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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2010年11月27日

視察へ行って来ました。

 今週、金・土と愛媛県の久万高原町にある
『久万林業活性化センター』へ行って参りました。
初めての視察。しかも搬出現場を見せて頂ける。
ドキドキ・ワクワク満載でしまなみ海道を渡りました。

その名も『久万林業活性化プロジェクト』
日吉町森林組合で学ばれ、日吉モデルを参考にし
久万高原町独自の林業振興策を取りまとめられたそうです。
興味深いのは施業体制。
『活性化センター』におられるプランナー(7名)が
施業地の集約化、森林調査、プラン書作成を行い
認定事業体(27事業体)に対し指名競争入札を行い
発注するというシステム。
22年度には約600ha 発注に出されたそうです。
今年度の目標素材生産量が30,000㎥!
ちょっと数字の大きさばかり目がやられてしまします。


実際に現在進行中の現場を見せて頂きました。
ハーベスター、一台・グラップル、一台
フォワーダー、二台
計4名で動かされていました。 
重機の振り向き、一動作までを省略された
無駄のない段取り。
多い時には12㎥/人以上出されるそうです。

驚くのは路網密度。
約25ha の施業地に作業道が250m〜300m/ha
まさに編み目の如く張り巡らされていました。
それも結構な急傾斜。
さらに驚くは作業道経費
¥1000/m を切っているそうです!!
確かに上置きナシの荒堀のみですが
¥1000切るだなんて・・・
『う〜ん・・・すごい。』
思わずウナッてしまいます。
ただ、一つ気になる点が。
思いきってフォワーダーを運転していた方に聞いてみた。

 『・・・雨の日・・・コノ坂上がります?』

 『上がらないよ、全く(笑)
  雨の日は仕事しない。雨の次の日も
  フォワーダーを使用しない仕事をするな。』

そうかぁ。そうよね。
それも、一案。
だとすると、主線だけは上置きアリにして
(勿論コストは上がりますが)
ダンプ入れる道にする・・・もアリ?
森林所有者の方がご自分の軽トラでも
近くまで入れたらもっと良いよね。
それも、一案。
もし自分なら・・・色々考えるんだけど
まだまだ引き出しが足りない。詰まってない。


 久万高原町を移動していると
何台も何台も材を積んだトラックとすれ違いました。
意識しているから見えるだけかもしれませんが・・・

 『確実に材が動いている。』

二日間を通し、強く感じました。


         by、ナカシマ アヤ

2010年11月25日

三度目のガイダンス

 先週末、大阪で開かれた
林業就業支援ガイダンスに参加しました。
気付けば毎年の定着行事となっているなぁ(笑)
お声をかけて頂けるのは有り難い事です。

『広告費』の削減の為か来場者数は前回に比べ激減(涙)
イベントゴトは宣伝してナンボよねぇ〜と痛感しました。
『研修生の声ブース』で来場者の方に対応。
各県事業体の方々、イベントスタッフの方々を含め
二日間、本当に沢山の方々とお話させて頂いた。
な〜んか、少し引っかかるトコがあった。

 『林業も機械化が進み、女性でも就く事の可能な仕事です。』

本当に良く耳にするキャッチフレーズ。
今まで全く気にならなかったし、その通り!とも思っていました。
でも、実際三年間やってきて今その言葉に少し疑問を感じる。
全国の現場で女性オペレーターが活躍されているのは事実です。
実際ワタシも今年度はグラップルを使用してのお仕事。
ただ、女性だからグラップルに乗っているのではない。
搬出班にいるからグラップルに乗っている。

 『女性=機械のオペレーター』

と決めつけるはドウなのかなぁ?
チェーンソー、一本で現場で活躍されている女性の方も
おられると思う。
結局は、その人個人の持つ特性の問題ではないのかなぁ?
チェーンソー作業が苦手な男性も居れば
機械作業が苦手な女性も居るに違いない。
林業が続くか続かないかは、男も女も関係ない。
健全な山を後世に残してゆきたいと思うのは、男も女も関係ない。
ただその人、個人の志し次第。
どの職種でも同じ事ではないでしょうか?


女性に対して『オペレーター』だけをウリにしているようじゃぁ、
・・・まだまだね(笑)


        by、ナカシマ アヤ

2010年11月18日

森林ツアー

 年に一度の大イベント、森林ツアーが行われました。
職業訓練校で建築の事を学ばれている学生さんが
普段使用されている木材の流れを実際に体験する一日です。

 まずは、山で木を切る!

