私の失敗----二酸化炭素削減という一点突破----
北海道地球温暖化防止活動推進員というのを3期6年務めたんですが、次期推進員には応募しませんでした。
3/4、大地震のちょうど1週間前が締切でした。
応募しなかった理由の一つが原発でした。
私が温暖化防止活動推進員に応募したのは、持続可能な社会を目指すためでした。
持続可能な社会をずっと追い求めてきた者にとって、京都議定書を契機とする温暖化防止、二酸化炭素削減へという世界の風潮は千載一遇のチャンスだと思いました。
持続可能な社会というのは漠然としていて分りにくい。
しかし、二酸化炭素削減は分りやすい。
だから、最優先事項として二酸化炭素削減という一点突破で持続可能な社会の要件である化石燃料からの脱却を図ろうと思いました。
まさか、原発が二酸化炭素削減につながり環境に良いなどという戯れ言を各国が政府レベルで採用するとは思いもしませんでした。
甘かった。
温暖化防止活動推進員の資料にも原子力の資料が混じるようになり、自分の浅はかさを呪いました。
本当に甘かった。
二酸化炭素削減という一点突破は失敗でした。
その反省に立ち自分への戒めのために温暖化防止活動推進員の次期には応募しませんでした。
もっと総合的に持続可能な社会に向かうための条件を伝えていこうと決意を新たにした矢先に原発事故が起きてしまいました。
「分りやすさ」という誘惑に負けた自分を恥じます。
持続可能な社会へは二酸化炭素削減だけでは辿り着くことができません。
現時点では、国際環境NGOナチュラル・ステップが定義する持続可能な社会が満たすべき4つの原則に基づいて考え行動していくことが必要だと思います。
時に思考停止をもたらす「分りやすさ」よりも、思考の源泉となるような抽象的な概念や物語を今まで以上に重視しようと思います。
コメント
Posted by: 高力一浩(こーりきー) [ 2011年3月27日 10:57 ]
なすけんさん
貴方はえらい。
なかなかそうは書けない。
そう言う人たちが
次のエネルギーを
次の時代の生き方を
考え出していくのだと思います。。
Posted by: ナスケン [ 2011年3月27日 23:52 ]
>こーりきーさま
ホントに「えらい」ことをやってしまいました。振り返ればこれまでも失敗の数々…「恥の多い生涯を送って来ました」。
でも、しつこい性格なので続々と次の一手を打ちますよ。私の人生など捨て石でいい。あわよくば布石になれれば。