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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

2007年2月27日

信州型ペレットストーブ

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先日「冬は終わってしまった」と言いましたが、そこはそれ信州のこと、まだまだ朝晩は火の恋しい日々が続いています。そして山村起業で暖房の話となると、やはりペレットストーブをはずすことはできません(その理由はコメントの最後に…)。


参考にならないかもしれませんが、現時点での私のペレットストーブのイメージは、灯油や薪とケンカするのではなく、ペレットならではの居場所を開拓してゆくというものです。持続可能な資源を燃料とし、炎の暖かさを保ちながら、燃料の運びやすさは薪には真似のできないストーブ。燃料の加工や、炎を保つため、燃料供給に電気を必要とはしますが(ぜんまい式もあります)、燃やしているのが木である、という点はその弱点を補って余りあると考えます。言いかえれば「木を燃やすことの価値」がこのストーブの最大の強みです。

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画像は、ウチの理事長宅で、04年から活躍している信州型ペレットストーブと呼ばれているもののひとつで、長野県にある(有)近藤鉄工さんが作っているものです。参考に、理事長からのレポートを抜粋して掲載しますと、

導入経費
本体365,000円+その他=約51万円
H17年度助成により、実質32万円
煙突の出し方によりパーツが増減し、工賃等も変動する。
(我が家では煙突は最小構成となっている)

ペレット
現在長野県では、上伊那森林組合と飯田で製造している。
上伊那森林組合の工場出で420円/10kg
各森林組合で購入可能。(上伊那からの運賃分多少高い450円位)

・・・実は、ここからが細かい使用感になるのですが、主観の入る部分もあるので割愛し、総合評価を載せます。


評価
正直に言えばまだ改善の余地は残っているし、
どうしても石油ストーブと比べるとめんどくささが
ある。燃料の値段は灯油との差が少なくなったが
購入先が少なく入手に手間がかかる。
しかし、温暖化防止や環境へのことを考えるとより
多くの人がペレットストーブを使ってもらうことに
は大きな意義がある。


私の評価で一番印象的なのは、人様にものを買っていただくという立場でのソフト面の進化が足りないと感じる点です。


冒頭に述べた「山村起業と言えばペレット」ですが、山村起業を考える人の多くは、既存の経済システムやらモノ優先の価値観に限界を感じている人が多いのではないかと私は勝手に思っています。そしてペレットは、今までのヒット商品のような戦略ではなく、暖房機器を製造する大手のメーカーとは異なった方法で、少しずつ社会に浸透しはじめており、いろいろな意味で隙間に入り込むような形の商品という点で、山村力の可能性を示しているように感じるので、そんなふうに述べました。ジワジワと広がるエネルギー革命。気がつくとペレット無しでは考えられない世の中になっている。最初は「隙間」と言いつつも、そんなシナリオを思い描いています。

2007年2月22日

撤退

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田舎では、住民ひとりひとりが様々な役割を分担して暮らしています。結論から言うと「あなたの職業は?」と問われた際に「私の職業は地域住民です」というのが適切なほどに、皆が多くの役を担っており、その傾向は村が小さくなるにしたがってより強くなるようでもあります。


 後述する事情で、なかなかそのような地域貢献の機会の少ない私ですが、昨日、地域ボランティアのひとつ遭対協(長野県山岳遭難防止対策協議会)の雪上救助技術研修会に参加しました。3日間の訓練ですが、残念ながら私は胃の調子が悪化して、やむなく途中で撤退してしまいました。


 訓練は、雪崩遭難者捜索の心得やビーコンの正しい使い方。山スキーのシールについてと実地訓練。雪山遭難全般に関する座学などで、実際に見て聞いてやってみなければわからないことばかりの、充実した内容でしたから、がんばって全日程に参加したかったのですが、雪山の高いところで自分が救助を要請することにでもなったら洒落にならないので、やむなく帰ってきた次第です。


 地域活動の中でも消防団(私たちは「しょーぼー」と呼んでいます)は、地域の安全の要としての役割が大きく、最も重要な役のひとつと呼べるばかりでなく、皆ここで地域の大人たる基本的なことの多くを学びます。ですから、私のようにしょーぼーに入れてもらうにはちょっと年を食いすぎてから村人になった者は、言わば徴兵制度のある国に、年をとってから仲間入りした者のように「良いとこ取り」であり、ある意味一人前の大人でもないので、寂しく、かつ、ある種の申し訳なさを感じていました。
(この大切なしょーぼーの意義については、語りたいことが山ほどあるのですが、それはまたの機会に…)