一人、一本ずつ。伐倒・造材を行います。
全くチェーンソーを使用した事の無い生徒達。
かかり木になる可能性が高いので、
あらかじめロープを準備し、皆で協力して伐倒。
毎年、この日をお手伝いさせて頂いているので
今年で三度目。
毎回、初めてチェーンソーを握った日を思い出す(笑)
皆のようにエンジンをフカす事は出来なかった・・・
コワいばっかしで。
女性の方も三名おられましたが、しっかりこなされました。
普段刃物を使用されているのもあってか、皆勘が良い!
そして団結力が素晴らしい!!
スムーズに作業が進みました。
人力で山から作業道まで運び出し、ダンプへ載せます。

CIMG1508.jpg
 昼食後、社長のお話☆

『どうして間伐が必要なの?』
『毎日伐倒していて木はなくならないの?』
『花粉症はスギのせい?』
色んな質問が飛び交います。
恐らく、人生で一番『林業』を身近に感じている瞬間。
沢山の『なぜ?』が嬉しかった。

 材を積んで、製材所へ移動♪

湯戸産業さんへ。
安田林業で伐られた注文材はここで製品になります。
『やぁ、来たね。』
皆様、笑顔で迎えて下さいます。
先程伐ったばかりの3m材を角材にひいてもらいます。
何度見ても面白い。
会社を始めた当初から使用されているという
製材機で、社長自ら実演。
『え〜!!あれ、さっきウチラが伐った木?』
ホンの数時間前まで山に立っていた木が
目の前にある角材だなんて。
ワタシもちょっと信じられない(笑)


この日に製品となった角材、 
乾燥後、来年彼らの後輩となる生徒達が使用します。
(つまり彼らの使用した角材は昨年度の方が伐倒した材)
素敵な循環ですね。


『教える』側ですが、
生徒の方と同じ・・・いや、それ以上に勉強となる一日。
運搬に関わる方、製材に関わる方、そして製品として
もう一度命を吹き込んでくれる方。
山から出た後も長く生き続ける製品となりますように。
そう思われる材を出さなくては。

 とても充実した一日でした。


       by、ナカシマ アヤ


 

2010年11月16日

まだまだ視察話し

 視察強化月間、いよいよ大詰めを迎えております。
未だマイクの使い方があやしいワタシですが、
なんとか血を見る事なく(・・・どんな視察?)
無事こなしてきております。

実は先日、ナカシマ班が担当する搬出間伐現場を
ご案内する・・・という展開の一日がありました。

 『自分で入っている施業地を案内するんだから
  話したいことがスラスラ出てくるよ。』

と、社長はおっしゃっていましたが
自分達が任されている現場だからこそ、逃げ場がない(笑)
施業プランを立てるにあたって・・・から始まり
今年取り組んで来た事をなんとか一話しに纏めものの
当日、緊張の余りお腹が痛くなり
何を、どう話したのかよく覚えていない(苦笑)
・・・ダメだ、こりゃ。
石原安田山林のように、
搬出間伐について見に来られたならば、
一軒屋のココ!と、視察コースの定番になれればいいなぁ。
よしっ!!


 で、本日はお隣・山口県からのお客様。
石原安田山林をご案内させて頂きました。
あーだ、こーだ、繰り広げられた話しはさておき
印象的だったのは、相手様から頂いたお礼の言葉。

 『経営規模も山林の形態も全く異なりますが、
  自分の山に置き換え、何か少しでもヒントを
  得たような思いです。』

実はこれ、予々社長もおっしゃっていますが 
一番大切な事ではないでしょうか。

 『ここは山がぬくい(緩い)から、道が入るんだ。』
 『ここは土質が良いからスギがこんなに育つんだ。』

よく、耳にします。それを言っちゃあ〜・・・ね?
一つとして同じ形態の山はないハズ。
そっくり全部ご自分の山へ置き換えるのは不可能でしょう。
ただ、その中でどこか真似出来る箇所はないか?
施業方法だけでなく、志しや行動も含めて。

 『出来ない言い訳を考えるより、出来る可能性を探ろう。』

言うは易し、行うは難し・・・です。
が、ワタシがどこか視察へ行かせて頂く際には
必ずそのことを強く意識しておきたい。


 さぁ、残る視察は後3日間!
張り切って、お待ちしております。


      by、ナカシマ アヤ


 
 




