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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2008年6月27日

ナヤミゴト その弐

 地図の解読がうまくゆきません。

陸地では(山も陸地か・・・)
キチンと地図の読める女なのですが。


山の地図、目にされた事があるでしょうか?


ここは谷、そっちは尾根。
作業道があっちに走ってるでしょう。
って事は、さっきの川はそれかぁ。

そんな調子で施行地図を囲み話を進めます。
こないだどこまで済んどる?
そんな社長の一言に ドキッ・・・!?


毎日グルグル等高線の地図とにらめっこして
必死に頭に焼き付けるのだけど、
実際山に入ってしまうと
紙面上での自分の位置がイメージ出来ない。
ココだと思って出た尾根が
とんでもない全く別の尾根だった事が多々あります。

我ながらガックシなります。


そんな私の力強い味方。
航空写真を並べ、
レンズのついた、まか不思議な装置(正式名称があるのですが)で見ると
山が立体的に浮かびあがってくるのです。
まるで3Dアート。
木が突き刺さってくるかの如く地形がはっきり分かります。
(慣れれば植生まで見分けられるそうです)
それを指でたどりながら今日の現場をチェック。

ほほう・・・、こうゆう地形だったのかぁ。
見飽きないです。いつまでもへばりついてます。


まぁ、しかし。この装置に頼ってばかりいられません。
いつの日か、私の位置を上空からしっかりと認識出来る
第三の目が養われますように。


      by.ナカシマ アヤ

2008年6月24日

晴れ 時々 熊騒動

 昨日の話です。

 
GPSを使用し、班長と二人測量に出ていました。

”宇宙と交信して来ます!!”

張り切って事務所を出たものの、
覆い茂る雑木の中。
思う様にはかどらず、少々イライラしておりました。


そんな中、突然事件が起きたのです。

『う”わぁ〜〜〜〜』

前を行く班長の叫び声
息苦しそうに喉を押さえながら
地面に倒れ込み、後ずさり。

『ど、どうしたんですかっ!?!?』

言い終わらないうちに、
激しい喉の痛み、鼻につく刺激臭に襲われ
私も班長と同じ状態に。

二人でゲホゲホ、オエオエなる事数分・・・

何が起きたかさっぱり分からず
パニック状態。
班長が一言


『・・・くますぷれぇ〜・・・』


は?熊スプレー??


班長は以前、山で熊に遭遇した恐怖体験がある為
鈴の他に熊スプレーを常に携帯されています。
なんらかの拍子にロックが解除されてしまい、
ナタをしまおうとした手がスプレー口に触れ
腰元で発射してしまった・・・と言う訳です。

主成分はカプサイシン。
なんだ、唐辛子?
そう思われるでしょう。
しかしこれが、なんともキツい。


すぐさま測量を中断し、事務所へ戻りました。
喉、鼻の痛みは時間が経つにつれ
少しずつ和らいできました。
問題は班長。
モロに手に浴びてしまった為
唐辛子、何百本を擦り付けた状態。
水で何度手を洗おうと、全く痛みが引きません。
カプサイシンの処置法?
どこを調べても載っていない。


結局,早退し病院へ行かれました。
(ちなみにドクターストップがかかり、
 本日お休みされています。)


恐るべし熊スプレー
これを発射する時は相当切羽詰まっている時です。
ですが、もし熊が風上に居たら?

『熊さん、熊さん・・・
 恐れ入りますが、少々風下に移動して頂けないでしょうか?』

と、お願いしない限り自分に直撃ですよね。

社長とそんな話をしていたら、

『大丈夫じゃ。
 自分でスプレーして、自分でのたうち回るの見てたら
 熊もコイツ馬鹿じゃないか?って
 呆れてどっか行くじゃろう。』

ナルホド納得。


 今日の仕事終わりの事です。

『アヤさん。
 昨日測量しっとってピンクテープまいた所あるじゃろう。
 あそこに熊のフン落ちとったぞ。』


・・・え・・・昨日はそんな物ありませんでしたよ・・・!?
で、で、出たぁ!!!


     by.ナカシマ アヤ

2008年6月23日

フキとお花

 3日間音沙汰が無いと
友より安否確認のメールが届きます(笑)


 少しブログもご無沙汰しておりました。
毎日、山あり谷あり常に事件が起こっておりますが
先週は特に慌ただしい日々でした。


 雨が続きましたね。
現場に出るとドブネズミの如くグシャグシャのドロドロです。
(せめて濡れネズミと言ってくれ・・・と社長に言われました)
体力もいつも以上に消耗するのでしょうか。
毎日が運動会のような疲労感でした。

