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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

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シカ

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世間でやっかい者扱いをされている連中ですが、人里から遠く離れた山域で、下層が丸坊主にされてもいないこのあたりでは、どの程度の実害があるのかは一見しただけではわかりません。ただし、稜線の反対にある群馬県側の植林地では、かなりの量の苗木が、食外防止用のネットごと倒れているように見えます。それがシカによるものなのかどうかは、道から見ただけでは判りません。

 ここ一ヶ月通い続けている十石峠の間伐作業が、間もなく竣工になるので、昨日は少しだけゆっくりと山を降りてみました。現場は佐久穂町に設定されている774haの大日向(おおひなた)鳥獣保護区内にあるため、シカ天国といった感じで、通勤途中はサファリパークのバスに乗っているようです。

 この画像をご覧になって、どんなことを感じるでしょうか。保護区内ということもあるのでしょうが、撮影に望遠レンズは必要ありません。シカたちは日中、普通に林道に現れます。

 大昔に、ヨセミテ国立公園を旅していて、大型の鹿型哺乳類が悠然とたたずんでいる姿を見たとき、「日本にもこんな環境があったら良いのにな」と無邪気に思っていましたが、この狭い国土でそのような光景を実現させるには
…、やっぱり無理かな??

061208deer2.jpg

コメント

Posted by: 樹   [ 2006年12月 9日 23:27 ]

初めてコメントさせていただきます。
名前は樹とさせてください。(一応そまびと会員です)
鹿、熊等の野生生物の話題が絶えない昨今、様々な方々がそれぞれの立場で意見を交わされていますね。
人間を見てもなかなか逃げない鹿は、現代の人間がそれだけ山から離れて生活している事を物語っている様に感じます。
「人間に出会ったら捕まって食われる」という遺伝子が鹿の中から薄れてしまう程、人間は山から離れてしまっているのではないでしょうか。
生態系や自然環境にダメージを与えずにバランス良く山を活用する事ができ、それが産業として広く成り立つ事が出来ればいいのになぁ。と勝手に思った一枚の写真でした。

Posted by: かなめ   [ 2006年12月13日 20:16 ]

樹さま コメントをありがとうございます。

おっしゃるとおり「生態系や自然環境にダメージを与えずにバランスよく山を活用する」という視点がとても重要です。


ところでなぜ重要なのでしょう。


そういう議論や説明が、この国ではあまりにも乏しいように思われてなりません。そして、情報への反応やら、自活の使命感に乏しい人も少なくない林業の世界では、その人たちが働く場所が育んでいる野生生物のボリュームが国土の中で一番高いのに、上記のような議論は皆無に近い状態です。


いっしょに「動き」を造っていきませんか?

Posted by: こーりきー   [ 2006年12月20日 17:40 ]

>ところでなぜ重要なのでしょう。

変に知恵を持ってしまった
変なけもの=ヒト(もうすでに、けものでもないか)
がいるからでしょう・・・。
そのヒトが、まだこの世に存在し続けていけるんだとしたら
きっと
持続可能な・・自然環境の中で生きていくしかないからだと思います。
かなめさんのおっしゃる通り。。

我が町の・・山奥で暮らしていた「さんか衆」も、
生態系や自然環境にダメージを与えずにバランスよく山を活用し
絶えず持続可能と言うことを考えて暮らしていたと言うことです。
そう言う現場の声・・山を知っているものの声を
もう少し国が聞けば・・
一律の、
熊や鹿などの対策も
間違っていることに気づくのでしょう。

森のことは
山のことは
森や山に住む人間に聞いて欲しいものです。
学者ではなく・・
ねぇ

Posted by: かなめ   [ 2006年12月21日 07:32 ]

こーりきーさんのお話は、とても手短にコメントできるような内容ではなく、さりとて、このブログで何度も言葉を交わすという方法でも語りつくすことができないように思われます。
したがって、やはり「熱燗」でしょうか…。

「学者ではなく」ですか。
私は、環境倫理学や保全生物学の領域に一縷の望みをたくしています。だから学問や学者に期待している。
でも、おそらくそういう領域の人たちは、多様性を第一に考えているから、「一律の対策」という思想にはくみしないでしょう。
そしてもちろん、そこには、こーりきーさんのおっしゃる「森や山に住む人間に聞く」作業を、その土地土地で行うことの大切さが含まれているはずです。

「けもの」ではなくなった「ヒト」が、再びけものに戻ることは、何かよほどの事件でもおきない限りできないことでしょう。だからさんかが持っていたような知恵(というか思想ですかね)を、今のこの世に通じる方法で人々の心に及ぼすにはどうすれば良いのかを考えると、学者にも積極的に加わってもらわないと、事が前に進まないと思うのですが、いかがでしょうか。

Posted by: こーりきー   [ 2006年12月21日 17:11 ]

そうですねぇ。
やはりここは「熱燗」ですね(^^)

学者にももちろん加わっていただかなくっちゃ
というより・・それは当然なのですが、
どうも、国というのは
・・最近県はそうではなくなってきたように思っていますが・・
国は学者にものを言わせては正当化する癖があります。
ですので、
高い志に
現場ではいつくばる
そんな
学者さんなら大歓迎でーす。

うーーん
なんかちがうなぁ。

やっぱり熱燗ですね。。ハハ

・・実は
今年の熊撃ちの狩猟・・狩猟期間中0
という方向性は
私は間違っていると思っているのです。
現場を知っているものは
山に暮らしているものは
そう言う意見が多いのです。
DNAと
学習

一緒にして考えている気がするのですが・・・・
これも話せば長いなぁ。。


Posted by: かなめ   [ 2006年12月23日 12:55 ]

>どうも国というのは…

国という名前の人は居ないので、具体的には官僚を
さすのでしょうね(官僚という名前の人も居ませんが)。
でもって、私は国の機関の官僚に親しい人が居ないので、
この人たちのモチベーションがよくわからないのですが、
結果的には、学者にものを言わせて正当化する、と言われても
しかたない場面が多々あるように思います。

私の学者感は、海外の論文も含め、ある領域の情報を広く
知っていて、その人に聞けばひとこと、「ここまで確かめられている」
「ここまで語られている」「こう解釈されている」「ここから先は
まだ確かめられていない」ということがわかる人、というもの
です。これにプラス、こーりきーさんのおっしゃる「高い志に、現場で
はいつくばる人」という実績も重要ですね。

あっ、長々と本題に関係ない話をしてしまいました。

今、長野県では第二期特定鳥獣保護管理計画ツキノワグマ版の
会議が着々とすすめられているようですが、こういう場にこーりきー
さんのおっしゃるような現場や地域で長いあいだクマと直接
渡り合ってきた人の経験が、断片的ではなく活かされるような
仕組みが欠けているのではないでしょうか。
私の勝手な想像ですが、そこに「話がまとまりにくくなること」への
懸念が大きなウェイトをしめているとすると、問題へのかかわり方が
根本的に間違っていることになると思います。

私も、オブザーバーで入れてもらおうかな。ダメだろうな、学者じゃ
ないから。

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