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森からの宅配便

森林に関わる仕事に就いてもうすぐ20年。日々の泣き笑いをご覧あれ!

2008年5月27日

親心

 先週より引き続き、間伐に入りました。

この現場、作業は晴れの日限定・・・
という、テゴワイ急斜面。
そして私にとって初めての
個人の方が所有される山での作業となりました。


今までの様に、倒れやすい方向に
バサバサ切って行く訳にはいきません。
辺りには民家があり、道があり、お墓があり。

縁にある木は特に気を使います。
ハシゴに上って、木にワイヤーロープをかけ
チルホールと言う専門の用具を使用し
一本、一本確実な方向へ倒して行きます。
これが又重労働・・・


縁の木を終わらし、いざ中へ。
真っ暗で込み合っているのは外からでも分かる。
しかしいったい、どこから手をつけて良いのやら。
スギ、ヒノキ、雑木、竹、御丁寧にツタまでグルグル巻いてある。
まるで木のデパート

上下に分かれての作業は危険なので
一同上までよじ登り、そこからスタート。

上からスギは滑り落ちてくる
横から押さえられていた木が跳ね返ってくる
下には倒れて腐った木が抜けて、足をとられる
ピンチの連続

『中島さん、ここはどっちを向いても危険な現場じゃけ。
 そこで危険な作業をしとるんです。
 何かあったら大変じゃけ、そこで立っとって下さい。』

決して足手まといになるから邪魔だと言っているのではなく、
つい出てしまった本音。
気遣って下さる気持ちが痛い程伝わりました。

有り難う。本当に有り難うございます。
けど、そういう訳にはイカンのです!!

ヘコへコになりながら、なんとか下まで到着。
少し休憩をとった後
再び上へ登り玉切り、枝払い作業。


心身共に疲れきった16時半、
山主の方に作業終了の報告に行きました。

「ずっと気になっとった山なんよ。
 向こうまで透いて見える様になったんね。
 お疲れさんでした。
 どうも有り難うねぇ。」

と、ご夫婦共にお礼を言われ。
ついにっこり。

微力ながら、山仕事に関わる誇りと
一仕事終わらせた満足感を味わった一日でした。


      by.ナカシマ アヤ

2008年5月25日

遠出の休日

昨日、沖縄へ行って来ました。
・・・・。
とにかく行って来たんです。


 早朝、吉和を出た時には10度。
到着の10時、沖縄は29度の夏日です。

 向かう先は首里城のある金城町。
ここに樹齢約200年のアカギの大木があります。
昔は森でした。
第二次世界大戦で焼失され、現存するのは6本。

今回訪れて知った事なのですが
この森、
園比屋武御嶽といい神社の祈願所だったそうです。
ただ建物はなく


 広がる森自体が本殿


とても心を打たれました。

大アカギ、
まるでドームのように枝を広げ
訪れる者を包み込んでくれます。
暑い日差しを遮り、心地よい風を運び
どれだけの生き物を癒した事でしょう。

私も側に座り、静かな澄んだ時間を過ごしました。

あっと言う間に一時間。
又、報告に来るからね・・と
別れを告げました。

P5240595.jpg

    by.ナカシマ アヤ

2008年5月21日

キスする相手

 15時の休憩時

日中の暑さと、ジワジワと押し寄せる疲れで
皆の口数が減る時間帯です。

そんな中、突然の一言。

『中島さん!
 中島さんには、キスする相手ありますか?』

一同

『・・・・・!?』

の沈黙の後

『何きいちょんやぁ〜〜!!!』

と大爆笑。しかし聞いた本人、

『いやぁ、なんです。
 よく考えてみりゃ、中島さんはワシの孫と
 4つ程しかかわらんじゃないですか。
 心配になったですよ。』

と、大真面目。

この方、同じ現場で指導頂いている
熟練作業員の方の一人です。
とにかくお話にユーモアがあり
笑いの耐えない方なのです。
・・・が、しかし今日は笑いました。

毎日、チェーンオイルと汗にまみれ
木クズだらけでヒノキと格闘する姿を見て
ハタと思われたようです。

確かに、こちらに来てから
季節の靴を買い、鞄を買い、服を買い・・・と
お洒落を楽しむ事から離れています。

ついに”女”を捨てたかぁ。
と、聞こえてきそうですが
そうではない。
むしろ素の自分自身と向き合う時間が長くなりました。

腕力、体力共に男性と差は当然。
甘えるつもりはないですが、事実です。
それを超えて女性である自分が林業に対して
どうアプローチしてゆきたいのか。
どのようにして実現してゆけるのか。

日中の現場では
ただ真っ白に、目の前のヒノキと向き合うのみですが
寝る前のこんな時間
蛙の大合唱の中、ナカシマアヤと一騎打ちの日々です。


    by.ナカシマ アヤ


 

2008年5月19日

危険予測

どうしようかと迷いましたが
書く事にしました。


ヒノキの間伐。
かかり木(伐倒途中に周りの木の枝や葉に絡まり斜めの不安定な状態)
になった木の処置を行っていました。
だいぶ谷に傾いていたので、コレで倒れるだろうと
チェーンソーを入れていました。