 梅雨は始まったばかり。
これではいけん!!と毎日らっきょをボリボリ食べています。
熟練作業員の方が、元気薬と下さったのだから
間違いない・・・はず。


 昨日の休日
今も現役、81歳の林業家の方を訪ねました。
搬出後の山に広葉樹を植えておられます。
今年もこれを植えるんじゃ、とイチョウの苗木を育ててられました。

口数の少ない方と聞いていましたが
山の話、牛の話、畑の話etc・・・
フキ取りのお手伝いをしながら、
ポツリ、ポツリお話して下さいました。

そして見せて頂いた、昔使われていたチェーンソー。
なんと重さは機体だけで15kg!!
4kgのチェーンソーを使いこなせない私にとって
モンスターに見えました。


お土産に両手一杯のフキと、庭に咲くお花を頂き

”又、来んしゃい。”


疲れがスッと地面に吸い込まれてゆく気がしました。


        by.ナカシマ アヤ

2008年6月18日

ナヤミゴト

 目立てが思う様に出来ません。

目立てとは?
チェーンソーの刃をヤスリで研ぎ、切れ味をよくする事です。


刃にヤスリをあて、一定の力で、決められた角度に滑らす。


ただそれだけ。
とてもシンプルな事なのです。


昨日、切れが悪い刃で一日仕事をしました。
いつもの2倍、3倍、それ以上の疲労感。
それを見かねてか、今日の仕事前に

”いっぺんワシがスッちゃろう。”

と先輩が私のチェーンソーを擦り出しました。


待つ事10分。


これが私のチェーンソーか!?とためらう程の切れ味。
刃がどんどん木に吸い込まれてゆきます。
あぁ、昨日一日八つ当たりしてゴメンよぉ。
キミは出来るヤツなのに、持ち主の腕が悪いばっかしに・・・
思わずチェーンソーに謝りました。


何回教えてもらっても、側で見ていても、
テキストを読みあさっても、
結局は自分の手で感覚をつかむしかない様です。


ついこの間まで
夜ベットに入り目を閉じると
真っ暗な山、どこまでも続くヒノキが見えました。
最近目を閉じると
どこまでも続くチェーンソーの刃が見えます(笑)


数をこなし、慣れるべし


     by.ナカシマ アヤ

 

2008年6月16日

友、来る

 先週、金曜日から二泊三日で友達が遊びに来ました。

勿論私に会いに来てくれたのですが
未知の世界、林業に興味を持ち
話が聞きたいと、ここまで来てくれたのです。


 こんなに嬉しい事はない。
社長、事件です!!!
「・・・・・・・。」
こうゆう時に限って、社長は二泊三日の出張。

 
 林業経験二ヶ月。この初心者マークの私に
彼女達のハートをキャッチする話が出来るだろうか?
いささか不安に思い、強い助っ人を準備致しました。

 熟練作業員の岩田さん。

この方なら、色々な話を聞かせてくれるに違いない。
日曜日の朝、彼女と共にご自宅へお邪魔しました。


 昔の林業の話。現在の林業に思う事。
吉和での生活。山の話 etc...
以前は山で仕事をされてた奥様も交え
色々な話を聞かせて下さいました。
とても良い時間でした。


 恐らく彼女達は神戸に帰り、
家で、職場で、林業の話をしてくれる事でしょう。
 
 正に、私の願うトコロ

新聞の見出しでもなく、テレビの特番でもない。
彼女達の肌で感じた、生の林業を伝えてくれるのです。

 
 世の人々が、山が好きか嫌いかなんて
そんなこたぁ、どうだっていい。
(勿論好きに越した事はないですが・・・)
それより、無関心でいて欲しくないのです。

 
 ブログを読んで下さってる方々が、
つい、うっかり

「そういえば、林業がさぁ・・・」

そんな一言が出てくる日まで
私は書き綴りたいと思います。

 
        by.ナカシマ アヤ

2008年6月11日

ガラスのくつ

 待っていたブツが届きました。

スパイク付き地下足袋。
それ、お店で売ってるやろ。
いえいえいえ。
売ってないのです。


私の足のサイズは23cm・・・


特大!!足太さん用!!28cm!!
など大きいものはあるのですが
チビ足さん用がナカナカない。

2ヶ月間、ほとんど毎日履き続けていた為
唯一の一足に穴が開き、さて困った。
やっとネット販売で見つけ、早速注文。
梅雨に備えて防水仕様の物と二足が到着。


ふふふ。


これで一安心と眺めていると、
ふと、これまで私はいくつの靴を履いてきたのだろう・・
と思いました。

バレエシューズに始まり、トゥ・シューズ
ジャズシューズにタップシューズ
そしてスパイク地下足袋(笑)


重心を出来る限り上に保ち、つま先への負担を
最小限に抑えて踊る トゥ・シューズ

重心を低く保ち、
しっかりと5本指で土を踏みしめる 地下足袋


小さい頃、ガラスのくつが欲しくてたまりませんでした。
もちろん本物のガラスではなく
プラスチックで出来た、本物そっくりの靴です。

何度試着してみても
極端に足幅が細かった私の足にはスポスポで全く合わない。
結局いつもマジックテープの付いたゴツい運動靴を履いていました。
きっと、大人になったらあのガラスの靴が履けるんだ。
そう信じていました。


