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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2009年12月28日

年末ですね・・・

 気付けば今年も後3日ですね。
・・・一年アッちゅう間だなぁ。
先週からスキー場勤務が始まっています。
愉快な仲間達と賑やかな毎日です(笑)
念願の雪も降り、一安心。
人工雪で滑走可能とはいえ、やはり天然雪に叶うモノはない!
キラキラの目をしてはしゃぐ子供達を見ると
思わずこちらも笑顔が出ます。

ここの『めがひらスキー場』
林間コースが素晴らしいのです。
天然雪が積もった時のみOPENなのですが・・・
スギ並木を抜けると、パッと開けて吉和村が一望出来る。
TOPから、麓までほぼ林間コースで抜けられる緩やかな斜面
そしてやっぱり回りのスギが気になる(笑)
ははは・・・

先週、一つ歳を取りました(二つ取ってたまるか・・・)
スキー・自転車仲間、スキー場関係者、吉和のご近所さん、
そして林業仲間。
本当に沢山の方達に祝って頂きました。
誰一人知り合いのいないこの土地で、
いつの間にか、こんなに大好きな人達に囲まれていました。
シアワセだなぁ。有り難いなぁ。
来年も大波、小波、沢山やってくるでしょうが
この仲間達がいれば乗り越えられる!と確信しています。

一寸先は光。アンタ大好き。
皆様、良いお年をお迎え下さい。


      by、ナカシマ アヤ


2009年12月20日

仕事納め

 昨日、仕事納めでした。
・・・降り続ける雪・・・
今週はほとんど現場へ出る事が出来ませんでした。
本当に一年、色々な事があったなぁ。
今年5名の現場作業員の方が退職されました。

吉和一の木切りと言われた江田さん。
島根県から数十年通われた永見さんご夫妻。
最年長のニ井田さん。

まだまだ習いたい事は沢山あったのに。
せめて後もう一年・・・せめて後もう半年・・・
いつまでも甘えてはいけないと分かってはいるのです。
もう体に無理いわす年齢ではない事も。

『昔は何十人といた現場作業員が一人減り、二人減り、
 とうとうこのメンパーだけになっとったんよ。
 ワシ達で山を守って行かんと・・・と、必死だった。
 けど、昨年若い者が入って来てくれて
 一緒に作業するうちに
 あぁ、これからはキミ達に任せてゆけるって
 そう思ったんよ。安心して身を引けるんよ。』

そう涙目で話してくれた永見のオトウサン。
悲しくて、寂しくて言葉にならなかったけど、
ウン。。。ウン。。。って何度もうなずいた。
山を引き継ぎ、人を引き継ぐ。
それを確かに繰り返す事が林業なんだろう。

そして、もう一人。
正木班長が辞職されます。
ここまでのワタシを創り上げて下さった方々の中でも
特に関わりが強い人でした。
右も左も分からないワタシを
とにかくグイグイ引っ張ってて下さった。
本当によく叱られ、怒鳴られ、教わった。
今年は特に、意見の食い違いでぶつかり合う事が多かったけど
やっぱり『出来る班長』には違いなかった。
ポッカリ空いた穴を、自分自身で埋めてゆかなくては。


 それぞれの想い、それぞれの夢。
同じでないからすれ違うし、
同じでないから一緒に高め合って行けるのかもしれない。
2009年。怪我なく、無事現場をしめられた事にまずは感謝を。

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               by、ナカシマ アヤ







2009年12月17日

積み込み

 『その日』は、突然やって木ました・・・

『こっちで積み込みする事は可能ですか?』

事務所におられる社長からのメール。
お箸を持つ手がピクっと止まりました。
雪の影響でトレーラーの到着時間がかなり遅れている、と。
午後から大事な打ち合わせが入っていた社長。
どーしようもないので積み込みを頼む、と・・・

ま〜じ〜でぇ〜〜〜!?

正直アタマの中はマッチロです(涙)
土場で木の選別を勉強中のワタシ。
確かにフォークリフトに乗っている時間は
従業員の中で一番多いかもしれない。
少しずつだけど
ダンプからの積み降ろしもスムーズになってきた。
だけど、だけど、積み込みだけは社長の領域(?)
日高トラックへの積み込みデビューもまだなのに、
いきなりトレーラーですかっ!?
・・・トレーラーて、荷台が12m あるんですよ。
3m 材なら4山、4m 材なら3山。
一山ずつ、ピッチリ揃えて積み込まないと
最後の一山がエラい騒ぎになる。
わたしに出来るのか?
・・・じゃなくて、やらなきゃ!!

