学外ゼミのみなさんを案内
東京農業大学林学専攻学外演習ということで、森林政策学研究室のみなさんを案内しました。
調査研究の対象は、「中山間地域における地域資源の現状と農林が一体となった環境整備のあり方」ということで、川上村役場での聞き取りと、南佐久南部森林組合での聞き取り。林業者住宅、林業センター、川上村文化センターの見学などにお供しました。
ゼミでテキストとしてとりあげた地域経営と内発的発展(農文協)という本に、この村の高原野菜生産のことが取り上げられていることが視察のキッカケだそうです。
村人でありながら知らずにいた「おらほの村」のことを、たっぷりと聞かせてもらうことができ、この村の持つ人的なエネルギーの秘密について考えたり、役場の課長と森組の係長の口からこぼれた、村人のカラマツに対する感覚が、偶然にもまったく同じだったことなど、想像していたよりも中身の濃い、収穫のある一日でした。
農水省では、山村で起こっている野生動物と人の軋轢の問題を、農林一体で考えることで解決する道を模索している、という話もうかがい、案内と称していちばん勉強させてもらったのが、私自身でありました。
森林組合の会議室での聞き取り。真ん中は昭和59年(1984)製造のペレットストーブ
コメント
Posted by: 樹 [ 2006年12月29日 22:49 ]
「林学」という言葉をつい最近まで知らなかった私にとって、かなめさんのブログはとても勉強になります。
私も佐久に居ながら近所の山の事は何も知らないに等しくお恥ずかしい限りです。
ちょっとでも勉強しようと図書館に行っては木材や森の本を借りては読んでいますが、いやはやなかなか捗らず読みきらないうちに返却日が来る始末。。。しかも難しい。。。(^^;
やはり現場で生の情報を実感する事が一番でしょうか。
いつか私も自分の目で見て感じた事を情報発信したいなぁ。なんて思いました。 日々勉強ですね。
Posted by: かなめ [ 2006年12月30日 15:16 ]
>「林学」という言葉をつい最近まで知らなかった私にとって、
>かなめさんのブログはとても勉強になります。
などと書いていただくと、顔から火が出そうになってしまいます。
えらそうなことをいろいろと書いていますが、私こそ、12年前
までは林学の「り」の字も知らずに暮らしていました。
それまで私にとって森は単に「野生生物の棲みか」としての
重要さしかないような状態だったのです(もちろん今でもそれを
軽視しているわけではありませんが)。
そういう者にいきなりチェンソーを持たせて山に入れてしまう
という習慣ももちろん考え物ですが(この習慣の根幹は何
なんだろう?)、どしろうとが毎日カラマツと対峙していると
無数の「なぜ?」に攻め立てられるのです。
樹さんの求める問いに答えるかどうかはわかりませんが、
私がこれまで読んだ中で、必ず他の方にお勧めする本を
紹介しておきます。
まずは、このサイトの管理もとでもある全林協の
全国林業改良普及協会の森の書店を見ていただくと、
たくさんの手ごろな入門書を見つけることができます。
そして、分厚い本ですが、これ一冊で完璧という本が
藤森隆郎著「新たな森林管理」(全林協)です。
これ一冊を読んでおけば、たぶん林学科の1~2年生
といっしょに呑んでも(未成年は呑めないが)負けない
のではないでしょうか。
5月にこのブログに書かせていただいた起業までの道のり
でも触れましたが、 内山節著「森にかよう道」(新潮社)や
ジャック・ウェストビー著「森と人間の歴史」(築地書館)は、
若干古い情報ではありますが、前者が国内の
林業と森に関わる人々を俯瞰するのに役立ち、
後者は世界の状況を見るのにとてもわかり易い内容です。
内山節さんは、長野県内の人々には信濃毎日新聞の
息の長い連載でも親しみのある方です。
「森と人間の歴史」は、右も左もわからない私に、
ある行政の方が薦めてくださり、大変によい勉強になった本です。
以上、本の宣伝になりました。そしてカラマツの現場
に触れたいのであれば、そまびとが働く山に来ていただ
ければ、いつでも見学していただけます。
また、いつでも遊びに来てください。仕事の様子を見て感じた
ことを、樹さんの心と言葉で素直に発信していただく、
というのも新鮮で良いのではないでしょうか。
Posted by: 樹 [ 2007年1月 7日 00:08 ]
色々な本の御紹介ありがとうございました。
新年を迎え気持ちも新たに何かを始めてみようと言う事で、
手頃な所でブログを始めてみました。
実はブログなどと言うものは初めてでよく分からない事も多く試行錯誤連発必至ですが、とりあえず何もしないよりは得るものがある筈と思い試してみることにしました。
小学生の頃から「日記」が大の苦手でしたが、どうなる事やら。。。
請う御期待!?
Posted by: かなめ [ 2007年1月 9日 05:27 ]
樹さん
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
ブログを拝見しました。なんとチェンソーを「買ってしまった」のですね。こちら側の世界へようこそ(笑)。
森との関わりが深まるにつれ、いままで何気なく見過ごしていた身近にある「森」が、さまざまな発見の驚きをもたらしてくれます。それは、森から直接伝わるものもあれば、人との日常会話の中で突然おとずれる場合もあります。本によることもたくさんあります。そして、その森が「実はどこまでも広がっているのだ」ということを思い起こし、またビックリする。
そんな日本の森の背景に、地域との関わりや、これまでの日本社会の変遷などが見えてくると、もう大変。
樹さんの森日記、楽しみにしております。