ふるさとの森林づくり講座1(10月22日)
地域のみなさんに、林業関係者自らがその生業について紹介する催しを行いました。今回は画像優先で紹介します。手持ちデータの関係から、午前の森林体験と午後の条例説明、カラマツ家具、ペレットストーブのところは後日報告します。
応募者は佐久市と周辺市町村から約30名。キャンセル待ちの方まで出る盛況ぶり。昼食(きのこ汁)会場となった、いつもお世話になっている佐久市大沢地区の旧新田分教所にて、理事長の工藤孝市から、この地区とそまびとの関係などを紹介させていただきました。
大沢財産区議員の皆さんからも自己紹介をしていただくことができました。昨年の農林水産大臣賞経営部門の表彰を受けた大沢地区。木を利用する、という意味でも佐久市の宝と呼べる地域の皆さんの揃い踏みです。おそらく講座参加者は「地元に、こういう元気でガンコな地域があるのだ」ということを再発見したことでしょう。書類を持っているのが、今期の議長 阿部さんです。
午後の部では、山で切り出された木がどのようになってゆくのかを見学してもらいました。ご協力いただいたのは株式会社青木屋さんです。休業日であるにもかかわらず、なんとフルメンバー(画像右側)で出迎えてくれました。打合せでは、2~3人の人に出勤をお願いして、製材するところを見せていただけるということだったのですが…。予想外に工場がフル稼働しているところを見ることができ、おかげさまで中身の濃い見学となりました。
最初に、入荷した材木がトラックから降ろされる様子を見せていただきました。直系60cm以上もある丸太が、いとも簡単に降ろされる様子に、みなさん口をあけて驚いています。
私は、今回の講座で、この瞬間を最もイメージしていました。アッと言う間に丸太から柱が生まれてくる。何回見ても感動します(というのは私だけ??)
そして、青木屋さんが強調していたのはこの工程です。右の女性が木の上においているのは「含水率計」。そう、木材の含水率のコントロールこそが長野県が認証するカラマツ材のいのちなのです。認証システムにのるためには、きっと想像を絶する苦労をしたんだろうな。
以前も書いたとおり、今回の講座は「森の入り口に立っている」であろう、かなりの数のみなさんを対象に、「そうは言っても、なかなか森や林業のことに手軽に親しむ機会がない」という点をフォローすることを狙い開催しました。
作業現場の視察を終えバスに乗った皆さんの視線は、朝、現場へ向かっていたときのものとは明らかに違っていたように思います。何となく景色を眺めていた目が、森を凝視する目に変わっていた様子は、丁度自分が林業に就いて間もない頃の目つきの変わり方に共通するものがあり、そのことだけでも「効果があったな」と感じることができました。
長野県には貧乏NPOが志を達成するための各種制度が用意されており、今回はその中の通称「コモンズ支援金」というものに応募し、採択になりました。そのような資金面でのうしろだても大事ではありますが、それ以上に多様な皆さんの協力がなければ、この事業は絶対に実現しなかったでしょう。長野県佐久地方事務所環境森林チーム、株式会社青木屋、株式会社新津組、森世紀工房、有賀建具店、佐久市大沢財産区、竹糠日(たけぬかひ)植林組合、そしてきのこ汁を用意してくださった愉快な山仕事講座つながりの主婦のみなさんの協力。調達面でも、林業用品の山口商会をはじめ、多くの業者さんが便宜を図ってくれています。
帰宅する車の中で、そうした協力者の皆さんの顔をひとりひとり思い浮かべていたら、「NPOを設立していちばんやりたかったことが、これだったのだ」とあらためて気付き、ジワジワと感動がこみ上げるのを感じました。