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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2010年5月29日

木の実の『お母さん』

 吉和に『木の実』というお好み焼き屋があります。
忘れもしない、2008年3月28日。
初出勤・木こりデビューの日の夜、ここへ食べに来ました。
それ以来ほぼ毎週一回は訪れています。

 お好み焼きを食べに。お母さんと話をしに。

吉和では、少し年齢の離れた目上の方を皆
『お父さん、お母さん』と呼びます。
私には数多くの『お母さん』が居ますが
ここ、木の実の『お母さん』はダントツお世話になっています。
仕事の話、友達の話、趣味の話・・・鉄板を挟んで
『お母さん、あのね、今日ね・・・』話は尽きません。
閉じこもろうと思えば、とことん閉じこもれる田舎生活。
その中で心を開いて話が出来る存在が側に居るというのは
なんと心強いコトか!!
『木の実』無くして吉和生活は考えられません。

『お母さん』の人柄に惹かれて
ここには数多くの方が集まってきます。
純・吉和住民、別荘地の方、スキー場関係者、釣り関係者・・・
仕事場と家の往復ではなかなか知り合えない人達とも
『木の実』で出会い、付き合いが広がりました。
もちろん、今尚拡大中です(笑)


 キャベツが山盛り入った広島風お好み焼き。
もう、すっかり関西風よりもこちらの味が好きになりました。
正真正銘、『母』の味です。
 
P5190002.jpg

     by、ナカシマ アヤ

2010年5月26日

気付く?

  職人さんの技術を『見て、盗め。』って良く言うけれど、
  それは『見て、気付け。』って事じゃないかな。

ある方が、ワタシにそう言われました。
その時はフンフンそうだね、となんとなく分かった気でいましたが
今日、痛感しました。

トレーターへの積み込み。
なかなか一時間半の壁が破れない。
積み込み始めて約10分、突然社長が来られました。
オペ交代。
もう、発見の連続でした。
社長が動かすツメの行方。
普段見ている様で、ナカナカ落ち着いて見ていない
トビを持つ方の材の配置法則。
色んな情報を見落とすものかと必死でした。
そういえば、社長がフォークリフトでトレーラーに積み込むのは
見せて頂いた事があったけれど、
グラップルでの積み込みを見せてもらったのは初めてだな。
事務所に帰って、あーでもない、こーでもないと
疑問点を教えて頂く事は多々あるけれど
百聞は一見にしかず・・・
 
 『勉強になりました?』

運転手さんにそう聞かれ、思わず

 『次回、目指せ一時間で積み込みます!』

そう断言してしまいました(笑)


 実は先日、社長から搬出間伐技術を現場で学べる機会を
自ら逃してしまう出来事がありました。
ゴトゥと二人、目標の数字を達成出来るやり方を
とにかく自分達で見つけ出そうと意固地になっていたようです。
回りを見渡すとアドバイス頂ける方々がいるのに。
自分達で生み出す事も勿論重要ですが、
まだまだ半人前の二人、教わって気付く事の方が多いはずです。
いかん、いかん。
一本の木を凝視しすぎて山を見失っているぞ。
ちょっと自分以上のものを無理矢理抱えようとしていた様です。
10年後に甘えられなくても、今ならまだ許される(笑)
『気付く』事でフっと楽になりました。


       by、ナカシマ アヤ





2010年5月24日

キコリの休日

 ちょっと、たまには林業から離れた話を・・・

先週の土曜日、冠山に登ってみました。
朝6時すぎに出発!早朝ハイキングです。
ちょっと肌寒い凛とした空気。
ひさしぶりの登山靴、この重みが心地良いなぁ。
先週から雨の日が続いたせいか、川の水量が多い。
相変わらず美しい風景!
密かに吉和の白谷雲水峡と呼んでいます(笑)
新緑最盛期。
そんなに慌てなくても・・・って思う程、勢いがすごい。
山のエネルギー、ありのままの姿を感じます。
今年の新緑は特に遅かったからなぁー

shinryoku.jpg
8時過ぎに山頂到着。
1300m程の山ですがなかなかの絶景です。
毎朝見上げて見る冠山、今日は上から見下ろす風景。
高い所って不思議ですよね。
色んなモヤモヤがちっぽけな事に思えてくる。
追い求めている答えはまだ見つからないけれど、
きっと答えは山にあるんでしょうね。

sanchou.jpg

    by、ナカシマ アヤ

2010年5月20日

たまに夜更かし

 先月終了した搬出現場のコストを元に
新たに入る現場のプランにあてはめ数字を弾いてみました。

・・・約85万の赤字・・・

う"・・・材を出せば出すだけ赤字というけれど
実際の数字を突きつけられると、全く言葉が出ない。
運搬費を、材価を、補助金を・・・と社長が練り直して下さっても
約30万の赤字。
搬出経費・作業道経費を押さえる努力は惜しまないけれど
この数字に太刀打ち出来るのでしょうか。

 『天気によっては、土日出勤も考える必要がある。』

作業道で土をいらえるのは晴れの日限定。
雨が続く様なら、晴れの日曜日には現場へ出て
雨の平日に休みを取る・・・と、いう提案。
作業道ありきの搬出。
吉和は霜が早いので、心置きなく土をいじれるのは9月上旬まで。
この限られた期間で2000m近く作設予定なのだから。

