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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2009年10月29日

小さな提案、大きな変化

 一つ、社長に提案がありました。

『週に一度、皆で話しが出来る時間をつくりませんか?』

プランナーの勉強をしている、と言う事もありますが
一番、社長と時間を共にしているのは私です。
色々な話をして下さる
どんな本読むよりも勉強になると確信しています。
なんか、私一人で聞くのがもったいない?

現場作業中・・・こうは出来ないか。
あぁ、したらもっとスムーズにゆくんじゃないか。
作業員間で色んな提案は出ますが、
さて、それを全員で話し合うかと言えばソウではない。
勿論、朝と夕方、現場の段取りや進み具合など話しはしますが
集まるのは社長と班長だけ。
パパッとすませてしまうコトが多いのです。
なんか、共有しきれていない? 

先日も少し綴りましたが、
施行プランを実践して行くにあたって
一番重要なのは現場とプランナーが
同じ目線で、同じ熱さで進んで行く事だと痛感しました。
皆で話しが出来る、
考え、思いを伝え合える環境を作りたい。
言わずとも伝わるのが一番かもしれませんが、
コトバにして伝える事も重要だと思うのです。

 そこで提案しました。
 次の日から Meeting が開かれました(笑)

社長のスゴイところです。
うん。やってみよう!・・・と思えば、即実行して下さる。

 『ワシ、一人が話しても仕方ないけぇ、
  毎週プレゼンする人を決めて皆が話しようやぁ。』

と、付け加えて。
今日は第二回目。正木班長の番。
週始めに高知県へ視察に行かれていたので
その時の話しを聞かせて下さいました。
列状間伐、タワーヤーダーでの集材、路網の確保・・・
その作業工程、吉和の現場でどの様に取り入れたら効果的か?
アーも出来る、コーも使えると思い思い意見しました。

PA290023.jpg
 
   『若い衆らみたいに、研修や視察や勉強しとらんのじゃ。
  ワシの番が回って来ても、なんも話すコトないけぇ〜』

そう断言していた熟練作業員の F さん。

 『ちょっとアヤさん、話しがあるんじゃ。』

Meeting 後、とっても神妙な顔で呼び出されました。

 『ワシは発表せんぞ。』

と、念を押されるんじゃないかと正直ビクビクしていました。
わざわざ耳元で、小さい声で・・・

 『ワシはねぇ、苗畑のコトを話したいと思っとるんじゃ。
  皆の前で上手く話せるか不安じゃけねぇ・・・
  書いてまとめてくるけぇ、アヤさん。
  それをコピーしてくれんかのぉ・・・』


      by、ナカシマ アヤ
   
 





2009年10月26日

プラプラプランナー(実践研修)

 先週の月曜日、火曜日と
『森林施行プランナー地域実践研修』が吉和で行われました。
気が付けば、" プラプラ〜 " なんて呑気な事を
言ってられない状況であります(苦笑)

初日は吉和地区の搬出間伐現場、及び来年度予定地の現場視察。
二日目は作業システムの基礎知識とコスト計算演習。
そして意見交換会。
何を誰がどうしたか、事細かに書いても仕方ないので
と、言いますか・・・まだ私自身、消化しきれていないので(涙)
感じた事を。

プランニングする為に必要な専門能力のナンテ多い事!!

まず山(造林)の知識。そして路網・作業システムについて。
施行全体のマネージメント力。
森林所有者に対する営業 etc...

ははは。大変だ・・・
" 数字 " の弱さは致命傷です。
何度電卓を投げてやろうかと思った事か(笑)
研修前に基礎的な事を叩きこんで下さった社長は(約一週間で!)
どれ程、アタマが痛かった事だろうか。
保育間伐から収入間伐(搬出間伐)への移行。
一般所有者の方の山を施行して行くには
正確な数字で出された『提案』が必要不可欠です。
コスト、コスト、コスト・・・
それに追われるばかりではつまらない。
焦る作業で事故を起こせば元も子もない。
現場のひらめきと、工夫が大きなキーポイントとなりそうです。


 さぁ、視察で見た来年度予定地の『数字』が出たぞ!