 村人になって3年目ぐらいのとき、そんな私に遭対協入団の声がかかりました。当地は秩父多摩甲斐国立公園の一角をなしていて、金峰山や千曲川源流へ、全国から毎年かなりの入山者があります。地域の観光資源のひとつでもあるそうした場所の安全確保や、万一の際の救助活動の支援などに、日頃から地元の山に通い、林道などにある程度の知識があるという点に、山好きということも加わり、声がかかったわけです。この話が来たときは「わずかでも恩返しができるな」と、嬉しく思いました。


 山岳救助はヘリコプターが主役ですので、この地域での活動はそうした県警航空隊などへのサポートが多く、めったに出動することもありません(もちろん出動の機会など無いことが理想です)。この10年に一度だけ人力搬送をしたことがある他には、登山者への入山補導や、ポストの点検、年に二度の訓練参加が主な任務です。


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今回の研修でとても勉強になった、雪崩遭難者救助用のビーコンによる探索の実習風景。今や積雪期の入山には、ひとり一台このビーコンを持つことがエチケットなのだそうです。発信と探索のふたつのモードを備え、同行者が目の前で雪崩に巻き込まれた場合には、自分の機械を探索モードに切り替えることにより、即座に埋められている場所を特定、救助することができます。そしてこの救助までの時間の短さが、そのまま救命の確立の高さに直結します。


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講師が「レコ」と呼んでいたもの。電源がいらず、特定の電波を反射する性質があり、これを着けた服を着ていることでヘリからの探索ができるのだそうです。日本での普及はこれからとのこと

2007年2月18日

どばッ!

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土場と書いて「どば」と読みます。建設業や林業に縁のない人には「どば」といってもイメージしてもらえないかもしれませんが(「どば」とタイプして変換しても出てきません)、大量の材料や機械を保管したり、大きな現場で、製品や材料を加工する野外の作業場のことを、全体的にこのように呼んでいます。


 林業事業体では林業用機械やトラックを置いておくための土場も必要ですが、山から材木を出すようになると、材木を保管したり、その中から必要な太さのものをより分けたりする作業のためにも、平らな広い場所が必要になります。


 この土場がないために、そまびとクラブでは現場ごとに切り出した材木を置いておき、必要な寸面の材も、そこに積んである材木の山(これを「はいづみ」と呼んでいます)から選び出すという方法で対応していました。
 あちこちの山に選び残した材や、出荷待ちの材が置いたままの状態が続き、悩みの種だったのですが、設立4年目にしてようやく事務所から車で5分ほどの山の中に、約700坪の用地を借りることができました。


 ビジネスの世界では「在庫は極力持たない」ということが鉄則です。木も、山に立っている状態で「どこそこにどれだけあって、すぐに届けられます」という形が理想なのでしょうが、不ぞろいのものを選択することなく収穫するという方法をとっている以上、どうしてもある程度の在庫を持たざるを得ません。この土場は、そまびとが推し進めようとしている地域材の利用促進に、必ず役立ててみせます。

2007年2月17日

冬の終わり

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映画 The day after tomorrowは、決して誇張された表現ではないのかな、と標高1100mに暮らす者として強く感じています。


 内陸に位置し、標高が高いという特性を併せ持ったこの村は、厳冬期になると最低気温が氷点下20度を下回る日も珍しくなく、いつもなら都市部で暮らすのとは比べ物にならないほど春が待ち遠しいのですが、今年は寂しさを感じるほどに、冬があっけなく終わろうとしています。


 そうした冬の終わりを告げるもののひとつは、千曲川での釣解禁です。2月16日朝、犬の散歩に出てみると河川敷に何台もの他県ナンバーの車。そして川の中に立つたくさんの釣り人たち。「とうとう今年は、あの春を夢見る感覚なしにこの時期を迎えてしまったのだな」と橋の上でつぶやきました。