5歳の私へ。
大丈夫。27歳になったら
こんな素敵な靴が履けるからね(笑)

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      by. ナカシマ アヤ

2008年6月10日

社長の一言

月曜日〜木曜日まで林業技術センターにて基礎研修。
机に向かいお勉強です。


講習内容は
森林保護、森林計画、保安林制度、治山事業、
森林管理、木材の流通 etc・・・
と盛り沢山。
行きの空っぽの頭が帰りには満杯。

知る喜びを感じると同時に
変化の波が押し寄せる、この今
林業に関わる重い任務、責任(?)の様なものを
ヒシヒシと感じます。

作業道の設置、高性能機械の導入、
育てる林業から切って出す林業へ


こんな初心者の私でもイタタタタ・・と悩む位だから、
安田社長はさぞかし頭を抱えておられる事でしょう。


現場をこなせる技術。
紙面上の知識。
両方が揃って、はじめてそこから
自分がどうしてゆきたいのか。


社長の一言が深く、強く心に響きました。

   
       by.ナカシマ アヤ

2008年6月 6日

一山去って、又一山

 ある現場のヒノキ間伐が終了しました。

 OKは出ていたのですが
少し不十分な箇所があるとの事で
半日手直しに入りました。

 
 チェーンソーを持ちオイルを腰にぶら下げ
尾根から谷へ、又尾根へ、ウロキョロウロキョロ・・・
切り残し、枝払い忘れ、こんな所にも。
作業中はとにかく目の前の事で精一杯でしたが、
改めて山全体を見直せる時間でした。

 実はこの現場、
私にとって初間伐の場。

第一本目は確かこの切り株。
この辺りでネジを落として皆で大探ししたなぁ。
フタを閉め忘れてオイルまみれになったっけ。

と歩きながら数々のドジを思い出しました(笑)

切り口、チェーンソーからの木クズを見ると、
おおよそ誰が切ったか書いてあります。
熟練作業員の方、仕事が早いのは勿論ですが
作業後の美しい事。
あぁ、これがプロの仕事というものか。
と改めて思いました。


次回このヒノキを切るのは
何年後なのでしょう?
20年、30年後でしょうか。

誰かが植えて、誰かが枝打ちをして、誰かが間伐をし、
誰かが伐採して、やっと搬出。
見ず知らずの方にバトンタッチし続ける事が仕事。
とても不思議な魅力を感じます。


   by、ナカシマ アヤ

2008年6月 3日

緑の雇用 一年生

ついに”緑の雇用”研修スタートです。
(正確には”緑の雇用担い手育成研修”)


緑の雇用とは?

森林組合等の林業事業体に採用された人たちに対して
森林整備等の作業に必要な技能・技術習得の支援を行い
こうした者達が山村に定住し
地域が活性化していくことをめざすもの

     by.林野庁

基礎研修(10日)・・樹木学、森林管理などの座学が主
専門研修(10日)・・高性能林業機械オペレーター養成、
           測量技術など実習が主
基本研修(180日)・・実際働きながら技術を習得


三次市にある広島県林業技術センターに
一年生、25名が集合しました。
やはり女性は一人。もう慣れましたが(笑)
なんだかガッチリした方が多く
第一線で活躍中!!といった
雰囲気を醸し出していました。

私も研修が終わる頃には・・・

   by、ナカシマ アヤ

2008年6月 1日

日曜日

 待ちに待った日曜日。

思う存分寝てやるっ!!
と目覚ましかけずに眠りにつきますが
いつもの5時半に、目がパチリ・・・ 
モソモソと起きて、
洗濯、掃除、朝ご飯。

そしてご近所の方とお散歩へ。
これが散歩と言う名の食料調達。
吉和はとにかく食材の宝庫です。
ワラビ、フキ、クレソン etc・・・
普段車で走れば全く気付きませんが
歩いてみると別風景。


今日はワラビにチャレンジです。
よく考えれば今までワラビを口にしたのは
ほんの数回。
下処理も分からなければ、味付けも分からない。
出来上がりを知らずして作る程、難しいものはない。
ならば、出来た物を正解とするまでの事。

とにかく塩を入れて下茹でし
鰹だし、醤油、砂糖で味付けし
コトコトたいてみました。

お味は・・・明らかにアクが残っていますが
オツな味と言えばオツな味。
まぁ、セーフ。いやアウトかなぁ〜


こんな調子で半日は台所で過ごします。
毎日ヘロヘロになっての帰宅。
一から夕飯を作る気には到底なれません。
なので休みの日に作れるだけ作ります。

野菜は全て吉和産
これが唯一のこだわりです。

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         by.ナカシマ アヤ