あ、ちなみに『来年』でなく『来月』からコノ現場動きます(笑)
私の希望通り、自分で立てたプランを(勿論社長に御指導頂いて)
チームナカシマで施行します!
ははは。どうなることやら・・・
あぁ〜して、こ〜して。
アタマの中はちっこい私とハッチ、グラップルとバックホウが
ちょこまか、ちょこまか動き回っています。


     by、ナカシマ アヤ






2009年10月23日

エェ、木。出てます!

 水曜日より、一般所有山林の現場に入っています。
家のすぐ裏・・・山林というより、むしろ庭の延長。
数ヶ月前に伐倒されたのですが、そのまま放置してありました。
余りにもったいという事で、
安田林業でナントカんらんかとお話を頂き
社長と私とグラップルで伺いました。

切り株の大きさを見て唖然・・・
こりゃ、何としても出さなイケン!
どうやら樹齢100年以上
末口直径60cmの直材のスギ。
このクラスの材に出会ったのは初めてです。

PA210013.jpg


社長が道を作りつつ、材を引き出しつつ・・・
私が造材しつつ、トラックで土場まで運んで
フォークで下ろしつつ・・・
追いつけ、追い越せの大忙しです(苦笑)
立派なスギ、クリ、ナラが積まれて行きます。

 『おぉ!!出とるねぇ。』

他の現場から帰ってきた作業員達も材に集まってきます。
ちょっと皆、興奮気味(笑)
やっぱり血が騒ぐのでしょうか。
でも、テンションが上がるのは私達だけではありませんでした。
 
 『エェ、木じゃねぇ。』

軽トラからチラ見して気付いた村の人が、降りてくる。
話す目が、キラキラしている様に感じました。
土場前のコンクリートブロックに寄りかかる
腰の曲がったジィちゃん。
具合でも悪いのかと近づくと、
杖で材を指し

 『・・・木が・・・出とるのぉ・・・。』

と、なんとも素敵な笑顔を見せて下さいました。
社長にその話しをすると
どうやら昔、林業従事者だった方でした。
きっといろんな思いで材を眺められていたのでしょう。

  
  お金に変わるコトよりも
  それよりもっとスゴイ、" 材 " のパワーを感じています。

PA220014.jpg


       by、ナカシマ アヤ
 



 

2009年10月19日

吉和(ついでに我が庭)一斉清掃

  ・・・激動の数日間でした。
書きたいコトは山ほどあるのですが、
まだ文字にならないので
今日は久しぶりに吉和LIFEのお話を。

春と秋に一斉清掃があります。
この日だけは、何があっても全員参加(笑)

 『明日は清掃日じゃけぇ、掃除しとかなイケン』

と、前日に掃除を始めるジィちゃん、バァちゃんが多数。
う〜ん・・・不思議だぁ(苦笑)
なので正直それ程ゴミはありません。
まぁ、でも、連れ立ってゾロゾロとゴミ拾い。
朝7時開始!8時終了!

帰り道、我が家の前で立ち止まる数名のご近所さん。
道に面して、花を植えて下さい!といわんばかりの三角地帯。
全く私は手入れしていないのだけど、
きちんとそれなりに、花が咲いています。
お向かいサンや近所のバアちゃんが、植えてくれています。

 『もうコスモス抜いてえぇねぇ〜。』

そこから、なぜか皆で我が庭の清掃開始(苦笑)
有り難いやら、情けないやら・・・
そういえば、もう花終わってるね。
落ち葉もスゴイね。
又スギナ生えてきたね。
毎日見ている風景なのに、全く目に入ってない。