 日照の長さ。川面に立ち昇る蒸気霧。鳥たちのさえずり。自然にまみれた村の暮らしは、目に映るものや聞こえるものすべてから季節の変化が伝わり、それを感じる人の感覚を敏感にします。ですから、気候変動という言葉も、それは「言葉」ではなく、すでにかなりの人間の運命を巻き込んだ、取り返しのつかない段階まできている「状況」として感じられます。


 奥山の雪も少なく、数日前の雨(2月に雨?)でほとんどが融けてしまいました。おかげで山仕事は楽なのですが、この雪の少なさがもたらす夏の水不足を思うと、手放しで喜んでばかりもいられません。

 
 温暖化防止を語るとき、これまでは「ひとりひとりができることから始めよう」が合言葉でした。もちろん、まずその心構えが大切であることは変わらないのですが、行動している人たちは、ぜひとも次の段階に上がるべきではないかと最近よく考えます。それはたとえばこんなやり方でも良いかもしれません。


 まずこれからの自分の行動から、極力温暖化物質排出につながるものをなくす。ここまでは実施している人も少なくないでしょう。次に、自分の一日の行動すべてを、温暖化物質の排出量に換算してみる。それができたなら、今度は行動の中にマイナス排出量に結びつくような要素を積極的に取り入れてみる。


 夢物語のように聞こえるかもしれませんが、私たちひとりひとりが、もしもそれぞれの人生でこれまで排出してきた温暖化物質の総量を固定することができたら、大気中の温暖化物質の濃度は目に見える形で下がるはずです。

2007年2月16日

林業技能作業士(グリーンマイスター)認定書授与式

そまびと専従メンバーの今井が68日間に及ぶ研修を終え、昨日めでたく長野県林業技能作業士となりました。認定書の授与式は長野県林業士認定式といっしょに塩尻にある林業総合センターで行われ、今年は林業士、グリーンマイスターそれぞれ9名が林業の担い手や地域の林業振興のリーダーとしての一歩を歩み始めました。


 おかげさまで、そまびとクラブはこれで4名の専従職員全員が林業士か林業技能作業士の認定書を手にすることができました。設立5年目の、忘れがたいできごとです。


 グリーンマイスター研修は、基幹的な役割を担うことが期待される林業従事者を対象に、造林・伐木・林業機械・集材架線・作業道開設・森林病害虫など幅広い知識と技術を習得することを目的に、長野県では(財)長野県林業労働財団により毎年行われており、研修内容には、車両系建設機械、地山掘削、フォークリフト、はい作業主任者、小型移動式クレーン、玉がけの技能講習も含まれています。また第一線の研究者による森林生態の講義や、専門家による林政学の講座も受講します。


 この認定を受けたものは、県が発注する森林整備事業の現場代理人となることができます。つまり、認定者を雇用していることが、公共事業受注のひとつの条件ということであり、実際の研修内容にも、森林の公益的機能を守るためのさまざまな施業理論や手順が含まれています。


 私も今井も、そまびと設立の前には林業事業体で働いていました。おたがい9年間勤めていて、この労働財団が用意した優れた研修制度に参加させてもらえなかったということは、きっと私たち二人が「基幹的な役割を担うことを期待されていなかった」からなのでしょう。
 

 でも今はそうも言っていられません。全部で職員が4人しか居ないのですから、それぞれが「基幹」としての自覚をもって日々山へ通っています。場合によっては夜も基幹の自覚を持ち続けて、飲みすぎてしまうほどです。


 多くの専門知識と技能を身につけることができる研修の機会を、私は(そしてたぶん今井も)9年間夢にまで見ていました。この制度を「公共事業への参加資格者の頭数確保」などと考えている事業者はありませんが、参加させる者とそうでない者の色分けには、今の林業界が改善しなければならない様々な要素が関係しているように思います。


 事業体に対して研修者への日当助成は出ませんが、受講料はすべて免除されています。上記の技能講習を受けるだけも、かなりの金額がかかることを考えると、改めてその「使命」の重さを感じます。
 きっと、長野県じゅうのグリーンマイスターが、このように感じて日々山へ通っていることでしょう。

