鹿ネットを張って、新植施行
私が、山仕事を始めた10年ほど前は、
春になると、十数haもスギやヒノキを植えたものです。
でも、5年くらい前から、
新植はぐっと減ってきました。
それまで、植えてきた人工林が
間伐や伐採期に入ってきた事や、
国や自治体の政策で、新植よりも、
今ある人工林の管理を進める政策の移行した事
長期に及ぶ木材価格の低迷で、
林家の意欲が減ってきた事と、
林業従事者が、減った事などの理由が挙げられます。
それら状況にさらに、追い打ちを掛けているのが、
獣害です。
新食しても、シカがすぐ苗木を食べてしまうのです。
その対策に、このように、新植現場に、ぐるりとネットを
張り巡らせて、鹿の獣害から守るのです。
しかし、これが、とてもめんどうな作業です。
しかも、雪の多い山村では、一冬で、ネットが破れたり、
支柱が折れたりしてしまいます。
いくら、ぐるりとネットを張っても、
一カ所でも、鹿が入るところが出来たら、
もうおしまい。労多く、成果のすくない施行です。
でも、こうしないと、
数日で、苗木は、全滅です。
ネット以外に、苗木の一本一本に
チューブやネットを被せたりもします。
しかし、1haあたり2500本の苗木全てに
そのような費用は、かけられません。
経費的に一番かからないのが、
このネット張りです。といっても、
安いものでは、ありません。
山で、木を育てるという事が、
実に、困難な時代になりました。