2010年11月14日

勝手に吉和トライアスロン

 週末、紅葉真っ盛りの吉和で
トライアスロンが開催されました。
参加希望者多数・・・の、予定でしたが計3名(涙)
う"〜ん、ナイスなイベントやと思うんやけどなぁ〜

 まずはラン(ハイク)

冠山登山です。1340mの山頂を目指します。
『紅葉を楽しむ』のが第一目的だったのですが
時すでに遅しっ!
ほぼ全て散ってしまっていました(ガ〜ン↓)
ただ、色とりどりのフカフカ絨毯がとっても美しい。

PB130006.jpg
約一時間半で山頂へ。
いつも山中で昼ご飯食べてるのですが
やはり休日の山の中は一味違うなぁ(笑)
コポコポ、湯を湧かして温かいものを頂きました。

PB130004.jpg
山頂からの風景です。
黄砂の影響か霞んでしまってますが
お天気だと海まで見えます。
もう三度目の登頂ですが、飽きない山です。

PB130002.jpg
 そしてバイク

いつもの通勤路、小川線から上がって島根県境まで走り 
大向長者原線を下ってくる・・・というコース設定でしたが
(まぁ実は、結構な山岳コースです)
大量の落ち葉、この時期ならではの交通量を考え
急遽、コース変更。
吉和の隣村、筒賀のイチョウを見に走りました。
筒賀は吉和に比べて標高がだいぶ下がるので
道中の山々も丁度いい色でした。
さぁ、オオイチョウに到着。
樹齢(推定)1100年、樹高50mの巨木です。
まるで金色の柱が地中から吹き出しているような
すざましい生命力に圧倒されます。
今日、この日に来る事が出来て本当に良かった。

101114_0948~02.jpg
ついでに吉和をグルっと回り、走行距離55km。
あぁ、楽しかったぁ。


 えっ?『スイムがないやん!』って?
・・・湯〜っくり、温もりました(笑)

PB130007.jpg

       by、ナカシマ アヤ








2010年11月 9日

今日は何の日?

4:00 起床
昨晩、夕食後『ちょっと15分・・・』と
布団に入ったが最後、目が覚めたのは朝の3時。
ガ〜ン・・潔くもう一時間寝て(苦笑)起床。
たまった食器を洗い、冷たく固まった洗濯物を干す。
朝に、こういう仕事をするとなんか凹むんだなぁ↓

6:55 出社
寒い、寒い、寒い!

7:30 現場着
雨→ミゾレ→雪!!初雪だぁ!
寒すぎておかしなテンションになる(笑)
地下足袋ってこんなに薄かったって?って思う程
土の冷たさを感じる。明日は絶対足裏カイロ貼ろう。

8:00 作業開開始
搬出間伐
現在、新設の作業道界隈を進行中。
尾根道、伐倒後の引き出し・造材に手間取る。
何度もグラップルを降りて引き出す道筋を確認。
残存木、決して傷付けるべからず。
昼前、県森連の方々が巡視に来られる。
事業体は違えど、ワタシの成長を見守って下さる方々
会うと、思わずほっこりする。

13:30 作業道修復
一日の内で作業を変える事がたまにあります。
既存の本線の修復。
ゴトゥ、木組みも手慣れたもの。
久々砕石積んで、ダンプで往復する。

17:00 事務所着
寒い、寒い、寒い!
チェーンソー整備をする手がキンキンに冷える。
早く温かいお風呂に入りたーい。

18:00 帰宅
すかさずお向かいさんが具沢山のみそ汁を(鍋ごと!)
本当に感謝。しばしストーブの前から動けない・・・

19:30 夕飯
たまごや牛乳や、ちょこちょこの近所買いはあるけれど
大きいスーパーへの買い出しは二週間に一度だけ。
よくぞ毎日の食べ物があるよねって自分でも不思議。
素晴らしき貰い物生活(笑)

