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そまびとたちの奮闘記

NPO法人信州そまびとクラブ。
山仕事をしながら、
林業のこれからの姿を提起します。

2006年8月27日

地元高校の演習林実習

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環境緑地科という性質上、例年、林業関係に進む人もいます。画像は、最後にチェンソーでの玉切りを体験しているところ。


 もたもたしているうちに、もう二日も前のことになってしまいました。
県立臼田高等学校環境緑地科の一部の生徒さんとは、日頃から臼高自然塾という行事を通じておつきあいをさせてもらっています。
 今回は3年生全員を対象に、これからの林業と題してのお話しを聞いてもらい、木の安全な倒し方などのデモを見てもらいました。来週は、2年生を対象にした実習が行われます。


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伐倒作業を見学してもらっています

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伐痕(切り株)を見ながら、方向の制御とツルの働きを説明中

2006年8月25日

シカによるカラマツ食害

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 ご近所のページで、人工林でのクマはぎの被害が紹介されています。手間をかけて育てた木が、一日でダメになってしまうのですから、これは見過ごすことのできない深刻な被害です。足場の悪い場所で、対策をとらなければならない皆さんの苦労も、危険を伴う大変なものでしょう。

 一方、私たちの地域ではご覧のような被害が発生しています。シカはよく、マユミ、リョウブなどの直接生産に関わりのない木の皮を剥ぐのですが、今年の夏、12年暮らしていて始めてこのような食痕を目にしました。そしてここで最も深刻なことは、この被害のことが騒ぎになっていないことだと私は思うのです。
 このような「激しい」食痕を見ても、地元の皆さんは「あ~あ、困ったもんだ。こんなに食っちゃって」程度の反応で終わることが多いのです! 
 山村の多くは第一次産業とともに歩んできた歴史を蓄えています。そういうところで、山林の所有者にもういちど「木の生産者」であることを自覚してもらうために、私たち起業者はせっせと今日も木の売り先を開拓しなければなりません。


 ところで、この季節、天然生林や皆伐地のある地域に暮らすシカにとって、食べ物は豊富であると考えるのが普通ですよね。そこであえてカラマツの形成層を食べるということには、それなりの理由があるのでしょうか。

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ものさしを持っていなかったので、代わりにCDのパッケージをあててみました。歯の跡がおわかりいただけますでしょうか。

2006年8月22日

DIY情報誌の取材

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 ユーザーに木を売り込む。所謂「山側」と呼ばれる我々がやってあたりまえなのに、なぜか多くの当事者がやっていないことではないでしょうか。
 今日は、そんな私たちの顔を消費者に紹介してくれる強~い見方ドゥーパ!というDIYの情報月刊誌の方が、東京からはるばる取材に来てくれました。

 私たちの地域ならではの木であるカラマツのことを、世間にもっと知ってもらい、ひとりでも多くのファンが生まれてくれることを願って、村の中のカラマツゆかりの場所をあちこち案内しました。

 昨日の製材所のことも含めて、10月にドゥーパ!EXという本になって紹介されることになっています。


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取材中のおふたりをパチリ! 盗撮させてもらいました

2006年8月21日

製材所

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 村に2軒ある製材所のひとつ、海上木材(かいじょうもくざい)さんを紹介します。今日は、明日の雑誌取材のお願いに行ってきました。

 海上さんには、いつも地域材の需要動向を教えてもらっています。私たちのような生産者にとっては、最も重要な情報を持っている、大切な先生です。
 事情を説明すると、「明日は息子の野球の試合に出かける」ということで、親切にカラマツを選んで製材の実演までしてくれました。画像は1.5mの材を矢板用に挽いているところです。
 
 製材機は「帯ノコ」という鋸が固定されていて、その横を、このようにレールの上に載った台車が行ったり来たりする構造になっています。

 地域の材だけで頑張っている海上さんに、ひとこと言われました。「PRをよろしくたのむよ!」

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2006年8月20日

セミナー「森が僕らを暖める」

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体験活動の前に、木の安全な倒し方について枯木で実演しました

 県内在住の親子を対象としたセミナーで、お話しと、伐採体験のお手伝いをしてきました。

 この事業は、CO2排出削減を目標にした環境省の助成事業で、長野県のNPO法人CO2バンク推進機構が全4回で開催するものに、「温暖化と森のお話し」をするきこりのおじさんとして、そまびとに依頼が来たものです。

 このあと、参加者たちは木をペレットにするところまで体験し、最終回ではペレットオーブンで料理をして、森のエネルギーから生まれた味を楽しむことになっています。

 近頃の助成事業というのは手がこんでいます。「内容をマスメディアで流す」というのが条件になっているそうで、信越放送(SBC)という地元局のカメラとラジオ担当者が、ずっと取材していました。テレビは11月4日放送とのことでした。


 パワーポイントを使っての説明。参加してくれた子供たちは、わかってくれたかな~??

