支障木伐採
山村では、建物の障害になる木で悩んでいる人が少なくありません。今日は、そういうお客さんのところで仕事をしてきました。伐採後は日当たりが良くなり、きっと洗濯ものの乾きも良くなることでしょう。木や、そこに暮らす生き物たちには気の毒でしたが、このお宅では薪ボイラーを利用しているということですので、倒したあとの木は、有効に利用してもらえることでしょう。
今日おじゃましたお宅は、既設の家に引っ越してきたケースで、これから定住する方でしたが、都市で生活しながら、木とともにある暮らしにあこがれる人たちは、別荘を購入したときに、庭にある若い木々の成長に思いをはせていたのに、いつの間にかその木が建物の脅威になってしまっていた、という問題にぶつかることが多いようです。
「強い風の晩は、庭の木が倒れるのではないかと眠れない」という極端なケースもありますが、落ち葉が屋根のサビなどの痛みを早めたり、枯れ枝が屋根を壊すなど、よく覚悟しておかないと木とのつきあいは思いがけないリスクを伴うことになります。
「木はゆっくりと大きくなる」というのは事実ですが、実は10年や20年なんてアッと言う間のことなのです。山暮らしや、別荘の新築を予定している方は、お気をつけください。そして、もしも「もう困っているよ」ということでしたら、信州そまびとクラブをご用命ください。
コメント
Posted by: こーりきー [ 2006年8月18日 11:06 ]
>「木はゆっくりと大きくなる」というのは事実ですが、実は10年や20年なんてアッと言う間のことなのです。
ですよね・・
黒姫のちひろの山荘は
ちひろが黒姫に住みながら大好きな野尻湖を見ながら絵を描くために、基礎を高くしてまで造ったのですが
たったの5年で樹が一斉に大きくなり
今度は二階に建て増しして
そこから絵を描いたそうです。
うちも
大きくなったカラマツの
ヤニで
屋根の雪が落ちにくくなってしまうので
困っております・・・ハハ
Posted by: かなめ [ 2006年8月18日 21:20 ]
こーりきー様。そうですか、ちひろさんは、きっと木を伐ってしまうなどという結論には達しなかったのでしょうね。そうした優しさは、必ず木にも伝わっているはずです。
今の商売について間もない頃、木を伐るという行為に、いろいろな不快感が伴い、考えてばかりいました。それが12年経ってみると、なんだかまるで生まれた時から木を伐っていたような顔をして仕事をしている自分が居ます。
保育園に、モーリーさんという木と、森の動物たちの物語を描いた紙芝居があります。年をとり、人間たちに伐られてしまうモーリーさんと、それを悲しむモーリーさんをよりどころにしていた動物たち。でもモーリーさんは最後の晩に、動物たちに、自分は伐られても次の人生が待っていることを動物たちに伝えます。
この物語を読みながら、いちばん慰められるのは、未だに読んでいる私でございます(笑)。
こーりきーさんのコメントを読んで、今一度原点を見つめなければいけないと思いました。ありがとうございます。
Posted by: こーりきー [ 2006年8月19日 12:26 ]
ハハ・・
まずいですね。このブログは木を伐っている人の方が多いんですよね。
でも
もちろんそんな意味では書いていません。
間伐は必要ですし(今の日本で一番大事かも)
枝打ちも必要
私も庭の木も伐ります。
時によっては皆伐も・・・とまでは思えませんが(^^)
伐った木を活かして上げることはもっと必要と思ってますし、木は決して伐ったから死ぬものだとも思っていません。
材も生きていますよね(^^)
ただ・・
私がいつも木の側に立っていたいという気持ちは、そま小屋の仲間とも一緒で、その男は実は本職は木こりです。
ハハハ・・
ですので
きっとかなめさんと私の思いは一緒。
そう思っています。
これからも切り口は違うでしょうが
よろしくお願いいたします。
Posted by: かなめ [ 2006年8月20日 15:58 ]
こちらこそ、これからもいろいろとよろしくお願いいたします。
「切り口は違う」とおっしゃいますが、こーりきーさんのwebを拝見している限り、さほど遠く離れてはいないと勝手に感じています。
当ブログのテーマとは少し離れますが、9月1~3日はNacs-J(日本自然保護協会)の指導員研修会にスタッフ参加します。
今の日本の山、中でも林業には、もっともっと応援団が必要なのだと思っています。そのためには、森の近くに居る自然愛好家の皆さんが、この生業に注目し監視してくれることも大事なことだと考えています。
木を倒すという行為は、その木だけでなく、そこにある宇宙すべてに引導を渡すことです。だから自分も含めて、木を倒す時の抵抗感については、これからもずっと悩み、苦しみ続けてゆかなければならいことだと覚悟しています。