森林のリスクマネジメント(=RM)を考える
森林に関わる人々を対象にしたリスクマネジメントを考える講座に参加してきました。
森林での作業には常にリスクが伴います、が、今回の講座がそういう観点ではないだろうということは、講演してくださった専修大学商学部の上田和勇教授(私は事前に上田先生と面識がありました)の専門から予想していたので、日々のNPO運営や経営的なことに役立つのだろうと考えていました。ところが、参加してみると大間違い! 志を持って組織を運営する者すべてにとって示唆に富む内容の、世直しそのものに役立つ必須の講演でした。
講演の印象に残ったところを要約すると、リスクコミュニケーション(=組織の利害関係者とのリスク情報の共有活動)という概念がとても重要な役割を持っており、それを組織内のすべての者が共有している組織は、いかに強い組織であるか。ということでした。
また先生は、「RMの基本を知っていると人生に役立つ。それは、人生そのものがリスクとチャンスの繰り返しだから。RMを考えることは、仕事のことを考えると同時に人生のことを考えることでもある」ともおっしゃっています。
約1時間の講演のあとに、林業従事者、所有者、行政、ボランティアなどの森林に関わる17名の参加者で行われたフリーディスカッションからは、立場の違いによる日本の森林の現状(=危機を含む)の捉え方の違いや、NPOならではの悩みと希望が伝わってきて、このような場がまだまだ足りないことを強く感じた次第です。
このディスカッションはまさに森に関わる人々によるリスクコミュニケーションそのものであり、こうしたことを通しての価値の共有こそが、日本の森を強いものにしてゆくような気がしてなりません。