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ほーら、こうやってたおしたい方にむけて、おくちの形に切るんだよ

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参加者が収穫した木を前にして、作業の感想をインタビューしているところ

2006年8月19日

下草刈りの検査

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 そまびとがヒノキを植えた個人所有の山で、下草刈作業への造林補助金申請のための検査に立ち会ってきました。先月草を刈ったのに、ご覧のように、もう青々とした山になっています。
 この現場は複層林といって、すでに大きく育っているカラマツの下に、ヒノキを植えたところです。
 矢印が、昨年植えたヒノキの苗です。こんなスピードで周囲の草や広葉樹が伸びてしまうのですから、従来の方法での造林には大変な人出がかかります。そしてこの現場での草との戦いは、夏がくるたびに、少なくともまだ5~6年は続くことでしょう。

2006年8月17日

支障木伐採

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 山村では、建物の障害になる木で悩んでいる人が少なくありません。今日は、そういうお客さんのところで仕事をしてきました。伐採後は日当たりが良くなり、きっと洗濯ものの乾きも良くなることでしょう。木や、そこに暮らす生き物たちには気の毒でしたが、このお宅では薪ボイラーを利用しているということですので、倒したあとの木は、有効に利用してもらえることでしょう。

 今日おじゃましたお宅は、既設の家に引っ越してきたケースで、これから定住する方でしたが、都市で生活しながら、木とともにある暮らしにあこがれる人たちは、別荘を購入したときに、庭にある若い木々の成長に思いをはせていたのに、いつの間にかその木が建物の脅威になってしまっていた、という問題にぶつかることが多いようです。

 「強い風の晩は、庭の木が倒れるのではないかと眠れない」という極端なケースもありますが、落ち葉が屋根のサビなどの痛みを早めたり、枯れ枝が屋根を壊すなど、よく覚悟しておかないと木とのつきあいは思いがけないリスクを伴うことになります。

 「木はゆっくりと大きくなる」というのは事実ですが、実は10年や20年なんてアッと言う間のことなのです。山暮らしや、別荘の新築を予定している方は、お気をつけください。そして、もしも「もう困っているよ」ということでしたら、信州そまびとクラブをご用命ください。

2006年8月16日

魚のつかみ獲り大会

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♪ 夏が過ぎ 風あざみ
 誰のあこがれに さまよう

 近頃は、子供だけで川では遊んではいけない、という決まりがあるそうです。そんな気の毒な子供たちのお楽しみ会ということで、地域の公民館と小学校PTAの合同での、魚つかみ獲り大会が行われました。

 PTA役員ということで、前日に準備作業をしなければならなかったのですが、魚なんぞにまったく興味の無い私は、川に入るまでは「こんな、どうでもよいことのために時間を浪費したくない」と憂鬱でしかたありませんでした。

 ところが、ひとたびズボンの裾をまくって川に入ったとたん、少年時代が蘇りました。もしも、もう何十年も川に入っていない、という方がいましたら、川に入ることをお奨めしますよ。私たちの遺伝子の中に、川とのおつきあいが書き込まれていることに気づくでしょう。

 小さい子も、大きい子も、効率的につかみ獲りを楽しんでもらうためには、上手な川の瀬切り方があるようなのですが、こちらはそんな作法をぜんぜん知りませんので、他の役員さんにすべて判断してもらいました。魚の手配も、公民館長さんに完全におまかせで、情けない限りです。

 こういう行事でもないと、なかなか他の親たちと親しくなる機会が無いのがIターン者の辛いところでありますが、今回は川のノウハウに目覚めるのが遅すぎました。「こんなにも心おどるもの」とわかっていたら、最初からもっと真剣に取り組んでいたのに…。あぁ、もう夏は終わってしまう。

 魚を捕まえられない小さい子供には、どういうふうにして楽しんでもらうのか。魚を放す時期は十分に打合せができているか。魚を追い込みやすい瀬切り方は、どういう形なのか。地形は適切か等々。どんな遊びにも設計があることを、よーく勉強させてもらいました。

 ともあれ、この日川に入った子供たちは、日本最長の大河「千曲川の最上流」での川遊びという、貴重な原体験を持ち帰ってくれたわけです。いや、そんな理屈をグダグダ語るつもりはありません、とにかく楽しかった。 田舎の川に感謝!

2006年8月 9日

林業労働財団の説明会に参加

 緑の雇用担い手対策事業と、認定事業体についての説明会に参加してきました。こうした助成制度や融資制度の情報を得ることも、起業を有利に進められるかどうかの重要なツールです。林業に限らず、近頃では地域振興を目的にした様々な支援があるようですから、面倒がらずに有効活用することが、結果的には持続可能な社会の創造へとつながることになると思います。


 長野県には、林業に従事しようとする人、あるいは従事している人の支援を目的にした「長野県林業労働財団」という機関があります(他県でも支援センターなどの名前で同様の組織があるようです)。信州そまびとクラブも、いっぱしの林業事業体として日頃からいろいろとこの財団のお世話になっていて、今回も説明会の通知をもらって、出かけてゆきました。