スコッと木が倒れ始めた動きを手に感じた瞬間
首の後ろからザワッと何かが追い被さってきました。
前方によろけたと思うと

・・・ッッッズンッッッ・・・

ヘルメットに鈍い衝撃が走りました。

ヨロヨロと地面にへたりながらも
何が起きたのか全く理解出来ていない私。
しばし呆然と上をみあげ、納得。

私が切っていたヒノキのすぐ横に大きなアカマツがありました。
どうやらそこに絡まっていた枝が外れ
180度逆方向(尾根に向かって)に
弾き返され、倒れて来たのです。
運良く尾根頂上にあったヒノキにかかった為
下敷きは真逃れました。


帰ってこの話を安田社長にすると

『木が倒れる方向に”絶対”はないんじゃけ。
 自分の思い込みが一番コワいんよ。』

とのお話。
痛感致しました。


少しチェーンソーにも慣れた頃。
午前中、ここまで仕上げてしまおうと
変な焦りがありました。


”立ち木の状態良し!!”
”伐倒方向良し!!”
”退避場所良し!!”


初心忘るべからず。
三歩進んで二歩振り返る。

     by、ナカシマ アヤ

2008年5月15日

変化

 吉和へ越して来て一ヶ月半。
アッという間だったような、
色々な出来事が起こり、恐ろしく長かったような、
不思議な感じがします。


 大分’顔見知り’も増えました。
採りたての美味しいお野菜を下さるお向かいさん。
週に一度通うお好み屋さん。
毎日温泉で会うおばあさん。


知らない方でも、お会いすると こんにちは。
良いお天気でしたね。一日お疲れさまでした。
と、一言二言交わします。
小学生も登校時には、おはようございます!
下校時は、只今帰りました!
と声をかけてくれます。


 そんな小さなコミュニケーションも
私にとっては大きなエネルギーになります。


 見知らずだった吉和が、だんだん
帰る場所へとなってきました。


    by.ナカシマ アヤ

2008年5月 7日

木の向くまま

 GW、思う存分リフレッシュして参りました。

体も万全!!どんなに動けるかと張り切って
山へ入りました。


しかし・・・しんどいぞ。お昼の時点で意気消沈。
原因の一つと思えるのは気温。
本日、吉和25度ありました。
たしか連休前は少し動き出して汗ばむ程度だったのに。
そして本日の現場はナカナカの急斜面。
その上、土がふかふかで踏ん張りがきかない。


よくチェーンソーの取り扱い説明で
’足場の安定した所で使用しましょう ’
と書かれていますが
’足場の良いトコだけの山がどこにあるねん!? ’
と突っ込みながらの作業でした。


切り捨て間伐といっても切ったら終わりではなく
2〜3mの長さに玉切りをし(地面に付ける)
70%の枝払いが必要です。
熟練の先輩方は木を斜面上部(頂上方向)など
出来るだけ移動距離が少なくなるよう
臨機応変に倒されます。
私は、と言うとほとんど谷へ吸い込まれるように
倒れてゆきます。
想像してみて下さい。
20m近い木、玉切り、枝払いをしながら
その長さ分谷へ下り、そして又斜面をよじ登り・・・
正直に言うと今日の労働時間の大半を
斜面の下り、登りで費やした気がします。
(安田社長、ごめんなさい・・・)


’どうやったら自分の思う方向に倒せるの?’
先輩に聞いたみた事がします。
’木は気(木)の向くままにしか倒れんですよぉ。’
との事。納得


新緑の山の風景を同封しようと
デジカメを持ち歩いていましたのに、
本日はそんな余裕ありませんでした。


窓から見える5月の吉和を同封致します。

P5070582.jpg

   by、ナカシマ アヤ
     

2008年5月 4日

私のオリジナル

 GW、神戸に帰省中です。

 吉和に越してまだ一ヶ月と少々にも関わらず、
まるで神戸がN.Yの様に感じます(笑)
連休中と言う事で観光に来られている方も大勢おられるかと思いますが、
本当にすごい人・・・う〜む・・・

 短い滞在、一番会いたい人は?

 病院に居る祖母です。

 とにかく自慢の祖母なのです。
友達から’スーパーばぁちゃん’と名付けられた通り
82歳にして携帯を使いこなし
旅行が大好きで、好奇心の固まり。
そして、一番の私の理解者でもあります。
初舞台から去年の最後の公演までフル鑑賞。
祖母とは思えない辛口批評を頂く事も度々ありました。

 林業への志を初めて相談したのも祖母でした。
とても驚きつつ、新しい世界の話に目を輝かせて
聞いていたのを覚えています。
 
 周りに言わせると隔世遺伝。
私も’スーパーばあちゃん’と呼ばれる日が来る様
好奇心旺盛に歳を重ねたいものです。

    by. ナカシマ アヤ
 

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森からの宅配便 西中国山地の山あい広島県廿日市市吉和で林業から木工まで、森林にどっぷりと浸かって抜け出せない毎日を送ってます。

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