21:00 自由時間
PC開いたり、メールしたり、電話したり。
貴重な時間・・・だけど睡魔との戦い。
冬に読む本、書く手紙がどんどんたまってゆく・・・

23:00 就寝
湯たんぽ最高☆


本当に一日がアッという間に過ぎてゆく。
月曜日が始まったと思うと、気付けば金曜日。
毎日、代わり映えしないリズムの生活ですが、
毎日、全く異なる手応えを山で感じています。
・・・だからこの仕事、クセになる(笑)

    
       by、ナカシマ アヤ        

2010年11月 4日

視察デビュー☆

ここ、安田林業へ視察に来られる方々がおられます。
年間通せば20組以上見えられているかと。
ご案内する人数が多い時など
最後尾を歩く補佐として、私も同行させて頂く事があります。

 『そろそろ、やってみるか?』

いつかその日が来るだろう・・・と覚悟はしていましたが
こんなに早くやって来るとはっ(焦)
視察ラッシュの11月。デビューが決まりました。

何度と歩いた視察コース。

 まず土場でこの話しをして・・・
 入り口で間伐の話しでしょ・・・
 マツの話しはどこだったけね・・・

おぼろげな記憶を繋ぎ合わせる作業(笑)
実際にコースを歩きながらをイメージして
ノートに書き出してみました。
そして今朝、社長にチェックをお願いし
足りない話し、要所要所でのポイントを補って頂きました。


 12時。岩国より約30名のお客様を乗せたバスが到着。
拡張機を肩から下げ、視察案内開始!
こっそりノートを盗み見しながら・・・(笑)
今日が初仕事という事を予め社長がおっしゃって下さっていたので
皆様とても和やかな雰囲気の中、ワタシの辿々しい話しを
真剣に聞いて下さいました。
・・・しかしっ、いや〜本当に難しい。
伝えたい事が上手く言葉にならないもどかしさよ(涙)
我ながらボキャブラリーの乏しさにガッカリです。
社長は『慣れよ!』と励まして下さいましたが・・・
沢山の課題が残る一日でした。

 『来て良かったよ。どうも有り難う。』

の言葉と温かい拍手が本当に嬉しかった。


 この視察コース、安田山林・石原地区
ワタシにとって、特別思い入れのある場所です。
ちょうど4年前の今頃、安田林業の扉をたたき
初めて連れて来て頂いたのが、ココでした。
50年生のスギ、その下で真っ赤に色づいた広葉樹。
さらに下には6年生のスギ。
今まで持っていたスギ造林地のイメージが一新されました。
適正な時期に適正な施業を行えば
このような山を残して行く事が出来るんだ。
『ワタシの人生を決めた山』と言っても
過言ではないと思います。
そんなspecialな場所を是非沢山の方々に感じて頂きたい。
微力ながらそのお手伝いが出来て、シアワセでした。


       by、ナカシマ アヤ
 



2010年11月 2日

H溝

 作業道、本線の修復作業です。
ココ、ひどい雨がふるとダーダー水がながれ
ごっそり道を削ってしまいます。
 
PA160013.jpg
何カ所か水切り処理をしているのですが
結構深く掘らないとすぐ埋まる。
その溝を通過する際の『・・ボッコンッ!』がクセもので(苦笑)
2t ダンプ、フォワーダーに4m材満載に積んでいると
かなり車体が波打ちます・・・カナリ
と、いう事を社長に相談した結果
H溝を埋める事となりました。

まず埋め込みたい箇所を決め、荒堀し仮置き。
ポイントは山際にキッチリそわす事。

PA160021.jpg
一旦、取り外し砕石を引きます。
H溝の底面がピッタリひっつくよう斜度をならしてゆきます。
微調整はスコップ作業で・・・

PA160022.jpg
再度、H溝を戻し隙間を砕石で埋めてゆきます。
その後、避けておいた土砂を戻します。
せっかく位置を決めたH溝を動かさないように
慎重に、慎重に・・・

PA160023.jpg
土をならしたら・・・緊張の瞬間。
キャタでゆっくり通過します。
上手く埋まっていたら、微動だにしない。
しかしっ、埋めたH溝がバタバタ動くようなら〜
一からやり直しっ!!
えぇ、二度程やり直ししました(涙)
ここまできて、掘り返す時の哀しさよ・・・

PA160024.jpg
ダンプでの通過が本当に楽になりました。
このH溝、便利な事に再利用可!
この現場での作業が終わり、しばらくこの道を使用しないなら
掘り出して他の現場に回せます。
勿論、再び水切り処理をしておく必要がありますが。

う〜ん・・・スグレモノ☆


       by、ナカシマ アヤ





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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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