 『朝早よおから、晩暗うなるまで働いて
  庭の手入れしようたって無理よぉ。 
  気にしんさんな。
  大変んな仕事じゃけど、今は踏ん張りんさいよ!』

" 頑張りんさい!" ではなく" 踏ん張りんさい!" の一言が
胸を熱くさせました。
結局作業するコト1時間半

 『まぁ、バァちゃん。後一ヶ月もしたら雪で隠れるから
  大丈夫よ。』

アンタが言うな・・・って顔で苦笑いされましたが。
ははは


         by、ナカシマ アヤ



 





2009年10月16日

無駄な補助金

 夕飯を食べながら、TVを見ていました。
某閣僚が話す『補助金』の大幅削減について。
思わずご飯が喉につっかえた。

 『 "切り捨て間伐 "・・・ 
  切って、山に捨てるだけなんですよ。
  それなら最初から道を整備して切り捨てる木を
  搬出したら良い事じゃないですか。
  こんな無駄な事業にも補助金が出てるんです。』

・・・言い切りよったで・・・
・・・" 無駄 "って、言い切りよった・・・
むむむ、と腹の底から熱いモノが沸き上がってくる

 『出せる木やったら、言われんでも出しとるわぁ〜〜!!』

思わずTVに叫ぶワタシ。
おさまらん、全然おさまらん。美味しいサンマが台無し。
ケド、はた・・・と気付いた。

 『一年半前はワタシも同じ事思ってたやん・・・』

切り捨て間伐。
読んで字の如く、木を切り山へそのまま放置します。
確かにもったいない。
けどね、ちゃんと理由があるのです。

 *その①* 出すと赤字になるんです。
全く、数十年手を入れられていない山。見た事ありますか?
ヒョロヒョロと曲がって、不安そうに立つスギ
全く光が差さず、地面がやせ細り、根が地表に浮き出ているヒノキ
そんな山にいきなり道をつけて、 
さぁキミタチ、出てきたまえ!と言っても
ダレも出て木やしない。
間伐した材の約7割は搬出出来る(お金になる)木でないと
赤字になると言われています。
山を手入れしましょう。お金はこれだけかかります。
そう言われて進んで施行する事が出来るでしょうか?
かと言って、このまま放っとく訳じゃない。
まず、間伐する事で山に光を入れる。
一本、一本の木を目覚めさせる。山に風を吹き込む。
あくまで、何年後かに道を入れて搬出する為の第一段階なんです。
社長がピンっとくる例えをおっしゃいました。
『野菜作る時、沢山種蒔いて、ある程度大きくなったら
 間引くじゃろう?それを全部食べんじゃろう?』

 *その②* 全ての山に道はつけられないんです。
高密度に路網を張り巡らせて、
どこからでも材を引き出せ、搬出出来るように整備する。
勿論、目指すトコロです。
でも、日本中全ての山で可能か?と言われれば・・どうでしょう。
余りに険しく、岩盤質で、水の出入りが激しい山。
無理に高いお金をかけてガチガチの道を入れるより、
何年かごとに切り捨て間伐を繰り返し
80年、100年先の主伐(全伐)を目標として育てる方が良い、
そうせざる得ない。と、いう山もあると思います。


 『間伐』については、林業従事者の中でも
賛否両論、色々な意見がある事を知っています。
だから、必ずしも自分の考えが正しいとは思っていない。
まだまだ沢山の事を知らなくてはいけないと感じています。
一番考えなくてはいけないのは
いかに補助金に頼らず、林業を成り立たせて行くのか・・・
と、いう事なのでしょう。


 ただね、『無駄な補助金』と決めつけて欲しくなかった。


        by、ナカシマ アヤ

 



  
 

2009年10月15日

荷物

 現場までの距離が近いと、
昼休みには車に一旦戻りお昼休みです。
遠い場合は、一日分の荷物を背負いテクテク、テクテク・・・

 『キコリ一日分の荷物』

ちょっと興味ありませんか?(笑)

 リュック①*燃料(4L )・オイル(1L )・タオル・手ぬぐい
       手袋・工具類・チェーンソー予備刃 
 リュック②*お弁当・水筒(1,5L )・防寒着・敷物・おやつ
    腰袋*ハンマー・くさび(矢)
   その他*チェーンソー・腰ノコ・ヘルメット・熊鈴