『まぁ、たちまち(とりあえず)社長が戻られるまでに
 一山は頑張りましょうや・・・』

トレーラーの運転手さんも動揺を隠せない(苦笑)
まさか、ワタシが積み込むとは思っていなかっただろうに。
落ち着いて、落ち着いて・・・
吹き付ける北風。降り続ける雪。
なのにハンドルを握る手は汗ばんでいました。
よく、覚えていません(笑)無我夢中で。
運転手の方がトビを巧みに操り、
積み荷の上で的確にフォークを誘導して下さったから
とにかく指示通り正確に材を下ろす事だけを考えた。
社長が戻られたのは3山目に突入した頃。
フォークの運転を代わるのではなく
材の数量をチェックする、HELP に回って下さった。
最後までやらせて下さった社長に感謝。
所要時間*1時間20分(ちなみに社長は45分以内)
無事、積み込み終了です。
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 『積み込みに何時間かかっとるんじゃぁ〜!!』
皆の元へ戻ると、予想通り正木班長の第一声・・・
う"〜ん、返す言葉もありません。

 『ケド、まぁ・・・オマエ、よぉやったよぉ・・・』


      by、ナカシマ アヤ






2009年12月15日

林業用種苗生産事業者講習会

 受講生、ワタシ一名。講師の方、三名・・・
なんて贅沢な講習会(笑)みっちり6時間勉強して参りました。

 種苗に関する法令
 種苗の産地及び系統に関する事項
 種苗の生産技術に関する事項

『種苗』とは?
林業生産の為に利用される樹木(スギ・ヒノキ・アカマツetc...)
の種子、穂木、苗木などの事です。

『生産事業者』とは?
他人に配布する目的をもって、苗木と育成する事業を営む者。

苗畑で育てている苗木は全て自家用苗なので、
今のところ必要な資格ではないですが
苗木に関わる事を広く学べるので受講を希望しました。
そう。苗木は勝手に販売してはならんのです。
それどころか、この品種はどこぞへ持って出てはならん!
と、きちんと決められた地域内でしか
植えてはならんのです。原則として。
自家用なら問題ありませんがね。
へ〜、へ〜、へ〜

ワタシが『ブロッコリー』と可愛がっている母樹にも 
育種母樹林・普通母樹林・特別母樹林に分けられます。
広島県にある特別母樹林 (19,09 ha) が、
全て吉和内にあると教わりビックリ!・・・やるやん、吉和
ちなみにこの特別母樹林、原則禁伐です。

挿し木、苗木、についても詳しく学びました。
訳も分からず、ひたすら深瀬師匠の真似事をしてただけでしたが
一度体験しているだけに理解しやすく、
とても勉強になりました。
生徒が一人なだけに、講義は脱線し放題!
(勿論苗木に関しての話しですが)
ワタシは質問し放題!
素晴らしい(?)一日でした。

ワタシがスギ、スギ言うので
広島県はスギの産地かと思われているかもしれませんが
圧倒的にヒノキの分布量が多いです。実は・・・
なのでスギ生産者も数名のみだとか。
だからこそ、『ハチロウスギ』にこだわりたいねぇ〜

 冬中楽しめそうな位、沢山の資料を頂きました(笑)


    by、ナカシマ アヤ

2009年12月 9日

一味、二味、違います。

 昨日から研修です。
『林業就業者リーダー養成研修』の一つ、『林業専門研修』
立木評価、測量実習、毎木調査、製図 etc...
三日間で盛り沢山の内容です。
正直、昨年の研修と重複する箇所もあります。
が、講義の内容がオモシロイ程違って聞こえます。
興味の移り変わり・・・というものでしょうか?

 立木評価
立木(りゅうぼく)とは
その土地に生育している樹木又はその集合体の事です。
つまり『ヒトヤマいくら?』を査定する事。
正直昨年はカネの話しをされてもピンとこなかった。
今、私の最大の勉強課題が立木評価であります!
目がギラギラします(笑)

 測量実習
昨年、このヒノキ山林を歩きながら思う事は
間伐(切り捨て)するならどの木を切ろう?
どっちの方向に伐倒しよう?という事が全てでした。
・・・ここ、出せるよね・・・
搬出するならどのように施行しよう?
使用機械は?作業道をいれる必要は?何人入る?
この木は残したい。あの木は切って出したい。