2007年2月13日

ジグザグ滑車を用いたハイリード方式集材の研修会

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 私たちが活動している東信地域は、もともと緩やかな傾斜の場所が多く、山から材木を出す業者はたいてい車両系集材と呼ばれる、トラクターなどで山に入り、直接材木を引き出してくる方法で生産を行っていますが、今回、そうしたトラクターなどが入ることのできない場所から、材木を運び出す方法の研修を、県が主催しました。

 午前中は、「急傾斜地に対応した信州型搬出法」と、そうした搬出方法に合わせて行われる「列条間伐」という間伐方法についての講義があり、午後は、地元の森林組合が実際に行っている信州型搬出法の現場で、作業の様子や架線の設置状況を見学させてもらいました。

 「日本の山は、育てる時期から伐って使う時期にシフトしつつある。だから今は育てていれば良いだけの林業から、林業本来の出して使うことに頭を切り替えなければいけない」というある参加者の言葉が印象に残っています。

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列条間伐とセットで行われている、ハイリード方式の搬出風景。真ん中の黄色い機械が、タワーヤーダと言う林業用の機械(高性能林業機械と呼ばれているものの一種)です。一千万円以上する高価な機械ですが、県が推奨する「認定事業体」としての条件を整えれば、そまびとクラブでも比較的安価に借りることができるようになります。

2007年2月12日

置賜森づくりフォーラム(2月10日)

山形県の置賜郡飯豊町(おきたまぐん いいでまち)で開催されたフォーラムに招かれ、「信州そまびとの森づくり」と題した講演をさせてもらいました。経験未熟な身で講演などとはおこがましいのですが、これも勉強の機会ということで、せっせと資料をまとめ、約1時間の発表を行いました。


 飯豊は炭生産が盛んな地域で、フォーラムに合わせて「炭品評会」も行われ、その品評会に続いて約100人の林業関係者や所有者、森林ボランティアの皆さんを対象にお話をさせてもらいました。午後からは、「森づくり部会」と「森を楽しむ部会」のふたつに分かれてのワークショップが行われ、プロ、アマ双方から活発な意見が出されていました。


 山形県では来年度から森林環境税が導入されるそうで、5億4,400万円(県民一人あたり千円)のお金が新たに森林整備のために用意されます。フォーラムが開催された山形県の置賜支庁管内だけで、11の森林ボランティアが活動をしており、事業者が行う山の手入れに加えて、こうした市民グループの活動にも、この税金が活かされる予定だそうです。

 ただでさえ事業量を確保するのに必死な森林組合などの事業体の皆さんに「ボランティアが自活できる民有林を紹介してあげてください」とお願いしてきました。


 とかく、プロは事業量や経済性のことが先にたち、どうしても新たな事業主体が生まれると「競合」ということを考えがちのようですが、私はそれは間違いだと思っています。と言うのは、今、日本の森と林業に必要なことは、ひとりでも多くの理解者を得ることであり、たとえば国産材振興ひとつとってみても、口べたな事業者に代わって、森林ボランティアの皆さんひとりひとりが声を大にしてくれことによる波及効果には計り知れないものがあると考えるからです。


 森林の公益性をとなえ、森林整備の原資を得ようとするのであれば、より積極的な市民への働きかけと理解は欠かせないものです。でも、今山で働いている人の、いったいどれだけがこうした活動を行っているでしょうか。だからこそ、より多様な主体が山に入り、プロはむしろそうした人々への支援を行うべきだと思うのです。


 だから今回の講演ではボランティアの皆さんにもお願いをしてきました、「たとえそこが伐採後に放置された山であっても、活動にあたってはいつも「そこから何かを生産できないか。何かをいただけないか」という視点を持ち続けてください」と。

2007年2月 9日

寒さに耐え忍ぶかたち

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また新しい現場(間伐)に踏み込みました。
 総面積が20haと手ごわいので、今日はとにかくGPS片手に作戦を考えに行きました。

 そのことについてはいずれ報告しますが、標高1600mあたりのところを歩いていて、石楠花(シャクナゲ)の群落に出会い、感動したので書いておきます。

 石楠花はご覧のように葉をしおれさせるようにして、厳寒の山を常緑のまま耐え忍びます。うしろに見える緑は、アセビの群落で、こちらも同じように葉をしおれさせていました。
 当然ですが、植物たちは歩くことができません。その代わり、季節の移り変わりに合わせて、体を変化させて生きているわけですが、この葉のまるまり具合を見ていたら、過酷な環境下で、人類などよりも遥か昔から様々な戦略で生き残ってきた植物たちが妙にいとおしく思えてきました。