ざっと、こんなモノでしょうか。
文字にするとイマイチ量がピンときませんが、
見た目はこんな感じです(笑)

PA130015.jpg
 ・・・ナカナカ
いったい全部で何キロ位あるんだろうねぇ〜
ってハッチと話してましたが、
約15キロ近くあるのでは!?と、の事。
どうりで山道、よたよたと転けるワケだ(笑)
相変わらず、落ち葉に滑り、川にハマるドンくさい私。
息を切らして、どんどん遠くなるハッチの背中を
ついつい睨んでしまいます。


         by、ナカシマ アヤ



2009年10月 8日

伐採者

 突然ですが、『森林認証制度』をご存知でしょうか?
森林が適正に管理されている事を中立的な第三者が
客観的に評価し、社会にその価値を認めてもらう制度です。

安田林業も認証を受けている事業体の一つ。
この制度については又後日詳しく記載致します。

最終消費者へ安心と安全を届けるサービスとして、
生産から加工、販売、消費までの道程を
確認可能な状態にしています。
最近スーパーで売られるお野菜も

 『××産・○○さん作』

と生産者の顔が見える品がありますよね。
それと同じです。
例えば家の床柱。
いつ・どこで・誰が伐採し、どこで製材されたスギなのか・・・
全て分かるシステムです。


 先日の伐採後、葉枯らしを行いハーベスターで造材した現場も
認証を受けている森林。
なので認証材として製材所へ行きます。
最近伝票の書き方を覚えたワタシ。
間違いのないよう、慎重に・・・
と、ある伝票。少し書き方が違うけぇ・・・と
社長がペンを走らせました。
『伐採者』の欄で、少しペンを止め

 『・・・"ナカシマ" の名にしといちゃろう。』

・・・嬉しかった。本当に嬉しかった。
何気ない社長の思いだったかもしれないけど、
なんだかイチ伐採者として認められたような!
大げさかもしれないけど、
一年半の苦労が吹っ飛びました(笑)
この伝票はワタシにとって表彰状。

 10月7日、伐採者デビュー

CIMG0439.jpg

          by、ナカシマ アヤ

2009年10月 5日

救急法

 先月末の土日と先週の土日、計4日間
日本赤十字社が開講する救急法講習を受講しました。
冬場のスキー場勤務に必要な為
と、いうのがキッカケでしたが・・・

初日の基礎講習で
一次救命処置(心肺蘇生法やAEDを用いた緊急処置)を学び
その日に学科、実技試験。
二日目からは
急病、けが、きずの手当、骨折の手当、搬送について学び
最終日に学科、三角巾を用いた包帯実技試験。
赤十字病院まで片道1時間半。
9時半〜16時半まで詰め込むだけ詰め込んで
本当にイッパイイッパイの4日間(涙)

・・・でしたが、受講して良かった!
AED、街で目にした事はありましたが
使用方法など全く知らない。
心停止、救急車が来るまでの数分の処置がどれ程重要だったか。
怪我と隣り合わせの林業。
携帯電話の繋がらない現場はしょっちゅうです。
すぐに車で病院に行けない確率の方が高い。
きず、骨折をしたまま
自力で山を降りなければならないかもしれない。
そんな時、少しの処置でも知ると知らないでは雲泥の差。
勿論、事故も怪我もあってはならない事だけれど
負傷者を前に何も出来ずアタフタ。
無駄に時間だけが過ぎて行く・・・
と、いう状況だけは絶対にイヤだ。

まだまだ確実に対処出来ると言う自信は全くない。
けど、見て見ぬフリをして
誰かが助けてくれるだろうと通り過ぎる事は決してしないと思う。
家で、外で、職場でいつどこで何が起きるか分からない世の中。
アナタは愛するヒトを助けられますか?


・・・なんてエラそうに言いながら
試験の合否は一週間後(苦笑)


        by、ナカシマ アヤ



 

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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