地域産材の振興について思う
カラマツで作られた、小学校用の学習椅子
今日は、うちの子の小学校最後の運動会。秋雨前線の休んでいる間に、無事全種目を終了しましたが、最初におやじの目が向いたのは競技ではなく、子供たちが応援席に並べていた椅子でした。これぞ地域産カラマツの学習椅子。
これは、県が力を入れている県産材振興策のひとつなのです。土木材以外の用途がなかなか伸びないカラマツを、何とか学習机と椅子にできないかと奔走した市民グループがあり、その人たちの情熱に押されて、県が小学校でのカラマツ机と椅子の利用を後押しし、ずいぶんたくさんの学校が導入してくれるようになりました。
当初は、カラマツを使うことを目的とするのではなく、導入時には前出のグループが出前をして、その木の生い立ちや、その木を使うことの意味をちゃんと説明してから、子供たちと組み立てて使っていたのですが、世間というのは予算がついたり、補助金がついたりすると、どうしてもお金に翻弄されることが好きな大人たちが先行してしまうようで、近頃では粗製濫造ぎみの製品もあると、現場の先生がたは嘆いています。
山村起業も、所詮はそんな大人の常識にのっかる商売が横行することになるのでしょうか。自分たちのことも省みながら、ちょっぴり心配をしているところです。
コメント
Posted by: せんば [ 2006年9月17日 23:38 ]
まずはおとうさん、運動会おつかれさまです。
あの講座から、間伐材のことを中心に、
人として自然にどう向き合うべきか、
具体的に消費者として何をするかとか、
講座を受ける前よりも、考える・悩む時間が多くなりました。
本当に、ありがとうございます。
そこで、ちょうど今日、本屋で
ほかの地方で、間伐材を学習机にしている情報を見て、
これはいいね~と思って、
かなめさんにご報告しようとしたら、
先にやっていたんですね。さすがです。
(ちなみにそこでは、机の端に、ちょっとした、国産材である意味をシールにして貼っていました)
けれど、子供たち(または大人たちも)その木を使う目的を知らなかったり、
体験を伴ってなかったりしたまま、
助成金などばかりが大人たちに流れていると、
いったい誰のためにやっているのかわからなくなってしまうと思いますし、
”継続”した動きにもつながらなくなってしまうと思います。
私も、企業が真の”社会貢献”をしていくために、
”見た目だけの社会貢献”にはならないよう、負けじと提案していきたいと思います。
あと、もうひとつ、考えたのが、
カラマツでのツリーハウス(木に寄りかかるように空中に建てた小屋のようなもの)なんてどうでしょ?
大沢新田の分教所を拠点に、
子供たちがそこや森の中、村の民家などで体験型の環境教育を受けられるような、そんな村づくり。
ツリーハウスで材木の勉強を受け、
遊んだり、
分教所で、間伐材の紙を使って凧を作って外で遊ぶとか、・・・。
(子供の頃、箱根にいたときにそんな似たような体験をしたことが私の中でとても印象に残っているんです。)
と、夢ばかり言うのは簡単ですよね。
それをどう実現していくかが1番難しいんですよね。
それでもできる限りチカラになりたいと思っています。
次行ったときに、違う季節で衣替えした分教所の姿を見たいですから。
Posted by: かなめ [ 2006年9月18日 06:23 ]
せんばさん。講座をきっかけに、間伐材への関心を深められたとのこと、山の木々と全国の林業関係者に成り代わり御礼申し上げます。そして早速ご自身のブログでも紹介してくださり、ありがとうございます。間伐紙の利用、どんどん進めてくださいね。
こうして、森について考えたり、行動しようとする人がひとりでも増えてくれることが、私たちの活動の張り合いであり、最大の目標でもありますから、本当に嬉しいことです。
企業の社会貢献についてもふれておいでですね。人間ひとりひとり、いろいろな人がいるのと同じように、企業の考え方も多様です。その活動についても評価の分かれるところではあるでしょうが、私はこういう世の中になってゆくこと全体を、もっと「いい子いい子」してあげてもよいように思うのです。
みんなが大切にすることによって、根幹にあるべき思想が自ずと見えてくる。価値観の修正も夢ではないのではないかと、本気で考えています。
偶然にもせんばさんの書いてくださった「ツリーハウス」のような光景を目にしましたのでお伝えしておきます。それは森林技術という業界誌の表紙の画で、ハウスとは関係ありませんが、なんとなく子供たちと木の関わりが嬉しい光景です。こんなことが、あの分教所のある大沢の森でもできたら楽しいなと思いました。