 作業がはじまれば、木々の何割かは倒され、そして春を心待ちにしている石楠花たちの何パーセントかも、下敷きになる運命です。「そんなことをいちいち考えていては仕事にはならない」のですが…。やはり自分には向かない仕事だなとつくづく思ってみたりします。

2007年2月 6日

広葉樹の板

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昨年11月の愉快な山仕事講座同窓会のときに製材したホオノキとトチが、だいぶ乾きました。

素人の製材ゆえ、ほとんど割れが入ってしまいましたが、さて、何を作りましょうかね…。あれこれと考えているときが一番楽しみです。

2007年2月 3日

架線集材

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フォーリングブロックという方式でカラマツを山から集めているところです。オペレータは私

 木が(昔ほど)高く売れないということで、私たちの地域では、人工林の木を育てるために間伐を行っても、伐った木はそのまま林の中に放置することが多く(これを切り捨て間伐と言ったり、切り置き間伐と呼びます)、木がもっと大きく育って、それなりの値打ちが出るようになったら、山から出して売りましょうという作戦をとっています。

 そうは言っても、戦後の拡大造林期に植えられた木は、昔ならばすべて伐って売っていた大きさに育っているので、なるべくなら引き出して使いたい(このように間伐の時に山から出てくる材木を間伐材と呼びます)。長野県でもそうした間伐材をどんどん使おうじゃないか、ということで、いろいろなところでカラマツの間伐材が使われています。

 画像の現場は、日頃お世話になっている地元佐久市大沢財産区の山。ご覧のように、高く伸びているカラマツの下に、ヒノキが植えられています。ここのカラマツを間伐して引き出して売るために、架線集材という作業を行っています。


 NPOを運営している人たちは、よく活動の目的をミッションと呼んでいます。そして、そまびとクラブのミッションの最初に謳われているのが


 林業の当事者として、木材自給率を高めることの重要性を広く人々に知らしめ。


なので、とにかく自分たちも木を伐るだけでなく、出して売る当事者になることが設立後の最初の目標でした。そのためには機械を揃えなければなりませんが、はじめから高い林業機械を買うことはできません。そこで、手持ちの機械でできる方法として、今回はこのようなやり方を選びました。

 林業の世界では、材木を収穫することを素材生産と呼んでいます。細々とではありますが、素材生産業者として産声をあげたそまびとクラブの、昨年度の生産量は96.6立方m。今年度は12月末現在で、約71立方mです。ちなみに業界の人に言ったら、笑われちゃうような数字です。

2007年2月 2日

お道具紹介…通勤車両の巻

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町を歩いているとき、いろいろな職人さんが使うバンが止まっていると、つい中を覘いてしまう…。
そういう人は、仕事師病にかかっているのかもしれません。


 そまびとクラブ随一の働き者、マツダボンゴ4wdを紹介します。
 今回の画像は、横浜出張で満載の状態です。この車には後部座席用のヒーターが無いので、長距離移動の時に後ろに座る人たちがとても寒い思いをします。かと言って、ガンガン暖めると、今度は前の人が暑くて座っていられなくなる。上の写真に写っているグレーのダクトは、そんな悩みを解消するためのものです。前の座席用の吹き出し口にフタをしてあるので、前と後が丁度良い暖かさに保たれました。これで、日本一周だって大丈夫です。

 真ん中に見える木のフタは、悪路走行中にポケットの中の書類や小物が飛び出すのを防止します。もちろん自家製材の板ですよ。すべて、当法人理事長苦心の作! メンバーの健康と安全を思いやる気持ちに感謝です。

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後部座席から後方を見る。荷台の棚にチェンソーが5台見えます。

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棚の下はこんな状態。今回は旅の荷物に隠されて、山仕事の道具たちが見えません。

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ルーフキャリアには、山林用ハシゴ2本と、草刈機2台が載ってます。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

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要林産のホームページ somabito.jp をどんなものにしようか、現在思案中です。なにか良い案があったら、ぜひコメントに書き込んでください

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