 毎木調査
直木・根曲がり木・胴曲がり木の三種の区分します。
 直木   *地際から8m曲がりのないもの。
       (6mの直材がとれる木)
 根曲がり木*地際より1mまで曲がりがあるもの。
 胴曲がり木*上記以外
昨年と全く同じ基準で選別しているはずなのに、
明らかに直木の数が少ない。
『これ位の曲がりは大丈夫だろう・・・』と
甘い選別していたんだろうなぁ。
この木ならどう造材しようかぁ・・・
『全て私、カネに見えてきます』って話したら
県の職員の方が吹き出してました。

PC090001.jpg
 きっと来年だったら
又違った思いがフツフツと沸き上がるんでしょう。
おもしろい・・・コレだから林業はやめられないっ!


      by、ナカシマ アヤ

追伸:製図
申し訳ないですが、これだけは今年も同じ
『なんてタイギ〜!!』
(先生ごめんなさい・・・けど諦めず、もがいてます)
PCバンザイっ(笑)       





2009年12月 5日

危険回避あれこれ

 先日のMeeting、ハッチが発表者でした。

 テーマは『危険に対する感受性』

緑の雇用ニ年目研修で風倒木研修を終えたカレ。
今一度『現場に潜む危険』を考えてみようと
出してくれたテーマです。

 私の思う一番の危険は『自分の思い込み』

この木はこう曲がっているから、あぁ倒れるだろう。
あそこで重なっているから、こっちにはじくだろう。

 経験を積む事で徐々に予測する事が出来ます。
ここで肝心なのは『〜だろう。』
ホンの二年足らずの経験なのに、『こうなる。』
と、思い込みで作業を進めてしまう時があります。
複数の可能性でなく、一つの結果に断定してしまう。
こりゃ、危険だなぁ。
 『木を疑う前に、自分を疑え。』

重機に乗っていて危険なのは
一つの作業に集中しすぎて、回りが見えなくなる事。
伐倒、集材、造材、運搬・・・全てをハッチと二人でこなす現場。
常にお互いの隙間を見て、補いつつ仕事を進めています。
あれしなきゃ、これしなきゃ・・・
グラップルに慌てて飛び乗る事もあります。
そんな時、動かす前に必ずする事。
声に出して、ハッチの位置・やっている作業を確認する。
 『岡田君、よし!』

昨年度の緑の雇用一年目研修。
現場作業、他の研修員とすれ違う際
こんにちは、お疲れさま、と挨拶するように
『ご安全に。』という声掛けがありました。
初めは県の職員の方が積極的にして下さり、
いつしか当たり前に口から出ていました。
短い一言ですが、とてもいい言葉です。
私は毎朝、玄関先で
自分自身に対して言葉に出してから出勤します。
 『今日も一日ご安全に。』


        by、ナカシマ アヤ

2009年12月 2日

父の背中

 だいぶ職種は異なりますが、父も現場で働く人です。
かれこれ40年・・・
11月29日。そんな長い歴史(?)に幕を下ろす事となり
最後を見納めようと、母と職場へ押し掛けました。

早朝 4時50分
職場に向かう、バスへ乗り込む父を
母・兄(サプライズ参加!)・私で盛大に見送ります。
若干恥ずかしそう・・・そりゃあんなけ手をふられたらね(笑)
こうやって見送るの、小学生以来かもしれない。

昼 11時20分
イヨイヨ最後の仕事。
いつもは何気なく時間を過ごしているけれど
今日ばかりは違う。
なぜか私がすごく緊張する(恐らく母も・・・)
約一時間半、色んな事を考えた。
40年間・・・『安全』を当たり前としてきた父
それがどんなにスゴイ事だったかが、今なら少し分かる。
家では決まって、TV見ながらソファーでうたた寝してる父
ちぃとは母の手伝いしなよっ!って反発していた時期もあった。
・・・ごめん、オトウサン。
父は毎日、『職場』『社会』と言う戦場で闘っていたんだよね。
全ては『家族』の為に。
男性社会で働く身となって、初めて知ったよ。
・・・有り難う、オトウサン。

 あの大きな窓ガラスに、
 アナタはどんな世界を見続けて来たのだろう?

父の最後の仕事を告げる、涙声でのアナウンス
客席からの温かい拍手
思わず熱い涙が込み上げる母と私。
あぁ、父は慕われていたんだ。
そして、素晴らしい仲間と仕事を共にしていたんだ。
・・・お疲れさま、オトウサン。

仕事を終え、心底『ホッ』とした笑顔。
2cm程目尻が下がった様に見えるのは気のせいか(笑)
まぁ、まだ完全に終わりじゃないもんね。
後一年、後輩の指導にあたるようです。

 やっぱり、やっぱり、父の背中は大きかった。


      by、ナカシマ アヤ












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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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