夕飯を食べながら、TVを見ていました。
某閣僚が話す『補助金』の大幅削減について。
思わずご飯が喉につっかえた。
『 "切り捨て間伐 "・・・
切って、山に捨てるだけなんですよ。
それなら最初から道を整備して切り捨てる木を
搬出したら良い事じゃないですか。
こんな無駄な事業にも補助金が出てるんです。』
・・・言い切りよったで・・・
・・・" 無駄 "って、言い切りよった・・・
むむむ、と腹の底から熱いモノが沸き上がってくる
『出せる木やったら、言われんでも出しとるわぁ〜〜!!』
思わずTVに叫ぶワタシ。
おさまらん、全然おさまらん。美味しいサンマが台無し。
ケド、はた・・・と気付いた。
『一年半前はワタシも同じ事思ってたやん・・・』
切り捨て間伐。
読んで字の如く、木を切り山へそのまま放置します。
確かにもったいない。
けどね、ちゃんと理由があるのです。
*その①* 出すと赤字になるんです。
全く、数十年手を入れられていない山。見た事ありますか?
ヒョロヒョロと曲がって、不安そうに立つスギ
全く光が差さず、地面がやせ細り、根が地表に浮き出ているヒノキ
そんな山にいきなり道をつけて、
さぁキミタチ、出てきたまえ!と言っても
ダレも出て木やしない。
間伐した材の約7割は搬出出来る(お金になる)木でないと
赤字になると言われています。
山を手入れしましょう。お金はこれだけかかります。
そう言われて進んで施行する事が出来るでしょうか?
かと言って、このまま放っとく訳じゃない。
まず、間伐する事で山に光を入れる。
一本、一本の木を目覚めさせる。山に風を吹き込む。
あくまで、何年後かに道を入れて搬出する為の第一段階なんです。
社長がピンっとくる例えをおっしゃいました。
『野菜作る時、沢山種蒔いて、ある程度大きくなったら
間引くじゃろう?それを全部食べんじゃろう?』
*その②* 全ての山に道はつけられないんです。
高密度に路網を張り巡らせて、
どこからでも材を引き出せ、搬出出来るように整備する。
勿論、目指すトコロです。
でも、日本中全ての山で可能か?と言われれば・・どうでしょう。
余りに険しく、岩盤質で、水の出入りが激しい山。
無理に高いお金をかけてガチガチの道を入れるより、
何年かごとに切り捨て間伐を繰り返し
80年、100年先の主伐(全伐)を目標として育てる方が良い、
そうせざる得ない。と、いう山もあると思います。
『間伐』については、林業従事者の中でも
賛否両論、色々な意見がある事を知っています。
だから、必ずしも自分の考えが正しいとは思っていない。
まだまだ沢山の事を知らなくてはいけないと感じています。
一番考えなくてはいけないのは
いかに補助金に頼らず、林業を成り立たせて行くのか・・・
と、いう事なのでしょう。
ただね、『無駄な補助金』と決めつけて欲しくなかった。
by、ナカシマ アヤ
最近のコメント