休日、素敵な仲間との自転車が何よりもリラックスできる時間。
そこを削ってゆくのは正直切ない。
が、仕方ない。
勿論この提案は強制じゃない。

 『もし、今まで通りの休みを変更したくないなら言ってくれ。
  きちんと週末休みが取れる様、業務態勢を変更するから。』

今年度、やると決めた以上
自らの意志で搬出間伐班から離れるという選択肢、
ワタシにはない。

朝7時に出勤して、夜7時に帰宅する毎日。
社長は休み関係なく、ほぼ毎日吉和に上がられているから
ワタシたちの1、5倍は働かれているだろう。
『月給制』というカタチも決して当たり前でない職種

 『・・・林業って一体ナンなのよ?』

思わず口に出てしまった。
怒りでもない、諦めでもない、嘆きでもない、
ただ、なんだか今夜はやるせない。


      by、ナカシマ アヤ







2010年5月17日

切り込み隊長

 新現場、伐倒・搬出・・・の前に
まずは既存の作業道修復作業です。

P5120064.jpg長さ4m〜5m、ゴソっと落ちてます。
う"・・・これはイカン。
木組みにて対応すべし。
社長に登場して頂き御指導頂きました。
縦・横に組んで行く作業。

P5150083.jpg
一番の決めては、『切り込み』
木を安定させる為、横木に入れるのですが
このヒトくぼみがクセモノ。
道のカーブに合わせて
少しずつ木組みをずらしてゆくのですが
その方向を決める『切り込み』
社長がされるのを見ていると簡単そうだったのに(苦笑)

P5150085.jpg
組んで、土を入れて、組んで、土を入れてを繰り返し
最後にキャタで踏み固めます。
ここまでくるのにほぼ丸一日。
慣れればスピードupするのでしょうが。


 現場ごとにコスト計算をしています。
勿論毎日の人件費も含まれます。
 
 『社長、本日もボランティアということで・・・』

P5150079.jpg

社長の人件費は反映されません。
だって高くなるもん(笑)

 「・・・おまえっ(苦笑)!!』

と、呆れられつつも又HELP要請してしまうのでしょう。
あぁ〜やる事、覚える事がまだまだまだまだ沢山あるなぁ。


      by、ナカシマ アヤ



2010年5月11日

ボクらの探検地図

 先日の山林調査で範囲確定された施業地。
測量に入っています。

 『・・・アナタが書くと、なんだかとても楽しそうな
  探検地図みたいに見えるね(苦笑)』

・・・そーかなぁ?

P5130074.jpg
最終的な測量図は勿論PCで作成しますが、
歩きながら、おおまかな出来上がりの図面をイメージし
そこに周囲状況を書き込んでゆきます。

 ここから谷が出てて、右はスギで左はザツ・・・

一言、二言、書き添えておくだけですが
意外とこの情報が後で役に立ったりするのです。
何年か後にこの測量図を見ても
測量に立ち会っていない者が見たとしても
『あぁ、あそこの施業地ね。』と
浮かんで来る図面でなくてはいけません。
余りに施業地が大きくなると

 ここにでかいカエル、この測点付近に沢ガニ歩く・・・

とか、どーでもよい情報を書き込みたくなるのは
ワタシだけでしょうか?(苦笑)

 これが、出来上がりの測量図です。

P5130075.jpg
既存の作業道・新設作業道・除地などそれぞれ測量し
最終的に一つの図面にまとめます。
3年目にしてやっと、作り方覚えたなぁ。

今回の搬出現場
『総面積*13,63 ha 作業道延長*2889,3 m』
・・・So huge !!!
さてさて、どんなタカラモノが見つかりますやら(笑)


       by、ナカシマ アヤ


2010年5月 8日

事故報告書

 正直、書きたくない内容ですが。

2日前、フォワーダーに関わる事故をおこしました。
人的被害は無かったのですが
大切な共有物を破損してしまいした。
GW明け、いつも以上に気を引き締めて・・・と
事務所を出た、その日の事故

 『今回の件は、今までの事例と全く訳が違う。』

社長よりご指摘を受けハタと気が付きました。
確かに、今までの事故はワタシの技術の未熟さによるもの
又は機械類の消耗に伴う部品類の損傷、ばかりでした。
今回の原因は100%ワタシの不注意によるものです。
現場に出ていて、一番コワいのは

 『きっと〜だろう。』

と言う、自分の思い込み。
何度も注意を受けていた事で、
そこに重大事故が潜んでいるコトは痛い程分かっています。
重機に乗る時は常に自分を疑い、冷静な目で
自分自身を見張れるように努力してきました。
が、起きてしまった。
ほんの数メートル、フォワーダーを移動さすという中で。
明らかに気の緩みがあったし、
この幅なら大丈夫という、過信もありました。

 『大丈夫かな?』

その声に気付き、ホンの数秒手間をかければ
防げた事故だったのに。

 皆が帰宅後、今までの事故報告書を全て読み返しました。
・・・ワタシのが・・・一番多いなぁ・・・
思い切りのよい性格。
色んな事にチャレンジしてゆける長所でもあるけれど、
最大の短所でもあると自覚しています。
特に林業では自分だけでなく、
他人の命までも関わってきます。
・・・この仕事、ワタシには向いてないのかなぁ・・・
フッとアタマによぎる。
ううん。そういう問題じゃない。
林業就業3年目〜5年目に一番事故が多いと言います。
ある程度重機に、仕事する自分に慣れてくる最も恐ろしい時期。

もし万が一、今後この様な事故を再び起こしたなら
ワタシは林業から身を引こう。
その覚悟を持って、今一度気を引き締め毎日の現場へ出よう。
そう心が決まると、やっと前を向けそうな気がしてきました。


      by、ナカシマ アヤ

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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