 緑の雇用担い手対策事業は、林野庁が行う新規就労者に対するバックアップ事業で、そまびとでも、平成16年度にこの事業の前身である「緑の雇用担い手育成対策事業」で、2名の研修を完了しています。
 今回は、一年目の研修修了者を対象に「技術高度化研修」という制度が用意されているということで、早速来年度の申し込みを検討することにしました。


 また、認定事業体になると、様々な支援を受けることができるということで、説明を聞いた後、早速地方事務所に立ち寄り、申請ための書類をもらってきました。

2006年8月 6日

キクイムシ調査

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 カシノナガキクイムシという昆虫がいます。長野県では、北の地方で、この虫の入ったナラが枯れるという現象が起こっているそうで、長野県内での虫の広がりをいち早く捕らえるために、被害地から遠く離れた川上村でも、この虫を探す作業が始まりました。

 夕方撮影したので、暗くてわかりにくいかもしれませんが、この中にセットされている誘引物質に呼び寄せられて飛んできたカシノナガキクイムシが、黒い三角に見える部分にぶつかり、下の白い容器に落ちる、という仕組みです。集まった標本は、一週間に一度採集し、県の林業研究機関にクール便で送ります。

 川上村には、ミズナラの巨木が密集している場所があり、去年に続いて2回めの調査がはじまりました。近頃では地元の山に入る機会が減っていますが、「こんな条件の場所はありませんかね?」と問われて、地元との調整も含めいろいろとコーディネートできるのは、やはり森林組合で働いていた者の強みかもしれません。

 施業で直接おつきあいの生じる行政担当者だけでなく、研究機関の皆さんと情報交換を行うことのできる機会は、山村企業にとり大切なことのように思うのです。誤解を恐れずに理由を述べれば、情報というものは、決して媒体を選ばずにバラ撒くことのできるものばかりではなく、お互いが目と目を合わせて、なおかつ現場でなければ出てこないような話題も有り得るのではないかと感じるからです。

2006年8月 4日

板バネ破損

 山では、町で起こりえないことが起こります。そまびと唯一の公用車のサスペンションが、日々の林道通勤に耐え切れず、ついに折れてしまいました。

 修理代は約3万円。ところが、修理に出してみると、反対側の板バネにもヒビが見つかりました。部品を取り寄せてもらい、もう一度入院です。

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 矢印のところが、折れて、どこかへ行ってしまいました

           ↓↓↓↓↓

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 修理後。 グレーっぽく見えるのが、新しいバネ

2006年8月 3日

草まみれの日々

 真夏の下草刈作業は、朝5時スタートです。新たに木を植えた現場は、日差しを遮るものがない場合が多く、炎天下での作業は能率が低下します。これを避けることができるうえに、朝露があるうちは、草がパリッとしていてとても刈りやすく、何といっても、夏の作業の最大の敵である、ハチの動きが鈍いうちに作業ができるのです。

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 これは、背負い式の草刈機です。斜面の角度がおわかりいただけますか?


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 今年春に植えられたカラマツの苗木。足の出演は私です。

 林業には、林業カレンダーと呼ばれているものがあります。それによれば、7月から8月のお盆前は、新たに木を植えた場所で、苗が周囲の草に負けてしまわないように、下草刈りを行うことになっています。

 しかし、木を伐って、出して、また植える、というサイクルがストップしてしまっている昨今、新たに木を植えている場所はほんのわずかになっていて、そまびとが請負う下草刈作業も、年間数ha程度です。

 8月になると、日当たりの良い斜面では、イタドリやウド、タケニグサなどが人の背丈ほどにも伸びて、苗木をスッポリと覆ってしまいます。急傾斜地で、動力式の草刈機を下げて、この隠れた苗を切ってしまわないように、斜面の草をすべて刈ってゆく作業は、ちょっとした熟練を必要とします。


 草だらけの山の斜面全面を刈り歩くわけですから、地中のハチの巣を踏んだり、草に下がっている巣を切り落とすと、一斉攻撃を受けることになります。
 
 ハチ刺されはバカにすることができません。体質によっては、ハチ毒によるショック症状を起こす人もおり、毎年、何件かの死亡事故が発生しているそうです。

 ハチの巣の多い現場では、アシナガバチ、スズメバチ、クロスズメバチなどに、一日に2~3回刺されることもあり、そまびとクラブでは、草刈シーズンが終わると、かならずメンバーの抗体検査を実施するようにしています。

 エキストラクターという携帯の毒吸引機。抗ヒスタミン剤。毒を洗い流すための水。の3点セットは必ず携行します。そして、刺されたときに気分が悪くなった等のショック症状の可能性のある者は、検査の際に医師に相談し、症状をやわらげるための自動注射式の薬品(商品名:エピペン)も携行することにしています。

 暑がりで、大汗かきの私にとっては、夏が一年のうちで最も恐ろしい季節です。

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そまびとたちの奮闘記 「そまびと」とは「きこり」のこと。現代のそまびと=技能職員たちが起業し、模索しはじめました。

お知らせ

要林産のホームページ somabito.jp をどんなものにしようか、現在思案中です。なにか良い案があったら、ぜひコメントに書き込んでください

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