います。
Posted by: 木曾仙人 [ 2007年4月20日 17:33 ]
かなめ様、またお邪魔します。
このキハダを購入している製薬会社は多分、木曾の”百草丸”を作っている会社でしょう。百草丸はキハダ、ゲンノショウコ、オウバク等を煮詰めて丸薬・板薬・粉薬を作ります。市販されているものは丸薬・板薬が主流で粉薬はプレミア物で殆ど手に入らないこととなっており、最近はドリンク剤仕様もあります。効能は胃痛・腹痛全般に効果があり木曾では昔から家庭常備薬としてどこの家にも必ずといっていいほどあり、飲みすぎると便秘ぎみになります。
禁煙・二日酔いにも効果があり、タバコを切らした時や胸焼けがする時などに効果覿面です。 現在はやはり原料不足で苗木を無償配布して作ってもらい買取を行っているそうです。
家庭ではキハダの皮を剥いて保存しておき腹痛時に煎じて飲んだり、そのまましゃぶったりしたそうです。
かなめ様はキハダの実を食べたことがありますか?木曾では秋にこの実を採ってきて米の粉と砂糖で煮詰めます。
これを「キヤザ」と呼んで食料の少ない木曾の山奥では大御馳走で、杣衆(そましょ)は特大のめんぱ(木製弁当)に漬物とキヤザを山盛りにいれて杣仕事に精を出したものでした。胃薬も兼ねた健康食品を供してくれる木として、このように木曾ではキハダの木は非常に大切にしており、剥き方も上手に剥くと枯れずに5年ぐらいで回復するので同じ木から実と皮を何度も取ったそうです。
中学生の反応が楽しみですね。できれば私もお話を一緒に聞きたいところですが。また、是非、ご報告をお願いします。
Posted by: かなめ [ 2007年4月21日 11:28 ]
百草丸(ひゃくそうがん)に関する興味深いコメントをありがとうございます。
粉薬は貴重なのですね。もしも機会があったら、必ず入手しておくようにします。私も二日酔いのときには、この皮を噛んでいますが、効果は絶大ですね。
漬物とキヤザのご飯も食べてみたいです。木曾にうかがえば、どこかで食べられるのでしょうか。よく覚えておきたいと思います。
これを口にした中学生たちの反応は、続編としてこのページで報告します。