各都道府県には、森や林業についての研究を行う専門機関があります。わが信州の場合は、塩尻市にある林業総合センター(略して林総)がその機関にあたります。
ここでは研究の他に、併設されている森林学習館で、一般の方対象のさまざまな講座や催しも企画されていて、森や植物に興味のある人なら、一日いてもあきないほどの展示を楽しむことができるようになっています。春から秋にかけては、万葉集に読まれている花めぐりも楽しめますよ。
昨日は、このセンターで行われた、県内の研究者や行政で組織されているグループが行う年に一度の発表会を聞いてきました。発表から得られる最新の情報が勉強になることはもちろんですが、行政関係者や日頃忙しくてなかなか行き会うことのできない研究者、そして地域で森づくりに励んでいるさまざまな人に、いちどに会うことができるというのも、こうした行事の良いところです。
今回のテーマは「自然災害に強い山づくりに向けて」ということで、以下のような講演と、五つの発表がありました。
基調講演「土砂災害に強い山づくりに向けて」
千曲川上流地域におけるカラマツ材の現状と今後の課題について
混交度合いの異なるカラマツ人工林における生物多様性について
松本市本郷地区山林火災・復旧状況について
防災情報通信のための長距離・大容量無線LANの研究開発
カラマツ林から針広混交林へ
どれも「そそられる内容」でしたが、最も期待した生物多様性については、植物の多様性に絞られた内容だったので、タイトルから勝手に期待した者としては「やっぱり「動物の多様性」に言及するのは難しいのかな?」という気持ちになりました。
それにしても、こういう良き発表を聞く機会の案内をいただけることに感慨にふけってしまいました。一事業体の技能職員(つまり4年前の私)であれば、こうした行事があることさえ知らなかったのです。
「あの頃案内が来ていれば、仕事を休んででも参加したのになぁ…。発表会場には以前の職場の人の姿さえ見えなかったなぁ…。自分たちの仕事と、災害の関係について、誰も興味が無いのかなぁ?」
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